アンケート調査報告:「ロングシュートの精度を高める」 

公開:2022/01/21

更新:2022/03/04

Basketball JUMPでは2021年暮れに「ロングシュートの精度を高める」をテーマとしてWEBアンケート調査を行いました。全国、さまざまなカテゴリーの指導者43名の方にご回答いただき、貴重なご意見をいただきました。年の瀬のお忙しい中、ご回答いただきました方々には、厚く御礼申し上げます。以下、回答いただいた内容を抜粋して紹介いたします。


「ロングシュートに課題があり」が大半

「ロングシュートの精度に課題があると感じていますか?」という質問には、43名中、41名の方が「はい」と回答。次の「ロングシュートの精度を高めるために取り組んでいることはありますか?」には、34名の方が、「ある」と回答しました。ロングシュートの精度は指導者にとって大きな関心事で、日頃から様々な取り組みを行っている様子が垣間見えます。

ロングシュート改善のための取り組み

前問で「ある」とお答えいただいた方に、具体的な取り組みをご記入いただきました。アンケート回答の短い文面では具体的な内容がわかりずらい部分もありますが、考え方のヒントとしていただきたく、下記、箇条書きで紹介します(カッコ内は回答者の指導カテゴリー)。

・トントンリズムを使ってシュートを打つ練習をしています(大学)。

・シュートフォームと体の力の伝え方(中学校部活)

・ロンシュートの練習は必ずパスを受けてクイックで打つというふうに心がけさせている。バスなしでフリー3ポイント練習はさせない。時間を測って必ず記録させてどれくらい伸びているかを常に把握させる(高校部活)

・体幹トレーニング(中学校部活)

・フォームの改善(高校部活)

・ゲームライクな動きの中でのシューティング(中学校部活)

・コーディネーションシュート(ミニバス、中学校部活)

・腕だけで投げないように下半身も使うようにする(ミニバス)

・姿勢づくり、倒立、ボールの移動(ミニバス、中学校部活、クラブチーム)

・正確にボールを飛ばすこと。左右のぶれを気をつける(ミニバス)

・スポットシューティング(同じ場所から)、ロバストシューティング(ハンドリングやステップに負荷をかけてシュート)、ゲームシューティング(戦術や場面に合わせた動きでのシュート)(中学校クラブチーム、高校部活、U15県育成センター)

・ナチュラルパーフェクトシューティングシステム(高校部活)

・下半身の力を使い、上半身の力を抜くこと。指先のリリースの精度を高めること(高校部活)

・シュート確率の統計を取る(中学校部活)

・ロングシュートとミドルシュートを交互に打つシューティング(中学校部活)

・バリューワークスのFlexシュート理論に基づいたシュートフォーム構築(ミニバス、中学校部活・クラブチーム、高校部活、社会人)

・ボールのキャッチからリフト、リリースでのハンドル(ミニバス)

・近い位置からの精度を上げる(ミニバス、中学校クラブチーム、高校クラブチーム)

・距離感がつかめるまで打つ(中学校部活動)

・フローターの練習(ミニバス、幼稚園児)

・腕の角度、スナップ、リリースの指の意識、下半身のしゃがみ方(中学校部活動)

・シュートフォームの改善(中学校部活)

・女子ですがワンハンドシュートにおけるボールリリースまでのボールの動かし方、腕の使い方の指導。下半身の後ろの大きな筋肉の使い方などを指導しています(中学校部活)

・毎回の練習で10分間3ポイントだけのシューティングをすること(中学校部活・クラブチーム)

・ポイントをどこにおくのか。私のチームでは、月刊バスケットボールの高校生のシュートフォームを参考にして、自分との違いを比較しました。まだまだ足りませんが向上してきている様子がみられます(中学校部活)

【ドリル例】中学校女子の指導者の方からは、具体的なシューティングドリル例を1つ、詳細に紹介していただきました。↓

>>>メンバーをシューター3~5人とリバウンダー3~5人のグループに分け、リバウンダーの中から一人パッサーを決めておきます。シューターは0°またはトップの位置に立ち、パッサーからパスを受けてキャッチ&シュートする形式です。シューターは、先頭の選手がシュートした位置の後ろに並び、自分の順番が来たらキャッチ&シュートします。先頭の選手は、シュートを撃ったら次は前のシュートを撃った位置の身体一人分隣にずれ、次のシュートを打ちます。これを繰り返すと、0°から逆サイド0°までにだいたい1人30本くらいシュートできます。10分撃つとだいたい40本くらいになります。トップから撃ち始めたグループは、0°まで進んだら逆サイド0°に移動し、そこからトップまで続けて1周します。0°から始めるグループとトップから始めるグループに分けると、1つのリングに対しても2グループが同時にシューティングできるので、10分間でそれなりにシュート練習できます。 意識させていたのは、パッサーにできるだけペイントアタックした選手がキックアウトしそうな位置からパスを出させるということでした。コーナースリーにはリング下から、トップにはローポストから、45°にはペイント中央付近からなどと、できるだけ試合に近い角度からのパスを重視していました。

