1on1から徹底してインラインを守る──神大ディフェンスドリルより

公開:2024/05/03

更新:2024/05/04

JLCオンデマンド「幸嶋謙二“神大らしさ”を体現する日常練習とコーチング」の第3弾「ディフェンスドリル&コーチング②」が、5月1日より配信されています。ライブ練習の映像から、神奈川大学が日頃から大切にしているディフェンスコンセプトが見えてきます。


インラインを徹底して守る

ディフェンス練習の中で、幸嶋ヘッドコーチが終始強調しているポイントがいくつかある。1つは、インラインを徹底して守ること。インラインとは、ボールとゴールとを結ぶラインのことで、このラインに相手が侵入しないように、ボールマンを担当するディフェンスはポジショニングに注意しながら守る。

図1と図2は、インラインを守る意識を持ってフルコート1対1のドリルを行っている場面。

図1は、3Pラインの手前付近でボールマンをつかまえたところ。この段階で「ボールOK!」と大きな声でコールして味方に伝える。この後、ボールマンのマークを続けるが相手の動きにつられてオーバーディフェンスにならないように注意しながら、徹底してインラインを守る。

図1 3Pラインの手前付近でボールマンをつかまえたら「ボールOK!」とコールする

図2は、ベースラインドライブに対応しているシーン。ここでも常にインラインを意識しながら、押し出すようにしてペイントエリアへの侵入を防ぐ。ベースラインまで来て止まった場合、ノーファウルを意識してハンズアップで守る。

図2 インラインを意識しながら、ペイントエリアへの侵入を防ぐ

ハンズアップとノーファウルの意識

図3は、最終的にボールマンがシュートモーションに入ったところで、ハンズアップして守っている場面。この局面でも注意すべきは、ハンズアップを徹底して、決してファウルをしないこと。片手だけを上げて反対側の手で相手を押さえてしまうとファウルを取られるので、必ず両手を上げる。

図3 最後までノーファウルを意識し、ハンズアップで守る

仮にシュートを打たれたとしても、それが相手にとって難しいシュートになればディフェンスとしては成功。ファウルを冒してバスケットカウントやフリースローを与えてしまうことを絶対に避けるべきだ。そのため、最後までノーファウルの意識を持って守る。ボールが目の前にあっても決して手を出さない。

チームディフェンスも同じ意識で

本編には、4on3 クローズアウトからライブや4on4 ピック&ロールからライブといったドリルも収録されている。チームディフェンスの際も、インラインを意識し、ペイントエリアへの侵入を防ぐ意識を強く持つことが重要だ。オフェンス側がパスを回している間は、高いポジションでハンズアップしてパスディフレクションを狙い、ペイントを徹底して守る(図4)。

図4 4対4ライブドリルの場面

このとき、オフェンス側の強力なプレーヤーをマークするディフェンスは、少し低いポジションで守っても可。ペイントへの侵入を許してしまった場合はヘルプ&ローテーションで対応するが、ディフェンス全員がペイントエリアに絶対に入らせない意識を持って守る。ドリルでは、このように妥協せず守り抜く意識を養う。


オフェンスからのプレッシャーで精神的にも追い詰められがちな実戦場面で、疎かになりがちなディフェンスの要諦とは何なのか。それを徹底することの重要性に、改めて気づかされる本作。ディフェンスファンダメンタルの見直しと強化をお考えの指導者の方に、おすすめのコンテンツです。

〈作品情報〉

幸嶋 謙二「神大らしさ」を体現する日常練習とコーチング

■指導・解説:幸嶋 謙二(神奈川大学 男子バスケットボール部 監督)

2024年4月 JLCオンデマンド バスケットボールコースで配信

≪X328-1≫幸嶋HCインタビュー「インカレ優勝目指して」 ※配信中

■2023年度チームの特徴/中心選手/リクルートの視点/留学生対策

■チームの目標設定

■目標に向けた本気度

■練習の組み立て/チームビルド

≪X328-2≫ディフェンスドリル&コーチング① ※配信中

■4on4リバウンド コンタクトの意識

■クローズアウトからオフボール2on2

■4on4 カウンタードライブからライブ

■3on3スクリーンディフェンス(ダウン/バック)

≪X328-3≫ディフェンスドリル&コーチング② ※5月1

日より配信中

■フルコート1on1 インラインの意識

■4on3 クローズアウトからライブ

■4on4 ピック&ロールからライブ ペイントに入らせない

≪X328-4≫オフェンスドリル&コーチング ※6月より配信予定

 

■2on0 ハンドオフ/バックドア

■ウィークサイド2on2 エントリーからライブ

■4on4 ステップアップのスクリーンでエントリー⇒バックピックからライブ

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