練習試合を最大限に活かす方法〈白鴎大学男子バスケットボール部〉 

公開:2023/09/01

更新:2023/08/31

JLCオンデマンドで順次公開されている「白鴎大学・網野友雄 1シーズンのマネジメントとコーチング」の内容から、注目部分を紹介しています。今回は、9月1日より配信開始されたシリーズ第4弾「ゲームを見る視点とコーチング」からの抜粋です。白鴎大学が戦った練習試合の映像をもとに、ゲーム中に起こりうる様々なシチュエーションでのプレー選択の評価とその根拠について、網野氏が詳説しています。


ディフェンス、オフェンスの課題設定

素材となった練習試合は、あるシーズンの6月に行われた大東文化大学戦。ディフェンス面、オフェンス面でそれぞれ図1、図2のようなテーマを設定して試合に臨んだ。

図1 ディフェンス面のテーマ
図2 オフェンス面のテーマ

網野氏の解説は、それらのテーマがどの程度遂行されていたか、という視点。そして、ディフェンス面、オフェンス面ともに細かいシチュエーションでのチーム内の約束事が徹底されていたか。それが不十分であった場合、結果的に何が起こったか。これらについて細かく語られる。以下がその具体例だ。

ノーミドルの原則

まずはディフェンスの例(白のユニフォームが白鴎大学、黒が大東文化大学)。コーナーに相手ボールマンがいる場合、ミドルレーンへの侵入を許さないという原則を設け、これを「ノーミドル」と呼んでいる。ボールマンディフェンダーが間合いを詰めた際、ディフェンスローテーションをしてボールマンの進路を塞ぐ必要があるが、図3は、黒の大東文化大学が攻めている場面で、ノーミドルの原則が遂行されずに突破されてしまった例。

図3

ローテーションが後手になり、各自のマークマンに対するボックスアウトが曖昧になってしまい、結果として相手にリバウンドからボールをつながれ、得点を許したケースだ。

チームとしてのディフェンスローテーションとコミュニケーションが不十分であったために発生したミスであり、練習課題が明確に浮かび上がった。

コーナーのプレーヤーはボールには近づかない

図4はオフェンスの例。ボールサイドの真ん中のプレーヤーが逆サイドのコーナーに向かってカットしている場面だ。この時、ボールサイドのコーナーにいるプレーヤー(背番号8)は、ボールをもらうためにボールマン方向に上がりがちなケース。しかしそうすると、ミドルを守っているディフェンダーとの距離が近くなり、ディフェンダーにマッチアップされてしまう。

図4

味方のカットにより相手ディフェンスがスイッチしたこのようなケースでは、コーナーのプレーヤーはコーナーにとどまることが重要で、こうした約束事がしっかり守れているかどうか、映像でチェックする(このケースでは守られている)。

パスの選択は適切であったか

図5もオフェンスの例。ファストブレイクで3対2になっており、オフェンスが絶対的有利な状況。しかしパスの選択を誤り、相手にスティールされてしまった場面だ。この場合は、より確実性の高いバウンスパス、あるいはオーバーヘッドパスを選択すべきだった。

図5

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白鴎大学・網野友雄 1シーズンの「マネジメント」と「コーチング」

<X320-1>チームを始めるにあたって(スタートアップミーティング) 公開済み

網野コーチは、新チーム立ち上げの際、必ずミーティングからスタートします。チームの「目標」「ルール」などを共有し、最終的に「組織図作成」、「キャプテン決め」を行います。ここでは時間をかけて行ってきたという実際の内容を具体的に解説。「いよいよ始まるぞ!」という意識づけをするためのヒントがここにあります。

【X320-1A】男子バスケットボール部の理念/目標【7分52秒】 

【X320-1B】チームルール/スローガン【9分59秒】

【X320-1C】キャプテンの選出/リーダー制の導入【8分10秒】

<X320-2>チーム創りについて(原理原則) 公開済み

ここではオンコートを中心としたチーム創りについて解説します。まずは「バスケットボールを本当に理解しているか」を確認するところからスタート。そしてディフェンス、オフェンスそれぞれにおけるチームの原則と、その落とし込み方を紹介。バスケットボールの本質を選手に問いかけながら一緒に考えていく過程に注目です。

【X320-2A】バスケットボールの原理原則【8分00秒】

【X320-2B】ディフェンスの原理原則【14分06秒】

【X320-2C】オフェンスの原理原則①【14分44秒】

【X320-2D】オフェンスの原理原則②【16分45秒】

<X320-3>分析の考え方と実際 公開済み

実際に行っている「分析」と「コーチングへのつなげ方」を解説します。対戦相手のスタイル、または選手の特徴をどのように露わにするか。そしてそのデータをどのように練習からチームに落とし込み試合を迎えるか。さらには試合中やハーフタイム、試合後における分析データの活かし方まで、超実践的な内容となっています。

【X320-3A】試合前の分析と対策【14分14秒】

【X320-3B】試合当日の分析とコーチング【12分18秒】

<X320-4>ゲームを見る視点とコーチング 9月1日より公開中 ←今回紹介した内容はココ!

ここでは実際の試合映像を確認しながら、「自チームのゲームプラン」や「相手チームへの対策」について解説します。まずディフェンス、オフェンスそれぞれのゲームプランを挙げ、選手たちがそのプランを遂行できているか、できていない場合どこが課題になっているかを解説。コーチとしてゲームを見る視点を養うことができます。

【X320-4A】第1クォーター【38分33秒】

【X320-4B】第2クォーター【27分12秒】

【X320-4C】第3クォーター【27分09秒】

【X320-4D】第4クォーター【30分41秒】

<X320-5>タイムアウトの考え方と実際 2023年10月公開予定

タイムアウトをとる「タイミング」と「狙い」について解説します。タイミングや伝える内容にはバリエーションがあります。ここでは、状況によって使い分けられるようにそれぞれの狙いを解説。また実際のゲームの試合経過を振り返りながら、タイムアウトをとった状況と狙いを紹介していただきました。明日からでも使えるわかりやすい内容となっています。

【X320-5A】タイミングと狙い【14分15秒】

【X320-5B】タイムアウトの実際【20分32秒】

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