スペーシングの基本──空いたスペースをどう活かすか?

公開:2023/10/20

好評発売中のDVD「U-18誰にでもできることをしっかりプレーしよう」(指導・監修:佐藤久夫)の中から、スペーシングの基本について佐藤先生が解説している場面をピックアップします。チームとして共通認識を持つことで、オフェンスのリズムを良くすることができます。


スペースを埋めるプレーヤーがやるべきこと

スペースを空けることはオフェンスの基本であり、それほど難しくない。だが、空いたスペースの活かし方が、その後のプレーの成否を分ける。佐藤先生はDVDの中で、プレーの精度を上げるために、下記のような要件を力説しています。

「人が動いた後にスペースができる。このスペースを別のプレーヤーが埋めることで、攻めやすい1対1の状況をつくることができる」

「スペースを埋めるプレーヤーはボールの動きだけでなく、自分をマークしているディフェンダーの動きをよく読んで、ラダーを踏みながら(小刻みに足踏みをしながら)、どう動くかを瞬時に判断する」(図1)

図1 右端のオフェンスプレーヤーは、ラダーを踏みながらディフェンダーの位置取りを見て、カットマン(23番)が空けてくれたスペースへの入り方を瞬時に判断する。

通常、選択肢は3つ。1.空いたスペースに向かってまっすぐに上がる、2.ディフェンダーに一度身体を当ててからスペースに入る、3.裏へ回る。

ディフェンダーが、スペースを空けるカットマンの方向に寄る気配を見せた場合は1を選択し、狭い間合いを維持している場合は2か3を選択する。

またボールマンは、目の前のディフェンダーだけでなく、2人目、3人目のディフェンダーまで視野に入れてパスのタイミングを図れるようになるのが理想だ。

空いたスペースを自分で埋める

自分が動いたことによって空いたスペースに、再度自分が入って攻めるというプレーも、重要な選択肢となることを覚えておくべきだ。図1でラダーを踏んでいる右端のプレーヤーは、スペースを埋めてパスをもらったら、コーナーに控える味方にパスする形が選択肢の一つ。実際によく見られるプレーだ。しかし、シューターの確率が低い場合は、自分が空けたスペースに再度侵入して、1対1を仕掛けることも考えておく。ここで2人目のディフェンダーが寄ってきたら、改めてコーナーへパスを送る。こうすることで、より破壊力のあるオフェンスが展開できる(図2)。

図2 スペースに入ってパスをもらった後、自分が空けたスペースに侵入して1対1を仕掛ける場面

状況に応じた選択肢をプレーヤーたちが理解しやすいよう、かみ砕きながら説明している佐藤先生の姿が印象的です。なぜそのプレーを選択するのか。プレーヤー個々が自分で説明できるレベルまで引き上げていく指導が大切であることを、改めて気づかせてくれる内容。 繰り返し見ることで、指導力アップにお役立てください。


〈商品情報〉 

U-18 誰にでもできることをしっかりプレーしよう」

■指導・解説:佐藤久夫(仙台大学附属明成高等学校 男子バスケットボール部 監督)

■実技協力:仙台大学附属明成高等学校 男子バスケットボール部

DVD3枚組 ¥26,400(税込)

>>>DVD詳細ページへ

DVDの主な収録内容

Disc1 (74分28秒)

■急発進と急ブレーキ

■小回りの利く動き

■ドリブルのステップワーク&ボディワーク

■トリプルスレッドの構えから1on1

■プレッシャーをリリースするピボット

■プレッシャーディフェンスをされてもミスしないパスワーク

■トラップに対するパスワーク

—————————————————————————————————

Disc2 (82分10秒)

■パスワークの中でビジョンと合わせるタイミングを育てる

■ミドルレーンを経由したサイドチェンジ

■実戦で使えるシンプル1on1(ディフェンスを外す術)

■スペーシングとムービングのタイミング ←今回紹介した内容はココ!

■オフボールマンスクリーンと1on1(3on3)

■2ポジションのプレーを学ぼう(リフト)

————————————————————————————————–

Disc3 (71分10秒)

■オンボールマンスクリーンとオフボールマンスクリーンの同時プレー(2on2+2on2)

■シューターを活かすプレーの考察

■身長差を補うリバウンドプレーの考察(スクリーンアウトを含む)

■レイアップシュートの考察

■シザースプレーの発展考察

あなたの悩みや疑問に、経験豊富な指導者が答えます。
回答は、当サイト内で順次公開。 皆様からのご質問をお待ちしております。
(質問者が中高生の場合は、指導者または保護者のアカウントからご質問を送信してください)