ジュニア世代が「合わせ」の感性を身につけるための基本練習

公開:2024/08/09

更新:2024/08/22

オフェンス成功の鍵を握る“合わせ”の感性を、中学生世代が身につけるためのドリルを紹介した作品が好評です。その作品、「U-15のチームビルディング─徹底したい4大ドリル」から、“合わせの原則”の部分を抜粋します。


人と合わせる感性を磨く

この作品は、U-15世代の指導に長年携わり、U-15女子日本代表ヘッドコーチも務めた経歴を持つ鷲野鋭久氏の指導・監修によるもの。鷲野氏が大切にしてきた“合わせ”の考え方と、誰もが取り組める基本ドリルを段階的に紹介している。 鷲野氏は、U-15世代で身につけるべき、優先度の高い技術要素として、この「合わせの感性」を挙げている。

感性が備われば、試合中にも自然な形でプレーとして表現できる。合わせがうまくいくためには、時間(タイミング)と空間(スペーシング)の認知が鍵となり、これは、ドリルの反復によって、体に染み込ませていかなければならない。

狭いスペースで練習する

鷲野氏が提案している方法の1つが、狭いスペースでの合わせのドリル。例えば図1、2のように、ペイントエリア内で3人がカットを繰り返しながらパスを行う。スペースが狭ければ狭いほど、合わせのタイミングが要求され、少しでもタイミングがズレるとミスが発生する。敢えてこのようなシチュエーションを設定することで、合わせの感性を磨いていく。

図1 狭いスペース(青色の部分)の中で合わせの練習を行う
図2 実際の練習の様子

合わせの5原則(5D)

オフェンスが展開していく過程でプレーヤーが把握しておくべき動きの原則を、鷲野氏は5つの“D”で解説している。

1.Dodge(ドッジ):相手を振り切る動き(ボールマンと、それ以外のプレーヤーすべて)

2.Drive(ドライブ):ボールマンの動き

3.Drag(ドラッグ):ボールマンが空けたスペースをウィークサイドのウィングプレーヤーが埋める動き(図3)

図3 ドラッグの動き。オレンジ色の円で囲んだオフェンスプレーヤーが、ボールマンがドライブする背後に移動する

4.Drift(ドリフト):ボールサイドのウィングプレーヤーがコーナーに横滑りする動き(図4)

図4 ドリフトの動き。オレンジ色で囲んだプレーヤーがコーナーに横滑りする

5.Dive(ダイブ):ウィークサイドのコーナーにいるプレーヤーがバスケット下に入り込む動き

感性はセンスとも言い換えられ、ともすれば先天的な要素と考えられがちですが、プレーヤー自身が頭で理解し、練習を繰り返すことで誰もが上達できる、それを改めて気づかせてくれるのがこの作品です。

U-15のチームビルディング 作品詳細

■指導・解説:鷲野 鋭久(BLUE EAGLES監督)

■実技協力:BLUE EAGLES

【第1章】「視野を伴った」ファンダメンタル

クリエイティブな選手の育成/コーディネーション的ドリル/実践1対1ドリル/プラクティカルレイアップドリル 6種類/ステップインドリル 6種類

【第2章】「人と合わせる感性を磨く」チームオフェンス

人と合わせるということの考え方/合わせの5原則(5D)/シェービング/スクエア(四角形) 3人1組パスランドリル/ペンタゴン(五角形) 4人1組パスランドリル/ペンタゴン(五角形) 5人1組→フラッシュモーション/オールコート合わせ 5人1組→フラッシュモーション/4人組システムシュートドリル 20種類

【第3章】「させない5原則を徹底した」チームディフェンス

させない5原則について/スクエア(四角形) ペイント2対2/ペンタゴン(五角形) 3人1組パスランドリル/実践ペンタゴン オールコートプレス/オールコートエイトラン オールコートのポジショニング

【第4章】「得点できない時間を打開する」チーム戦術

ハーフマンツーマンアタック/エンドボールシステム/サイドボールシステム

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