公開:2023/09/08
更新:2024/12/18
相手チームのディフェンスプレッシャーが強く、簡単には抜くことできない。対戦相手のレベルが上がるごとに、この傾向は強まります。1対1で抜けないであれば、チーム戦術で攻め、シュートチャンスをつくる必要があります。恩塚亨氏がクリニック形式で「プレッシャーリリース」を解説しているコンテンツから、その一部を紹介します。
ファウルぎりぎりのプレーで激しくディフェンダーを抑える
ボールマンが1対1で抜ける技術を持っていれば果敢にアタックすればよいが、多くの場合、それは難しい。その場合はスクリーンプレーでパスレシーバーにかかっているプレッシャーを外す。典型的な形は、ボールマンの隣のプレーヤーがダウンスクリーンをセットして、前方にいる味方をフリーにする。この時に重要なことは、スクリーナーがファウルぎりぎりの激しさで相手ディフェンダーを抑えに向かうこと。曖昧なスクリーンではダメだ。この場合の良いスクリーンとは、ぎりぎりファウルにならないコンタクトを指す。
4対4シェルドリルで繰り返し練習する
図1は、このスクリーンプレーを練習するための4対4シェルドリルの1コマ。ハーフコートの左右両サイドで2対2の状況をつくり、ダウンスクリーンを使ってレシーバーが飛び出して逆サイドからのパスを受ける練習。パスを受けたプレーヤーは、今度はボールマンとなり、反対サイドのスクリーンから出てくるプレーヤーにパスを送る。もし前方のスペースが空いていたら、ボールマンはドリブルアタックしてレイアップを狙ってもよい。シュート後はライブでリバウンド。20秒間このパターンを繰り返す。
このドリルを行う際の注意点の一つは、スクリーン後の動き出しのタイミング。早くなりがちなので、スクリーナーはパスレシーバーが横を通った瞬間に反転してコーナーのスペースを埋める。スクリーナーは相手を止めて終わりではなく、このスクリーンプレーで広がるチャンスを活かすために、素早く次のポジショニングをする。
ディフェンスは、ボールマンに対するプレッシャーを厳しくすることを心掛ける。そうすることでドリルとしての強度を高める。
ドリルで身につけるべき習慣
ドリルを繰り返すうちにスクリーンの強度が落ちてくることが多い。スクリーナーは最後まで強度を保てるよう意識し、スクリーン後のスペーシングも抜かりなく行う。こうしたプレー習慣を身体に染みこませることが、試合での良い連係プレーにつながる。
パッサーはレシーバーが合図するまで待つ
連係でミスが起こりやすいのは、パスのタイミング。パッサーは、上がってくるレシーバーが手を挙げて合図を送るまでパスは出さない。このような約束事をチームで徹底させることで、ミスのないチャンスメイクが可能になる。
本編では、中学生を相手に恩塚氏がクリニックを行い、随所で動きを止めてプレーのポイントを説明しています。短い時間でプレーヤーたちの動きが変わる様子を、ぜひ本編でご覧ください!
〈商品情報〉
上記の内容は、コンテンツタイトル【恩塚亨 プレッシャーリリースクリニック】に収録されています。オンデマンド版、DVD版、どちらでも視聴可能です。
■指導・解説:恩塚 亨(東京医療保健大学女子バスケットボール部ヘッドコーチ ※肩書は2017年収録当時)
■実技協力:福岡市立西福岡中学校男子バスケットボール部
コンテンツの収録内容
2017年12月30日――年末で大変多忙な時期にもかかわらず、40人もの参加者を集め開かれた「恩塚亨 プレッシャーリリースクリニック」。2017年の全中で優勝した「西福岡中学校男子バスケットボール部」をモデルに、「中学生に落とし込むためのプレッシャーリリース」というテーマで熱心に指導が行われました。
個でボールを失われないようにするためのボールハンドリングから始まり、2on1を確実に決めるための状況判断をするドリル、前作から発展したウイングミートアウト、リバウンドドリルなど時間いっぱいまで使って様々なメニューが紹介されました。注目すべきは細かく、そして論理的な指導の視点です。