この指導者からは、別の取り組みとして、下記のようなコメントもいただきました。

>>>現状では、できるだけ正しいフォームで打つことを重視し、距離が届かなければリングに近づいて良いものとしています。届かない選手は、全身のバネをいいタイミングで使うことができないものと考え、コーディネーショントレーニングを極力欠かさないようにしています。 やってみようと思っている練習は、身体作りのトレーニングです。練習時間の短い中学部活では、シュートを撃つ回数を多くすることが肝要と思っていたので、とにかくシューティングの時間を1分でも設けることを心がけていました。しかし最近は、バスケットをするために(怪我を防ぐためにも)必要な筋力や体幹が足りないのではないかと思えてきて、メディシンボールやトレーニングバンドを使った筋力トレーニングを週に1日程度取り入れようとしています。用具も今まさに揃えているところです。

ロングシュート上達のキーポイント

「あなたが思うロングシュートのポイントを教えてください」という質問に対する回答を紹介します。簡潔なキーワードで、ロングシュート上達のコツをいろいろとご指摘いただきました。これらも、参考になるのではないかと思います。

・動作パワーによるエネルギーの使い方(大学)

・スリーポイントの1メートル後方から精度が高く打てること(中学校部活)

・とにかく本数を打つ(高校部活)

・ボール回転数(中学校部活)

・スタンス(高校部活)

・まず打とうとすること(中学校・高校部活)

・シューティングライン、スナップ、リズム(中学校部活)

・ボールミートからシュートまでのリズム(中学校部活)

・ある程度はクイックモーションで打てること(大学)

・マジックタッチ、シューティングラインの確保(ミニバス、中学校クラブチーム)

・キャッチ、ディップ、フォロースルー、目線(ミニバス、中学校部活)

・リラックスして打てること(ミニバス)

・ボールを真っ直ぐ飛ばすこと、感覚(中学校部活)

・お尻を使う(ミニバス)

・ボールの移動ライン、リリースポイント(ミニバス、中が校部活・クラブチーム)

・距離感(ミニバス)

・床の反発力をもらうための下半身と伝えるための上半身の連動(中学校部活)

・真っ直ぐ飛ばす工夫、楽に飛ばせる工夫(中学校クラブチーム、高校部活、U15県育成センター)

・踵から骨盤底筋群、横隔膜、小指球と連動させる(高校部活)

・力まない(高校部活)

・無理のないフォームでシュートが打てること(中学校部活)

・再現性(中学校部活)

・肘の位置を柔軟に変動させること。ドロップスクワットジャンプの動作を習得すること(ミニバス、中学校部活・クラブチーム、高校部活、社会人)

・シューティングライン上を真っ直ぐにボールを移動させる(ミニバス)

・ハンドル(ミニバス)

・アーチ(ミニバス)

・フォーム(ミニバス)

・Flexシュート(中学校部活・クラブチーム)

・シュートフォームを固定する。体の一連の動きを意識する(ミニバス、中学・高校クラブチーム)

・まっすぐ遠くへ(ミニバス、中学校部活)

・打点の位置を低くする(ミニバス、中学・高校クラブチーム)

・腕を上に伸ばしてフローター気味に打つこと(中学校部活)

・手の角度とリリース(中学校部活)

・弧の高さと距離のバランス(中学校部活)

・シューティングラインをいかに一定させるか、身体の使い方、特に下半身の後ろの大きな筋肉の使い方にあると思っています(中学校部活)

・キャッチした瞬間にシューティングスタンスがとれていること(中学校部活・クラブチーム)

・リリースする時のタイミングとフォーム(ミニバス、中学校クラブチーム)

・腕の力に頼らず、全身を使って力をボールに伝えるイメージで打つ(ミニバス)

・上半身の使い方(ミニバス、中学校クラブチーム)

回答者の中から数名の方に追加取材を行い、各々のロングシュート精度向上への取り組みを、順次紹介してまいります。

>>>インタビュー記事1 肘の位置を柔軟に変化させ、下半身のパワーをボールに伝える を読む。


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