公開:2021/02/26
更新:2021/02/22
Against a Dream Team
カート・グエルスドーフはオレゴン州オレゴンシティ高校女子チームのコーチであり、本誌にもよく寄稿してくれる人物だ。彼のチームは常に、6A(オレゴン州の中の最も大きな高校のリーグ)のトップにおり、常に州タイトルを狙っている。
数年前、グエルスドーフは私に、練習で「ドリームチーム」を使うことがあると話してくれた。彼の練習は激しく体を動かすものだ。ドリームチームは、公式戦に出場機会のなかったアメフト部の選手たちで構成されている。彼らはオフシーズンもアクティブに活動したいと思っているプレーヤーだ。その他の運動部のアスリートも参加可能だ。屈強な肉体を持つその男子チームと、女子バスケットボールチームとを練習試合させると、試合本番でのタフネスを身につけられるようになる。
考えてみてほしい。その練習試合でハイ・ピックアンドロールを女子が実行する場合、スクリーナーはおそらくハードにチャージングしてくるアメフトのプレーヤーに対してそのスクリーンを保持しなければならないはずだ。その男子に対して、女子が足をしっかり踏ん張れたとしたら、試合で強固なスクリーンをセットすることは、より容易になる。
バスケットへハードに走り、ディフェンスのいる中でレイアップを打つ場合、彼女らは普段相手にしている女子選手よりも数段体格の良いプレーヤーを相手にすることになる。パッドを装着したコーチが参加するのも、もちろん良いアイデアだ。だがそれは、大きな体、そして太い腕を持った本当の相手ではない。
私が指導している小学校4 年生の女子サッカーチームでも同じことが言える。我々は男子サッカーチームと、グラウンドをシェアしている。シーズンの初戦前の練習で、私は男子サッカーチームとの練習試合を提案した。少女たちにもっ
とアグレッシブになるよう働きかける必要があることに気付いたからだ。少年チームとの対戦は、それを体験させるるのにちょうどよい方法だ。
このアイデアは女子チームのためだけのものではない。あなたが男子チームを指導しているなら、OB や年齢が少し上のアスリートを集めたチームを作ることを考えてみよう。結果的に、あなたのプレーヤーの積極性を増すこと、そして、勝利を維持するには試合でどのくらいハードに動かなければならないかをプレーヤーが理解することにつながる。
練習に外部の人間を参加させることに関する、あなたの州のルールや規則を知っておこう。全て問題なければ、参加プレーヤーを集め始めて、ドリームチームを結成しよう。このアイデアは毎日の練習で実行できることではないが、週に1~2回、彼らを用意できるなら、プレーヤーの強さを養うことができる。そしてそれは試合本番に役立つはずだ。
Basketball Coach Weekly日本語版86号より
(本コーナーでは、JLC e-bookストアで販売している『Basketball Coach Weekly日本語版』のバックナンバー記事から、抜粋して掲載しています)