バスケットボールの上達を阻んでいる要素に着目し、改善する Vol.1

公開:2020/10/02

更新:2020/10/27

同じ練習をしているのに、早くうまくなる子と、なかなかうまくならない子がいる…身体的には恵まれていて、筋力もあるのに、素早い動きができない…走るのは早いが、試合の場面でそのスピードが活かされない…

指導者、プレーヤーが日々悩む、これらの現象の裏にはいろいろな要素が絡んでいますが、一つの解決の糸口は、身体の使い方にあります。もともとの身体の使い方が間違っているから、上達が遅い。センスがないと言われてしまう。正しい身体の使い方を意識し、動きを根本から変えていけば、一気に上達の道筋が開けてくる。 3回にわたって、そうしたアプローチの実例を紹介します。

取材をさせていただいたのは、バスケットボールを中心に、長年、トレーニング指導を生業としてきた森川靖さん(有限会社ファーストステップ代表)です。森川さんは、特に近年、インナーマッスルへの働きかけを主軸としたエクササイズ構成で、数多くのチーム、選手たちの向上を手助けしてきました。


「間違った身体の使い方」で起こるプレー上の問題

開口一番、森川さんにぶつけたのは、「バスケットボールの上達を阻んでいる、ありがちな間違った動き、身体の使い方といったものはありますか?」という問いです。これに対して、代表的な4つの現象を挙げていただきました。

1. ドライブが遅くてディフェンスを抜けない

2. パスが弱くて遠くに飛ばない

3. ジャンプシュートが素早く打てない

4. 1対1のディフェンスで素早く対応できない

それぞれについて、少し詳しく見ていきましょう。

1. ドライブが遅くてディフェンスを抜けない

→原因の一つは、上体を前傾させすぎること。腸腰筋(下図)が硬く、体幹からの動き出しができていない。

腸腰筋(体幹部の深層で腰椎・骨盤と大腿骨をつないでいる)

2.  パスが弱くて遠くに飛ばない

腕の力だけでパスをしてしまうことが主因。体幹部からのパワーで押し出すことが必要。

3. ジャンプシュートが素早く打てない

ジャンプの局面で沈み込み、その反動を使ってジャンプしてしまう。その結果、動作が遅くなる。股関節の伸展力を活かせず、脚の力に頼ってジャンプしていることが原因。

4. 1対1のディフェンスで素早く対応できない

→よくある「1歩目の足が出ない」という現象は、膝を曲げて脚の力で体重を支えてしまっていることが原因。体幹に力を入れて構え、重心をずらすことで横への動きが素早くなる。

良い動きと悪い動き

ここで、1~4の動きについて、悪い例と良い例を、少し大げさに実演していただいた動画を見てみましょう。上体の傾き、膝を曲げる深さなどに着目してください。

ドライブ:悪い例(上半身を前傾しすぎる)↓

ドライブ:良い例(体幹から前に押し出す)↓

パス:悪い例(腕を伸ばして前のめりパス)↓

パス:良い例(体幹の力で押し出しボールに勢いをつける)↓

ジャンプシュート:悪い例(沈み込んだ反動を使ってシュート)↓

ジャンプシュート:良い例(膝を深く曲げずに股関節の伸展力でシュート)↓

ディフェンス:悪い例(膝を曲げて脚の力で体を支えてしまう)↓

ディフェンス:良い例(体幹部の力で体を支え足を浮かせると動き出す)↓

4項目に共通する要素は、体幹がうまく使えるかどうか、です。体幹(特に下腹部)にしっかり力を入れた状態で構え、動き出しも脚中心ではなく、体幹からのパワーを末端に伝える動きができているかどうか。これがキーポイントになります。

第1回はここまで。第2回、第3回では、ストレッチを中心とする改善エクササイズの実例を紹介します。

>>> 第2回の記事を読む

>>> 第3回の記事を読む

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森川 靖 Morikawa Yasushi

1963年東京都生まれ。筑波大学大学院でスポーツトレーニング理論を修めたのち、ストレングスコーチ業を開始。当初はウエイトトレーニングを中心に指導していたが、それだけではパフォーマンス改善に限界を感じ、大きく方針を転換。インナーマッスルのコンディショニングで動きを基礎から改善する「動きづくり」を主軸に小学生からプロ選手まで数多くのクライアントにトレーニング指導を行っている。

■森川氏の指導内容をさらに詳しく知りたい方は、下記をご参照ください。

【小冊子】

>>>「スポーツパフォーマンスを高めたかったら“しっぽ”を動かしなさい」 有限会社ファーストステップ発行

【ジャパンライムDVD】

>>> 森川靖の「動きづくり」トレーニング~ インナーマッスルを使った “ 尻締め ” の極意 ~【全2巻】


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