ペイントエリアのスペースを空けてアタックする~5 OUT OFFENSEのポイントとは?~

公開:2021/05/21

更新:2021/06/03

5月17日(月)より、JLCオンデマンドバスケットボールコースDVDで同時リリースとなる『恩塚亨 5 OUT OFFENSE』。今回は、作品のポイントについて、東京医療保健大学女子バスケットボール部の恩塚亨HCと吉田亜沙美ACにお話を伺いました。


【吉田亜沙美AC】

東京医療保険大学女子バスケットボール部アシスタントコーチ(元日本代表、JX-ENEOSサンフラワーズ)

──今回収録した「5アウト」という戦術は、現役時代に経験されましたか?

現役の時は4アウト1インしかやったことがありません。ですから私自身今回初めて、5アウトの考え方を勉強させていただきました。5アウトは、よりペイントエリアのスペースが創出されるので、そのスペースに積極的にアタックできます。隣同士が近いというリスクはありますが、日本のバスケットボール界で今後使われる戦術の一つになるのではないかという期待感があります。

──プレーヤー視点で、この戦術を使う場合の留意点などは?

ドライブしたときの味方同士のスペースが少し狭くなるので、その間合い。あとはダイブするタイミングなど。カッティングを繰り返す中で、次にどこのスポットに入っていけばよいか、その判断も重要になってくると思います。

──この戦術はアンダーカテゴリーでも使えるでしょうか。

年代を問わず、高身長の選手がいてインサイドで待ち構えるという戦術を使えるチームは少ないと思います。
スピードを活かしてアタックしていかねばならないので、5アウトは使えるのではないかと思います。

──話は変わりますが、アシスタントコーチに就任されて恩塚コーチと間近に接するようになって感じたことは?

恩塚さんは「選手の心のエネルギーを一杯にする」ことを常に心がけていらっしゃいますが、私自身もコーチとして、心のエネルギーが満ちてくるのを感じています。選手たちのモチベーションを引き出す手腕はすごいなと思いますし、一つ一つの言葉を大切にしながら伝えているのがよくわかるので、私も、そういう指導者になりたいと日々思っています。


【恩塚HC】

東京医療保健大学女子バスケットボール部ヘッドコーチ 女子日本代表アシスタントコーチも兼任

──5アウトはどういうチームに向いている戦術ですか?

最も向いているのは、オールダウンダーが多いチーム。対戦相手で言うと、動きの遅い選手が多いチームに対して有効だと思います。
この戦術の最大の目的はペイントエリアを空けること、そして、ヘルプがいない状態でペイントエリアをアタックする。ヘルプが遠いところから入ってくるので、アウトサイドでスリーポイントのチャンスが生まれる。これらをうまく掛け合わせてオフェンスを展開していくプレーです。

──初めの解説の部分で、プレーの形を追うよりも目的をしっかり意識するよう、強調されていますね。

目的は得点を取ることですから、“手段”に埋没してしまわないように。

──どんな指導者に見てほしいですか?

大枠で言うと、オフェンス戦術に悩んでいる方。ナンバープレーを教えるとロボットみたいになってしまうし、教えないとぐちゃぐちゃになってしまう、そうしたジレンマを抱えるコーチには、役立つのではないかと思います。

──それは対象年代を問わず。

はい、そうです。

──このような戦術を使うための前提として、オフェンスの原理原則の理解が必要になると思いますが。


第一に目的があります(得点を取ること)。その目的を達成するための原則を伝える。その原則が、どういう時に崩れるのか、その原因をコーチも選手も理解すること。理解できていない選手に対しては、的確な処方箋でフィードバックする。これにプラスして、選手間で教え合えると選手たちにとってアウトプットの機会になるので、極力、選手に任せる方向が良いと思います。
けれども任せていると「ちゃんとやって!」という言動になりがち。そう言われると混乱してしまう人もいるし、「ちゃんと」で済ませると伝える側が十分アウトプットしたことになりません。相手が理解できるように、できるだけ具体的な説明をするよう指導することが必要だと思います。

──ご自身の中で、5アウトを注目するようになったきっかけは?

始めは、あまり好きではありませんでした。ボールマンがダブルギャップを使えませんので。講師として中学校のクリニックに招かれた際、その準備で勉強しているうちに面白いな、と思うようになりました。まずカッティングでアドバンテージを取りに行くという考え方が新鮮でした。自分の可能性が広がったと感じるし、偏見を持たずに、いろいろチャレンジしてみるのはいいんじゃないかと思います。これは他の指導者の方々とも共有したい考え方です。


(取材後記)
話の最後に情報収集の話題になったので、「普段、どのような手段でコーチングに必要な情報を収集されていますか?」とお聞きしたこところ、「最大の情報源は目の前の選手です」という答えが返ってきました。読書家で知られる恩塚氏なのでレアな情報源を紹介してくれると思いきや、この回答は少々意外した。最大の情報源は目の前の選手。変化球気味に見えるこの発言の真意は、別の機会にじっくりとお聞きしてみたいと思います。ただ、最後にズバッと響く直球コメントもいただきました。「私は、ビデオや書籍代、学びのために毎月最低1万円は投資しています。自己投資こそ最高の投資だと思っています」と。


恩塚亨 5 OUT OFFENSE

今回紹介した映像は、JLCオンデマンドバスケットボールコースで配信中!

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