公開:2022/03/04
更新:2022/04/29
Basketball JUMPでは2022年2月に「新入生を迎える環境づくり」をテーマとしてアンケート調査を行いました。今回は、158名という多数の方々にご回答いただきました。貴重なご意見をお寄せ下さいました方々に、厚く御礼申し上げます。前編・後編の2回に分けて概要を紹介します。
コミュニケーション、楽しい体験、ワクワク感…
最初の質問で、「新入生を迎えるにあたり、意識しているポイント」をお聞きしました。部活チームでは毎年のルーティンとなっているだけに、各現場で、明確な方針を持って臨んでいる様子が垣間見れるアンケート結果でした。キーワードとしては、「コミュニケーション」「楽しい体験」「ワクワク感の提供」「チームの文化を伝える」「上級生からの働きかけ」等が目立ちました。新入生の不安を少しでも取り除き、高いモチベーションを保持してコートに来てもらうために、いろいろな環境づくりを皆さん心がけているようです。
環境づくりの工夫──基本方針と具体策
最初の質問で、「新入生を迎えるにあたり、意識しているポイント」をお聞きしました。部活チームでは毎年のルーティンとなっているだけに、各現場で、明確な方針を持って臨んでいる様子が垣間見れるアンケート結果でした。キーワードとしては、「コミュニケーション」「楽しい体験」「ワクワク感の提供」「チームの文化を伝える」「上級生からの働きかけ」等が目立ちました。新入生の不安を少しでも取り除き、高いモチベーションを保持してコートに来てもらうために、いろいろな環境づくりを皆さん心がけているようです。
その環境づくりについて、具体的にご回答をいただいた例をいくつか紹介します。
①バスケを好きになってもらうために、シュート練習を一番先にやる。②男子はカッコいいプレーを好むので、プロ選手の映像などを見せる。女子は理論から入って、一つひとつ順を追って丁寧に教えていく。(中学校部活)
高校になるとフィジカルコンタクトの機会が増えるため、女子のチームで、運動能力が高い選手が多くないということもあり、まず身体の使い方やコンタクトに慣れることを重点的にメニューで行うようにしています。あとは膝が内にはいるなど、身体の姿勢から治すのを最初から取り組み、膝の怪我のリスクを回避するように意識しています。(高校部活)
同じ船に乗れるかどうか。目的地を理解した上で船に乗らないと、「私はアメリカに行きたかったのに」とすれ違いが出てからでは遅い。保護者にも生徒にも、本校の部活動の目的や理念を理解納得した上での入部をお願いしている。(高校部活)
バスケットボールを通してどのように自分の人生を豊かにしたいのかを考えさせること。(高校部活)
部活動の見学会を家族単位で見にきてもらうこと。(高校部活)
①チームスタンダードをテーマに在校生とミーティングを重ねておく。②新入生へ障害予防と食事の重要性をオンラインで伝えている。(高校部活)
バスケの楽しさを伝えるとともに走るスポーツであることを伝える。走ることを好きになれば、それにこしたことはないが、走ることをいとわないメンタルが必要なことを伝える。(中学校部活)
姿勢づくり、ボールハンドリングを楽しみながら身につける。(ミニバス)
ここに来たら「うまくなれる。新しい学びがワクワクする」と思ってもらえるような練習、雰囲気作り。(中学生クラブチーム)
「ファンダメンタル」「コンタクト」「判断を伴うプレー」を重視して指導。(中学校部活)
臆せずチャレンジをするというメンタル面。(高校部活)
①基本的なファンダメンタルを中心に行う、②成功体験を積ませること、③異学年での交流をすること、④教え合いをさせること、⑤できたことをすぐ褒めること(ミニバス)
秋に行われる新人戦に向け、現チームと新入生の「融合」を意識して指導しています。融合が進むよう、日頃から選手同士の話し合い、教え合いを大切にし、先輩となる現チームのメンバーに伝えるスキルや教えるスキルを指導しています。(中学校部活)
新入生が馴染むための施策・イベント
新入生がチームに馴染むための具体的な施策・イベントなどについても、ご回答いただきました。ここで目立って多かったのは、「上級生とペアを組む」「バディ制」です。上級生が責任を持って新入生の面倒を見るためのシステムづくりが、広く定着している様子がわかりました。下記は具体的な施策の中で、ユニークと思われる取り組みを紹介します。
チーム全員で罰ゲームをかけたフリースローを行い、先輩達が盛り上がっている姿を実際に見せる。(ミニバス)
呼んでほしいあだ名(コートネームでも可)をガムテープに書き、学年関係なく全員Tシャツに貼る。(中学校部活)
レクリエーション系アジリティートレーニング。(高校部活)
コミュニケーションも対面が苦手という子もいたりするので、例えばアンケート用紙のようなものに書いてもらうような形にしたりしています。(高校部活)
一年生に発言する機会を与え、チームで認めさせる。(高校部活)
上級生と新入生が同じチームになるようなスクリメージを多く行う。(中学校部活)
定期的にメンバーを変えるグループワーク。(高校部活)
意識的に顧問が話す機会を増やしています。具体的には練習中の集合を増やしたり、練習中に声かけをしたりしています。それによって、チームの方向性やどういったことが正しいのかを新入生に練習中から理解してもらいたいと考えています。(高校部活)
ミニバスなので、異学年でペアやグループを組ませることが多いです。教え合いが自然に生まれて、そこから仲良くなったりするので効果的だと思います。(ミニバス)
▼後編では、「新入生を対象とした特別な練習メニュー」についてご回答いただいた内容を紹介します。