アウトナンバーで確実に得点するためのドリル──網野友雄BASKETBALL CONSEPTより

公開:2024/07/05

好評発売中の新作DVD「網野友雄BASKETBALL CONSEPT」から、トランジションドリルを紹介します。アウトナンバーの状況で相手ディフェンスの陣形を冷静に読みつつ、いかにして決定的なシュートチャンスをつくるか、そのプロセスを学び、身体に染みこませるためのドリルです。


アウトナンバーの攻防

ここで紹介するドリルは、本作のDisc2「アウトナンバーの攻防 3on2から3on3」のセクションに収録されているもの。トランジションオフェンスで、ディフェンス2名に対して3名で攻める、オフェンス有利な状況において、得点精度を高めるのが目的。

3対2の状況からトランジションを始めて、ボールがセンターラインを越えるタイミングで、3人目のディフェンスがセンターラインにタッチして入ってくる(図1)。オフェンスの狙いは、優先順位1がレイアップ。優先順位2が、2対1または1対0をつくること。

図1

オフェンス側が最初に見極めなければいけないのは、ディフェンスが横シフトか縦シフトかという点(図2、図3)。

図2 横シフトのディフェンス
図3 縦シフトのディフェンス

ディフェンスが横シフトの場合

横シフトの場合に不用意にアウトサイドにパスを出すと、ボールサイドのディフェンスに簡単にマッチアップされ、中途半端なジャンプショットを打たせられてしまう(図4)。

図4

これは避けなければならない。これは、アウトナンバーという有利な状況であるにもかかわらず、アウトサイドでショットコンテストされながらロングツーを打つ、という非常に効率の悪いオフェンスとなる。

これを避けるためには、ボールマンがディフェンスを十分に引きつけ、自らジャンプショットの可能性も残しつつ、タイミングを見計らってゴール下に飛び込んでくる味方に向けてパスを出す(図5)。

図5

ディフェンスが縦シフトの場合

一方、縦シフトの場合、ボールマンは自分以外のエリアで2対1をつくり出すことを意識しながらボールを運び、ディフェンスを引きつけてパスを出す(図6)。

図6

ドリルの中で意識すべきこと

以上のことを踏まえながらライブでドリルを行っているのが図7で、これはボールマンがショットフェイクをしつつ、右サイドから入ってくる味方にループパスを出している場面。

図7

ドリルでは、攻守交替しながらアウトナンバーの攻防を繰り返し練習する。ドリル全体を通して重要な点は、最も簡単なアウトナンバーである2対1をしっかりつくること、または完全なオープンショットを打てる状況をつくること。

さらに、パスの出し方にも留意すべき。身体の中心を通してパスを出すとディフレクションが起こる確率が高まるので、パッサーは身体の中心を外してバウンドバス、あるいは頭上の空間を利用したループパスを出す。ゲームスピードの中で、これらについて適切なプレー選択ができるよう、トレーニングしていく。DVDの収録内容詳細は下記をご参照ください。

網野友雄 BASKETBALL CONSEPTDisc2  トランジション/アウトナンバーの攻防 内容詳細

商品ページはこちら

■4-0シューティングドリル(スペースの確保)

ベーシック/カッティング

■2メントランジション

ベーシック/パス&ゴー/パス&ゴー(ポストフィード)/カッティング/タッチパス/オンボールスクリーン

■3メントランジション コーナ-ショット

ベーシック(コーナーショット)/パスバック/パスバック(ハイロー)/フリー

■5メントランジション

ベーシック/ドライブ+パス&ゴー/ドラッグスクリーン+セカンダリーブレイク

■アウトナンバーの攻防 ←今回紹介したドリルはこれ!

2on1・2on2(前への意識づけ)/3on2から3on3

■マウンテンドリル(連続的なアウトナンバーの攻防)

■アウトナンバーの攻防 5on4から5on5のラインドリル

商品ページはこちら

【参考】Disc1  ルールと役割を明確にしたディフェンス 内容詳細

■イントロダクション(ディフェンスコンセプト)

■ピボットへの対応(1on1で抜かれる状況の理解)

■フルコート1on1ディフェンスzig-zag(足づくり/ノーファウルの意識)

ベーシック/ピボット/ライブ

■ヘルプからクローズアウト(役割の移行/移行を明確にするコミュニケーション)

ベーシック/ライブ

■シェルディフェンスのポジショニング(役割)とリスクヘッジ

ベーシック/パス&ゴー/オフボールのダウンスクリーン/オフボールのバックスクリーン/ヘルプ&ローテーション/ライブ

■スイッチを意識したミスマッチ1on1

ショットクロック残り10秒を想定した「スピードのミスマッチ」/フィジカルでの闘い方を意識した「高さのミスマッチ」

■オンボールスクリーンディフェンス(ボールへプレッシャーのかけ方/オフボールの役割)

ショウハード2on2/ショウハード3on3/コンテイン2on2/コンテイン3on3

■ハンドオフディフェンス

ベーシック/ライブ

■オンボールシチュエーションのシェルディフェンス

プロバスケットボールチームのスカウティングコーチが、あなたのチームを分析!
映像を送るだけ。 料金はいただきません。