胸が張り裂けるようなつらい敗北もバスケットボールの一部だ

公開:2021/04/09

更新:2021/02/22

After a Tough Loss

本誌にたびたび寄稿をいただいているカート・グエルスドーフは、オレゴン州の女子トップチームの1つを率いている。オレゴン市立高校女子バスケットボールチームは、毎シーズン、何度も大きな試合を戦っている。彼女らは、州タイトルをコンスタントに獲得しているからだ。常に上位の成績を残すために、グエル
スドーフは、チームが敗北感に苦しんでいる時の対処の仕方を知っている。彼は私とこのトピックについてしばらく話した後、4つのヒントを教えてくれた。

1. 感情を抑える

敗北の後は、感情が高まっているものだ。それが相手のブザービーターシュートによるものなら特にそうだ。しかしグエルスドーフは、ロッカールームですぐには感情的にならない。彼は試合の展開や終わり方を指摘する前に動画を見る。「動画は我々が見たものとは異なることを示すことがある。だから私は冷静でいるよう心がけている。翌日、セカンドハーフでのプレーの仕方をみんなで話し合うのさ」

2. メンタルの状態をモニターする

10 代のプレーヤーに指導していると全てがドラマティックだ。敗北も例外ではない。敗北を乗り越えるために辛い思いをしているプレーヤーに追い打ちをかけてはならない。「すでに打ちのめされているチームを打ちのめすな。その試合には勝ちたかった。だが、州タイトルの望みがなくなったわけではない」グエルスドーフは、数年前のレギュラーシーズンに言及した。彼のチームが残り時間1.7 秒でオフェンスプットバックを決めたのだ。「ほとんどのプレーヤーが、失敗をしたことを理解している。彼らをさらに打ちのめす理由はない」

3. プラスに考える

グエルスドーフは、前向きな考え方を推奨している。「明日になって、今日よりもうまくできるのは、どんなことだろうか?今日の敗北からどんなことを学べるだろうか?」

4. 広い視野を持とう

敗北感は簡単には消えていかない。プレーヤーにつきまとう。それでいいのだ。プレーヤーが敗北を気にしている証だからだ。広い視野で総合的にその敗北を考えるのが、コーチの仕事だ。「試合では勝負を楽しみ、チームメートを思いやりながらプレーすること、と教えよう」

グエルスドーフは、敗北した翌日の練習でドリルワークの間、音楽をかける。そして、「ドリームチーム」(女子チームと対戦する男子チーム)を連れてくる。集中させ、全力で練習させるためだ。

「これは、大きな敗北を味わった次の日の練習には、とても効果の高い練習だ」と彼は言う。さらに、その日の練習ノルマを終えたら、彼は練習を早く切り上げ、プレーヤーに試合の録画を見せる時間を取る。

「 失敗した点だけではなく、良かった点にも言及し、前向きな気持ちで練習を終わらせよう」

Basketball Coach Weekly日本語版89号より

(本コーナーでは、JLC e-bookストアで販売している『Basketball Coach Weekly日本語版』のバックナンバー記事から、抜粋して掲載しています)

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