公開:2024/10/11
前日本女子代表HCの恩塚亨氏が先日、東京医療保健大学女子バスケットボール部HCに復帰しました。同チームを率いて2021年までインカレ5連覇を達成した恩塚氏ですが、2006年創部当初に、格上チームと対戦していく重要戦略としていたのが、“プレッシャーリリース”です。プレッシャーリリースを重視するにいたった経緯を、JLCオンデマンドのコンテンツ内で語っています。
激しいプレッシャーをかけられてセットプレーができない
このコンテンツは、「恩塚 亨 これからのコーチングで大切にしたいこと」というタイトルで、JLCオンデマンド限定で配信されている。
恩塚氏は、大学チーム立ち上げ当初のある時期、チーム強化の方針としてディフェンス強化を最重要課題とし、オフェンスは多彩なナンバープレーを用意し、相手の意表をつく戦略で勝負しようとしていた。
しかし、リーグ戦で戦う相手のレベルが上がると、、相手から激しいプレッシャーをかけられ、用意したセットプレーができない。その前にミスをしてターンオーバー、ファストブレイクで失点を重ねるという結果になってしまった。
相手がファストブレイクで得点するので、強化してきたディフェンス練習の成果を出すことができない。さらに、自分たちはフロントコートにボールを運ぶことができないので用意ししたセットオフェンスを繰り出すこともできない。
プレッシャーリリース重視で飛躍
そこで考えたのが、プレッシャーリリース重視の戦略だった。その結果、前年度は前半からダブルスコアで負けていた相手に対して、翌年は互角以上に戦い、入れ替え戦に進出するという成果を出すことができた。
チームを強化するとき、すべての指導者の頭に浮かぶのは制約条件だ。どんなチームでも、時間が限られ、練習環境は限られ、選手の資質・能力は限られ、さらに予算も限られている。そうした制約条件の中で、何を優先して練習すればより効率よく勝利に結びつくか? 恩塚氏が見つけた一つの解がプレッシャーリリースだったのだ。
プレッシャーリリースを学ぶ
そのプレッシャーリリースに焦点を当て、種々のドリルを紹介しているコンテンツが、「恩塚亨 プレッシャーリリースドリル」です。ドリブルアタックからはじまって、パス、シュート、リバウンド等、さまざまな状況でディフェンスから受ける激しいプレッシャーをどう回避し、次の攻撃につなげるか。細かいシチュエーションを設定したドリルが多数紹介されています。
相手に止められたらどうしよう、と不安を持ちながらプレーするのではなく、止められたらこうする、という解決策を持つ。つまり、自信を持ってプレーするためのキーファクターがそこにあります。