トランジションディフェンスで冒しやすい間違いとは?──「恩塚亨・ディフェンスクリニック」より

公開:2024/07/26

JLCオンデマンドで7月の公開以来、記録的な再生回数で人気を博しているのが、「恩塚亨・ディフェンスクリニック」です。効果的なディフェンス方法を極めてシンプルに解説し、誰もが取り組めるドリルに落とし込んでいるのが大きな特徴であるこの作品。8月1日より公開される“SESSION2”より、トランジションディフェンスのパターンを紹介します。


オフェンス有利の状況で留意すべきこと

SESSION2では、チームディフェンスを練習するドリルの数々が収録されている。その中から、“Transition Def 2on1”を抜粋してみよう。

トランジションディフェンスの出来は、リバウンドと同様にゲーム全体の流れを左右する要素だ。だから、相手のイージーバスケットを可能な限り阻止できるディフェンス技術を磨くことが、勝利に直結する。そうした意識を持ってドリルを行うことが必要であると、恩塚氏は冒頭から語っている。

Transition Def 2on1のドリルは、ディフェンス1人がハーフライン、オフェンス2人が自陣スリーポイントラインの少し前に立ち、ここからスタートする。オフェンス有利の2対1の状況で、いかにしてレイアップを簡単に決めさせないか、がディフェンス側のテーマとなる。

よくあるディフェンス側の間違い

このシチュエーションでディフェンスがよく冒してしまう間違いが、自陣に戻った時にフリースローライン附近で止まって、相手の動きを見てしまうこと(図1)。これをやると、パスが通って簡単にレイアップを決められてしまう。実際のゲームでは、このパターンがとてもよく見られる。

図1 フリースローライン附近で止まって相手を見てしまうと、簡単にパスが通りイージーレイアップを招く

全力でゴール下に戻る

この事態を避けるためには、途中で止まらずに、全力でゴール下まで戻る。相手が攻めてくる途中でシュートを打たれるのは良しとし、ゴール下を全力で守る。ノーマークのレイアップでなら90%以上の確率で決められてしまうが、ミドルまたはロングシュートの場合は、かなり確率が下がる。

ノーチャージセミサークル内に入っるとチャージできないので、踵がセミサークルの外に出ている位置で守る。そして相手のフィニッシュに対してコンテストする。通常、シュート1本防いでいる間に味方が戻ってくるので、相手の最初のシュートをいかに難しいものにするか、がディフェンスの要点となる。

ドリルの手順

上記のスタート位置に立ち、ディフェンスプレーヤーがオフェンスのどちらかにパスを出してドリル開始(図2)。

図2 ドリルの開始場面

ディフェンスは全力で戻ってゴール下を守る(図3)。

図3 ディフェンスは全力で戻ってゴール下を懸命に守る

バックステップや最初からオフェンスを見ながら背走するのではなく、いったん相手に背を向けて全力で走り、ゴール下で相手を待つ状況がベスト。このシンプルなディフェンスの動きを繰り返し練習し、試合で自然に使えるようにする。

本作ではこの2on1から、2on2、3on2に発展させてトランジションディフェンスを紹介している。

恩塚亨・ディフェンスクリニック 内容詳細

SESSION1 JLCオンデマンドにて公開中

Zig Zag 1on1/Closeout 1on1/Def Positioning 4on4/Back Screen Def 4on4/Closeout 3on3

SESSION2 JLCオンデマンドにて8月1より公開

>>>JLCオンデマンドはこちら

Closeout 3on3 – X Change/Scramble 4on4/Rebound 2on2 – Help side/Rebound 3on3 – Help Recover/Transition Def 2on1/Transition Def 2on2/Transition Def 3on2/Low Post 5on5/Closeout 5on5

■指導・解説:恩塚 亨(東京医療保健大学女子バスケットボール部ヘッドコーチ)

■実技協力:北九州市立二島中学校女子バスケットボール部

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