公開:2024/01/05
更新:2024/01/09
ドリブルスキルが未熟である場合、ボールを前に運ぶためにはパスが重要な選択肢になります。公立中学校を何度も全国大会に導いた経験を持つ三輪辰也氏(東京都練馬区立石神井西中学校教諭)が指導監修した作品「全国大会へ導く!ボール運び&セットオフェンス」から、複数名でパスを回しながらコートを上がっていくときの基本スキルを紹介します。
3人でパスをつなぎサイドラインを上がる
バスケット経験が浅い選手たちが主力の場合、ドリブルよりもパスを使ったほうがボールプッシュの確実性が高い。パスを使い、ボールマンが次から次へと入れ替わりながらサイドライン際コートを上がる戦術だ。本編では、この戦術を練習する基本ドリルとして、3人でのボール運びドリルが紹介されている。
バスケット下で3名が控え、#1がボールをボードに当ててドリル開始。#1がリバウンドをとり、その間に#2が斜め前方サイドライン際まで走り、同時に#3はいったんコート中央レーンまで走ってカットを切り、サイドラインめがけて走る。#1から#2にパス(図1)。
#1はパスしたら#3と同じ動きでいったん中央レーンまで走って斜め前方のサイドラインに向けて走る。#2から#3にパス。このパターンでローテーションしながらフルコートをパスでつなぎ、最後はレイアップで終わる。
カットの切り方とパスキャッチの仕方が重要
動きとして重要なのは、カットの切り方。サイドラインに向けて方向転換する際、曲線になりがちだが、曲線の動きだとスピードが遅いためディフェンダーに追いつかれてしまう。曲線ではなく、クロスオーバーステップを使って直線的にカットを切る(図 2)。
もう1点、スキル上の留意点は、パスの受け方。サイドライン際でパスを受ける際、二歩目の足を後方に引いてしまうと、ディフェンダーに詰め寄られてしまうので、一歩目の足でしっかり踏ん張りながらパスをキャッチし、二歩目を前方にステップしてボールを守る体勢をつくる(図3)。
3人でのボール運びに慣れてきたら、4人でも行ってみる(図4)。
本作では、経験の浅い中学生を想定した上記のような基本的チームプレー、難易度の低いセットプレーが多数紹介されています。ミニバス未経験者の多いチームで戦術選択に悩む方は、ぜひご参考になさってください。
〈商品情報〉
「全国大会へ導く!ボール運び&セットオフェンス」
■指導・解説
■指導解説:三輪 辰也(東京都練馬区立石神井西中学校 教諭)
■実技協力:東京都練馬区立石神井西中学校バスケットボール部
主な収録内容
【第1巻】勝利への起点となる「ボール運びドリル」
■ドリブルドリル
半円ドリブル/肩甲骨ドリブル/7秒 1on1
■シュートドリル
フリースロー/アウトサイドシュート(3Pシュート)/ミートドライブ
■パスドリル
2メンパス/2on2 パッシングダウン/ファンダメンタルのポイント
■ボール運びドリル①
3人でのボール運び/4人でのボール運び/4人でのボール運び/Defあり ←今回紹介した内容はココ!
■ボール運びドリル②
トレーラーを使ったボール運び/1-3-1でのボール運び
■アーリーオフェンス
パスオプション/セルティックブレイク/ボール運びのポイント
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【第2巻】1試合20得点を目指す「セットオフェンスパターン」
■セットオフェンスの基本
インサイド・アウトサイドの合わせ/ガード・フォワード・センターの合わせ
■セットオフェンス パターン
ダブル/UCLA/ツクバ(ダブルハイピック)/1-4/ハシモ(トレールプレー)/フレアー/クロス/スネーク/チェリー(3P)/J(3P)/デンソー/トレール
■セットオフェンス
セットオフェンス 5on5
■インバウンズプレー
インバウンズプレー5on5/セットオフェンスのポイント