私の一押しドリル紹介 vol.3──オールコートの1対1フットワーク、フィニッシュスキルドリル

公開:2021/09/30

更新:2022/08/09

市立柏高校アシスタントコーチ兼スキルコーチ・根本尚希

千葉県の高校バスケット界で強豪チームの1つ、市立柏高校女子バスケットボールでアシスタントコーチ務める根本尚希さんに、2つのおすすめドリルをご紹介いただきました。


根本尚希さん。オンラインでお話をうかがいました。

「人についていく」ための姿勢とフットワーク

根本氏は小学校の教員をしながら、外部コーチとして千葉県の市立柏高校女子バスケットボールの指導をしている。中学生のクリニック等にも招聘されて指導する機会も多いが、年代を問わず、高い頻度で取り入れているドリルとして、「オールコートの1対1フットワーク」と「フィニッシュスキルドリル」の2つをご推薦いただいた。

ディフェンスの足をつくるドリル

「オールコートの1対1フットワーク」は、「ディフェンスの足をつくる」ことを主目的に行うもので、ディフェンス時の足の使い方、体の当て方について、正しいスキルを確認しながら、可能な限り毎日行う。スキルの眼目としては、以下のようなものだ。

・足を速く動かすこと

・局面に応じたステップの使い方(スライドステップ、クロスステップ等)

・ドリブルをしているオフェンスに対するプレッシャーのかけ方

・相手が止まった時のコンタクトの仕方

相手に抜かれた時は、「今の場合はクロスステップの1歩目が小さかったから」等、何が悪かったのか各自が確認しながらドリルを行う。オフェンスの動きと比較すると、ディフェンスは身体能力に劣る選手であっても毎日の努力で確実にレベルアップが可能な領域であり、まさにその部分を鍛えるのに格好のドリルであると根本氏は考えている。毎日コツコツ積み重ねるという意味と、床をコツコツ蹴る意味を掛け合わせ、チームではこの種のドリルを「コツ床ドリル」とも呼んでいる。

実例としては、下記のYouTubeリンクをご参照いただきたい。市立柏高校のバスケットボール部顧問の先生が、選手たちの頑張りを見てほしいという思いで開設したYouTubeチャンネルで公開されているもので、練習方法が細かく解説されている。ちなみにこのチャンネル開設以来、中学校の指導者等からの反響が少なからずあり、根本氏が県外に指導に行く機会が増えたという。

1歩目でジャンプするスキルを磨く

2つ目の「フィニッシュスキルドリル」はレイアップシュート練習の一形態だ。ドリブルからシュートに移る際、従来の主流だった2歩でなく、1歩目でジャンプする練習を重視している。1歩目でジャンプすることによって、相手のブロックが来る前にシュートを打つことができる。身長差のあるディフェンダーが待っている場合でも、ブロックをかわせる確率が高くなる。

このテクニックは最近注目されてきて、YouTube等でも動画を探すことができるが、市立柏高校の例は下記のインスタグラムで紹介されている。VEER STEP(ビアーステップ)と表記されているものが、このレイアップドリルの一例だ。

https://www.instagram.com/ichikashi_orange_sunshines/?hl=ja

これは、ドリブルの最後で1歩内側に入りディフェンダーにコンタクトし、外側の足で踏み切ってシュートするパターンを練習している。こうしたドリルに日々取り組むことで、試合でも相手のブロックをかわせる場面が増えてくる。ディフェンダーに正面に入られた場合は、2歩目がまだ使えるので相手をかわしつつ、サイドへ踏み込む選択肢も取れる。

(2021年9月27日、オンラインにて取材)


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