良いものをシェアして地域のレベルアップに繋げる~越谷アルファーズ 地域還元クリニック取材レポート~

公開:2021/05/21

観る、判断して、体を動かす力を伸ばしたい

中学生の部は、今年の4月までアースフレンズ東京ZのU15チームHCを務め、5月から越谷アルファーズに合流した岩井コーチが担当。ドリブルドライブのスキル、特に「状況を見て判断する」ことをポイントにした指導が行われた。今回のクリニックでの指導のポイントについて、岩井コーチに伺った。

↑クリニックの内容を説明する岩井コーチ

岩井コーチ:短い時間の中で何を教えるかを考えたときに、育成年代に重要な脳・神経系の強化に関わる、観る・判断する・動くというポイント意識したメニューを優先しようと考えました。中学生年代は、体の発達度合いがまちまちで、1日の短い時間でフィジカル的なメニューを参加者の全員に合うかたちで行うのは難しい。今回のテーマである「個のスキル」をという観点からも、ドリブルドライブで相手を抜いてフィニッシュに行くまでのスキルを中心にしたメニュー、その中でも神経系を刺激するような練習内容にしようと考えました。

岩井コーチが語ってくれたように、中学生の部はとにかく「視野と判断」を磨く練習が中心となった。ドリブルをつきながらシグナルを見て次の動きを判断するメニューから始まり、ドライブの際のディフェンスを意識した動き、抜いた後のヘルプディフェンスを意識した動きと、徐々に実践に近づけながら、「状況判断力」を伸ばすメニューが展開されていた。

要所で映像を使った説明を行いながら、今取り組んでいるスキルが実際にどのようなプレーに繋がるかということを丁寧に説明し、選手が練習の意図を理解して取り組める工夫もされていた。

こうして、ユースでの指導経験が豊富な2名のコーチから直接指導を受けられる経験は、選手にとっても指導者にとっても貴重な機会になったに違いない。

実際に、クリニックに参加していた地元の中学校の指導者は、

「1時間半の練習の中で選手が変わるのが見えた。指導の引き出しも多く、自分自身も刺激をもらえた。コロナ禍でなかなか活動ができない状況だが、今日のクリニックは本当にありがたかったし、今後の自分の指導にも活かしていきたい」と話していた。

青野GMが語ってくれた、「良いものはシェアして切磋琢磨していく」という思いは、今回のクリニックを通して確実に地域の指導者にも伝わっている。

選手も指導者も学べる環境を目指す

最後に、今後の展望を青野GMに伺った。

青野GM:今回は募集期間が短く、情報が届かなかった方や参加したいと思ってもすでに定員になり参加できなかった方もいる。なので、こうした取り組みは今後も継続して続けて行きたいと考えています。今回クリニックは、個人スキルをテーマにしましたが、今後はテーマを絞って、一つ一つのスキルを突き詰めたクリニックも展開していきたい考えています。また、無料のものだけでなく、有料にしてよりハイレベルな指導を行うクリニックの実施も検討をしています。そこでの収益をチームのユース活動の資金に回して、ユースチームの活動を充実させる。そして、その活動をクリニックで地域に還元する。そういう良い循環が生まれるように計画をしていきたいと思っています。 地域の選手や指導者の方々が、ここで学んで、それを自分のチームに持ち帰る。バスケットボールを学ぶ機会、環境をアルファーズが中心となって作っていきたいと考えています。

取材日:2021.5.15


越谷アルファーズ

越谷アルファーズ公式サイト:https://www.koshigaya-alphas.com/

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