3Pとペイントアタックを両立させる──大濠が目指したオフェンス

公開:2024/01/12

更新:2024/01/11

2023ウインターカップは、3年ぶりの福岡対決が注目を集めました。男子決勝を戦った福岡第一・福岡大大濠両チームの関連コンテンツが多数ある中で、2021年当時のチームづくりに注目して制作された作品が、ジャパンライムオンデマンドで今月から配信スタートしています。この「チームビルド2021 大濠」から、あらゆる年代・レベルのチームで参考にしていただけるオフェンス戦略について抜粋します。


5アウトから4アウト1インへの転換

大濠は、全体的にサイズが不足していた2020年は5アウトを基本戦略としていた。しかしインサイドで戦える下級生が育ってきた2021年は、留学生対策も考慮して4アウト1インに切り替えた。 5アウトで戦うとパスの精度は高くはなるが、ペイントをしっかり攻めることができずに、苦し紛れで打つ確率の低いシュートが増えてしまう。ペイントを攻めきれない状態でポゼッションを終えることが多かった反省を踏まえ、「3Pとペイントアタックを両立させる」を一大テーマとして取り組んだのが2021年のチームだった。

コーナーを埋めた選手がペイントアタックする

その考え方を具体的なプレーに落とし込んだのが、図1の例だ。

図1

これはトランジションオフェンスの際、ボールマンがディフェンダーに止められた状況で、コーナーを埋めた選手にパスを出した後の攻撃パターン。パスを受けた選手がそれほど3Pの精度が高くない場合は、確率の低いスリーは狙わず、ペイントアタックして2ポイントを狙う。シュートを打てなかったとしてもディフェンスが引き付けられているので、アウトサイドに控えるシューターにキックアウトすれば、高確率のスリーが狙える。

ファストペイントを徹底する

トランジションオフェンスで、ボールを確保したのが1~4番の選手だった場合は、アウトレットパスをせずに、積極的にペイントタッチからシュートを狙う。ボールプッシュの途中でディフェンダーに阻まれたら、別の選手にボールを回して、その選手が即ペイントアタックする(図2)。これら「ファストペイント」の実践を徹底した。ただし、ビッグマンのボールハンドリングを中心としたファンダメンタルを強化は欠かせない。

図2


この作品では、上記以外にもオフェンス、ディフェンス多数のテーマを取り上げ、2021年大濠の「戦い方」とそれを可能にした練習内容が満載されています。ぜひ、ご覧ください。

〈オンデマンド作品情報〉 

「チームビルド2021 大濠」

■指導・解説:片峯 聡太(福岡大学附属大濠高等学校男子バスケットボール部 顧問)
■実技協力:福岡大学附属大濠高等学校男子バスケットボール部

≪配信予定≫
2024年1月【解説編】1年間の取り組み&戦術
2024年2月【実践編】練習と指導法

>>>詳細ページへ

本編の主な内容

2021年度の大濠は、狙いをしっかりと持った取組みで進化をとげました。実を結んだのがウインターカップ。ライバルを意識しながら日本一を目指した1年間のチームづくりが本作で明らかに! ①インタビュー ②戦術ボード解説 ③実践練習の3部構成でお届けします。

①インタビュー 「チームを進化させるために」
主力の怪我など、不測の事態が起こるなかでどのようなバスケットを目指すか? 選手それぞれの状況と特徴を踏まえつつ、前年度から進化させるために行った取り組みが明らかになります。

②戦術ボード解説 「得点効率を意識」
2021年度は前年の「5アウト」を活かしつつ、得点効率を意識しながら3Pとペイントアタックの両立を目指しました。3Pはやみくもに打つのではなく、狙いを持って生み出すことにこだわります。またブレイクでは、ディフェンスリバウンドから自らボールを運び得点を狙います。ディフェンスではここぞでブレイクを生み出すためのゾーンプレスを紹介します。

③実践練習 「24秒間攻め続けるために」
得点効率を意識し、優先順位をつけながらプレーします。
「ファーストブレイク→セカンドブレイク→セットオフェンスA→セットオフェンスB・・・」というように選択肢を数多く示し、相手がどのような守り方をしても24秒間攻め続けられるオフェンスの構築方法を目指します。ディフェンスでは1-1-2ゾーンプレスを紹介します。

 

あなたの悩みや疑問に、経験豊富な指導者が答えます。
回答は、当サイト内で順次公開。 皆様からのご質問をお待ちしております。
(質問者が中高生の場合は、指導者または保護者のアカウントからご質問を送信してください)