周りを見ろ! 考えろ! と叫んでいませんか? ──恩塚亨コーチングセミナーより

公開:2023/07/14

更新:2023/07/18

7月10日から期間限定でアーカイブ配信が始まった恩塚亨氏のコーチングセミナー「バスケットボールの”コーチング”と”分析”を考察する」から、一部を抜粋して紹介します。コート上で自分のやるべきことを選択できる、自立したチーム、自立した選手に育てるためには、前提としてどんな指導が必要なのでしょうか? そのヒントを恩塚氏がふんだんに提供してくれます。


コート上でやるべきことを明確にする

バスケットボールは陸上競技のように走るコースと距離が決まっていて、その枠組みの中で各自が全力を尽くす競技ではない。コート上でどうプレーするかは、かなり自由。自由度が高すぎると、何をしてよいか迷ってしまう。

そこで、やるべきことをしっかり理解することが重要となる。しかも、コーチから指示された通りに動くのではなく、目的から逆算して自分でプレーを選ぶ。そのようなバスケットができれば、自立したチーム、自立した選手になれる。

周りを見ろ! 考えろ! から一歩進んだ指導を

コーチがよく発するフレーズ。「周りを見ろ!」「考えろ!」。しかし、これでもまだ、選手は何してよいのかわからない。そこで重要になるのが、「この状況ではこうする」という原則を理解した上で、選手自身にプレーを選択させる。図1はその原則の一例。自分のディフェンダーがヘルプに行ったら、自分で攻める。

図1

期待値の高いシュートを選択する

この原則は当たり前のように思えるが、中高生の試合を見ていると、十分に徹底されていない。「そこで打っちゃうの?」という非効率のシュートが3Pも含めてとても多い。ショットクロック残り3秒ぐらいまでは、期待値の高いシュートを打つように意識的にトレーニングしたほうが良いのではないか。これを変えるだけで、チームの得点力はかなり上がると考えられる。

図2は、あるチームの得点効率を示したものだが、数値を見れば、どのエリアからのシュートを優先すべきかは一目瞭然。ペイントエリア外からの2Pシュートを100本打っても81点にしかならないが、レイアップなら126点になる。

図2

オフボールプレーヤーの原則

オフボールプレーヤーは、ボールマンの状況次第で、選択すべきプレーが変わる。ボールマンが不利な時は、素早くボールを受ける。有利な時は、相手がヘルプしにくい位置を取る。そして相手DFがヘルプしたら、自分が攻める。刻々と変わる状況に合わせて、良いポジションを取る力が鍵となり、そのためには基本原則の理解と、原則通りに動けるようになるための、反復練習が欠かせない(図3)。

図3

本セミナーでは、この他にも多数のオフェンス原則が解説されます。 たとえば「いつ攻めるか?」。決定的なチャンスが生まれやすいタイミングにも、明確な原則があります。バスケットボールの原理原則を今一度整理し、効率の良い指導を目指したい、とお考えの方は、今回の限定アーカイブ配信をぜひお役立てください!

〈セミナー情報 詳細〉 

【恩塚亨 Coaching Seminarアーカイブ配信】

申込期間:2023年7月10日(月)~8/10 日(木)

申込ページ:https://www.japanlaim.jp/dcmall/jlc_seminar/product/js031/

視聴期間:2023年7月10日(月)~8/20 日(日)

方法:アーカイブ配信

内容:1回目 ゲーム分析の重要性とゲームモデルの理解(135分)/2回目 バスケットボールを整理するための基本原則①(110分)/3回目 バスケットボールを理解するための基本原則②&参加者プレゼンテーション(140分)

受講料:33,000円(税込)

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