テーブルオフィシャルズ指導・東京都高体連バスケットボール女子専門部の場合 

公開:2022/04/29

更新:2022/04/28

先日記事を公開したテーブルオフィシャルズ(以下TOと略)に関するアンケート報告の関連企画として、東京都高体連バスケットボール女子専門部TO担当の岡崎慧介氏(東京都立石神井高校教諭)に取材を行いました。東京都高体連では毎年ウインターカップのTOを担当していることもあり、生徒たちへのTO指導を組織的に行っています。


東京都高体連バスケットボール女子専門部TO担当の岡崎慧介氏

事前講習と大会での運用

──TOの指導と運用に関して、概要を教えて下さい。

「東京都高体連バスケットボール女子専門部主催で行われる大会のベスト16以上の試合では、役員校をそれぞれ指名してTOを担当していただいております。TO主任を必ず1名、余裕があれば2名つけて指導を行っています。これは私が役員になる前から、先輩方が長年やってきたことを踏襲する形です。最近変更したやり方としては、ウインターカップで運用してきた”TO評価表”を東京都高体連バスケットボール女子専門部主催の試合でも使用し、評価基準を透明化したことです。その評価をもとに、ウインターカップでの割り当てを決めています」

「TO講習会は年2回(7月と12月)に開催しています。通常、年2回(7月と12月)、審判講習会と同時開催です。役員校とTOにご協力いただける高校、だいたい20~30校の生徒を対象として、講義と実技講習を行います。コロナ下では講義動画を見ていただく形で行いました。資料としては、以前は東京都高体連バスケットボール女子専門部独自で作成したマニュアルを配布していましたが、昨年JBAから公式のTOマニュアルが発行されましたので、2021年12月の講習会からは、それを使っています」

「先生方の異動が少ない私立高校を中心に、長年TOを担当していただいているケースもあります。そうした高校では学校単位で伝統が根付いており、よくあるミスとか、好ましい所作といった情報が先輩から後輩へ引き継がれているのを感じます。全国大会が毎年東京で開催され、そこに向けて生徒たちも努力するという環境があり、その部分は他の道府県さんと違って特殊なのかなとは思います」

試合開始直後にミスが起こりやすい

──間違いやすい部分や繰り返し指導が必要な部分は?

「間違いが起こりやすいシチュエーションの一つは試合開始直後です。AチームとBチームのスコア、ファウルの書き間違いが非常に多いので、私自身がTO主任で入る時には、最も注意しています。また、ジャンプボールシチュエーションの際にポゼションアローの表示を忘れてしまうケースがよく発生します。練習試合のレベルではフル装備でTO業務ができないので、専用機材に対する慣れの問題もあり、試合開始当初にミスが起こりやすい傾向があると思います」

所作も重要

──すると、実際の機材を体験できる講習会の持つ意味は大きいですね。

「はい、そう思います。繰り返し指導が必要なのは、いわゆる“所作”に関する部分です。外から見た自分の姿は、生徒たちもなかなかわかりません。私が主任に入る時は、手を挙げている姿を後ろから写真撮影して、後で見せてあげたりもします。指摘するのは、肘が曲がっている、背筋が伸びていない、といった点。フロアワイパーの子たちにも、後で動画を見せます。ウインターカップでの東京の高校生たちがどう振る舞っているか、インターハイ開催地等ではそれを見て参考にしているとの話をよく聞くので、この部分は繰り返し、しっかり指導するようにしています」

「試合の流れの中で見落としがちな点としてもう一つあるのが、シュートが決まった後のベンチ管理です。タイムアウトが申告されることがあるので、必ずベンチを見るよう、指導しています。特に後半です。右側のゴールにシュートが決まると、左側のベンチがタイムアウトを取ります。このタイミングで必ず首を振ってベンチを見て、スローインする選手がボールを持ったところでスコアを書き始める。スコアラーの生徒には、このルーティンを守るよう、指導しています。時計を止めなければならないので、タイマーの生徒も同様です」

「あと、TOクルーの間でのコミュニケーションをどう取るか。これについては指導がなかなか難しいと感じていましたが、JBAで発行されたTOマニュアルにはコミュニケーション方法に関する記載があります。今年度以降はそれを使って指導ができるので、生徒たちもわかりやすくなるのではないかと思っています」

JBAのマニュアルを活用してほしい

──TO指導に悩む全国の指導者の方々に、何かアドバイスできることがあるとしたら?

「今までは統一したマニュアルがなく、地域やカテゴリーごとに手探りでやっていた実態があったと思います。しかし2021年度にJBAから統一マニュアルが発行され、今年の4月にはU15、U18向けのマニュアルも出ました。生徒たちも、それを見てしっかり勉強できる環境になりました。JBAからは併せて、TO主任マニュアルも発行していただきました。TO経験のない指導者の方もいらっしゃって、指導に困るケースもあったと聞いていますが、これらを活用することで、かなり悩みが解消されるのではないかと思います」

「あと、私たちが生徒に伝えているのは、TO活動で完結するのではなく、TOで経験した目配り、気配り等を活かして、バスケットボールプレーヤーとして成長してほしいということです」

──ありがとうございました。

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