公開:2024/04/12
更新:2024/12/18
東海大学シーガルズ陸川章HCら、日本のコーチにも多大な影響を与えてきたレジェンドコーチの一人、デイブ・ヤナイ氏(カリフォルニア州立大学ロサンゼルス校元HC)のコンテンツから、ディフェンスフィロソフィーの部分を紹介します。ヤナイ氏の指導は、当たり前と思われている基本をて“丁寧に”教えることが特徴です。
ディフェンスとは何か?
ディフェンスの目的は何か。それはオフェンスの得点を阻止すること。そのために、考え方をシンプルにしなければならない。底流にある考え方は、「相手のオフェンスファンダメンタルをできるだけ難しくさせること」だ。
では、オフェンスファンダメンタルとは何か。その中心はボールを動かすこと。つまり、相手のパスやドリブルをできるだけ阻止する、あるいは難しくさせることがディフェンスの基本だ。
次に、オフェンス側が行うバスケットやボールに対してカットする動き、さらにはスクリーンプレーをより難しくさせること。オフェンスの最終局面ではシュートをより難しくさせ、相手にオフェンスリバウンドを与えないこと。
ディフェンス9つの基本要件
指導対象を問わず、ヤナイ氏がディフェンスを指導する際に必ず押さえる9つのポイントがある。
1.スタンス
2.フロア上でのポジション取り
3.ボールサイド&ヘルプサイド
4.ボールプレッシャー
5.ボールはアウトサイドへ
6.ディナイ・ボールリバーサル
7.ボールとマークを見る
8.ヘリプ&リカバー
9.ブロックアウト&リバウンド
このうち、6「ディナイ・ボールリバーサル」を解説している部分から、要点を以下に抜粋します。
ディナイ・ボールリバーサル
ディフェンスをしている時は、ボールはできるだけ片側のアウトサイドに寄せておくこととし、相手のサイドチェンジを阻止する。
つまり、ボールリバーサルさせない。そのために必要なプレーの例として、ボールマンがサイドでパスあるいはドリブルを狙っているときは、これに対して徹底的なボールプレッシャーをかけて、ボールムーブを阻止する(図1)。
同じ状況で、相手のポストプレーヤーがフラッシュしてボールをもらいにきた時は、これにもしっかりディナイで対応して、パスが入らないように阻止する(図2)。
ポストアップした場合は、ベースラインを背にして守り、ボールマンのベースラインドライブに備える(図3)。
各デイフェンスが連携して正しい守り方をすることが重要だ。それぞれのシチュエーションの中で、最も優先されるべき守り方を選択できるよう、まずは動きを理解する。そして、ドリルで繰り返し練習する。
5対5から始める
ヤナイ氏がディフェンスドリルを指導する際の特徴は、「5対5から始める」こと。なぜかというと、5対5つまりゲームシチュエーションを頭に入れた上でディフェンスの練習をすることが大切だからだ。
5対5から始めて、人数の少ないドリルにブレイクダウンし、最後にまた5対5を行う。
ディフェンスにおいて、「基本を丁寧に」教えることがいかに大切か。それを再認識させてくれるデイブ・ヤナイ氏のフィロソフィーとドリル。このコンテンツをご覧になって、ぜひ触れてみてください。
〈作品情報〉
■指導・解説:デイブ・ヤナイ Dave Yanai(カリフォルニア州立大学ロサンゼルス校ヘッドコーチ)
※日本語同時解説
■実技協力:福岡第一高等学校男子バスケットボール部
Philosophy ディフェンスのコンセプトを理解する
イントロダクション/スタンス/フロア上でのポジションどり/ボールサイド&ヘルプサイド/ボールプレッシャー/ボールはアウトサイドへ/ディナイ・ボールリバーサル/ボールとマークを見る/ヘルプ&リカバー/ブロックアウト&リバウンド/まとめ
5on5 whole ゲームでの状況を理解する
5vs5での状況説明/インバウンズ時のボールプレッシャー、ディナイ/パスが入った状況でのディナイ/ハーフコートラインを越えたらボールをできるだけ外へ/2ガードの場合/1-4オフェンスの場合/2-3の場合
1on1 Drills Part-1 ディフェンスの基礎技術を身につける1
1on1フルコートドリル/1on1ウィングディナイ/1on1ドライブイン
1on1 Drills Part-2 ディフェンスの基礎技術を身につける2
シャフルドリル/1on1ポストディナイ/1on1リバウンド
2on2 Drills オフボールディフェンスを身につける
2on2フルコート/2on2ウィング&ポストディナイ/2on2対ドリブルペネトレーション
ScreenDF/3on3/4on4 チームディフェンスを身につける
2on2スクリーンディフェンス/3on3コンスタント・スクリーニングドリル/4on4対ハーフコートドリル