「ミニバスで世界一を目指す」の真意とは? 恩塚亨氏の対談企画がスタート

公開:2024/12/20

更新:2024/12/19

恩塚亨氏が自ら人選してバスケットについて熱く語り合う対談企画が、本日JLCオンデマンドでスタートしましました。初回の相手は、ミニバス界で全国的にも最強豪の一角として知られる壱岐リトルソニックス(福岡市)の中嶋基喜HCです。このコンテンツ(12/27配信チャプター)から、一部を紹介します。

なぜ世界一なのか

恩塚:現在のチーム作りのコンセプト、どんなチームを作っていこうと考えていますか?

中嶋:チームとしての目標と目的を明確に掲げて、選手・指導者・保護者がお互いに信頼関係をつくりながら、世界一を目指す。これをコンセプトにしています。

恩塚:世界一、というフレーズを聞くと思わず聞き直したくなりますが、なぜ世界一なのですか?

中嶋:日本のミニバスでは日本一を決めない方針になっているので、そこを具体的な目標にはできません。ならば世界一を目指して、皆さんに世界一のチームだねと言っていただける存在になろう、と。ぶっ飛んだ目標ではありますが、今現在、本当にそこを目指してやっていけている状態です。

中嶋基喜氏

恩塚:かっこいいですね。子どもたちにとっても「私たち世界一を目指しているんだ」という意識で日常を過ごしていると、ただ「うまくなりたい」と思って過ごしている場合と比較して、行き着くところが違う気がします。

中嶋:私自身のバスケットボール経験でもそうでしたが、たとえば県大会での優勝を目指していると、その県大会の中で負けてしまいそうな試合も出てきます。でも日本一を目指していれば、県大会で負けることはないかなと思います。

ミニバスの日本一決定戦はないけれど、世界一を目指していれば、日本一には到達するのではないか。そういう考え方を子どもたちと共有しています。

本気にさせるスイッチ

恩塚:それを言い出したら、選手たちは変わりましたか?

中嶋:取り組み方が、ものすごく変わりました。情報が溢れる今の時代では、練習法などについては、その気になればいくらでも入手することができます。でも、それらの情報を十分活かせるかどうかは、取り組み方次第なのではないかと。どれだけ本気になれるか。

子どもたちを見ていると、もっともっとやれる、との思いが強いです。大人が勝手に枠にはめてしまっている。大谷翔平選手がこれだけメジャーリーグで活躍するとは、本人以外はおそらく誰も予想していなかった。バスケットも同じで、それだけの可能性を持つ子どもたちはたくさんいると思います。

恩塚:世界一を目指すことで、夢が広がったり、こだわりを持ったり。つまり「本気になる」。こういうイメージでしょうか?

中嶋:そうです。私から見れば、もっともっと本気になってほしいし、夢中になってほしい。コーチから指示される前に自分からボールに触りに行く。そんな環境をつくりたいです。

恩塚:私自身も以前は「放っておいたらサボるから練習漬けにしないと」という意識で指導していました。しかしある時期からそれをやめました。すると、自分自身の気持ちも救われた感があって、選手を信じる、信頼できる気持ちがどんどん出てきました。相乗効果があってよかったな、と思っていますが、ミニバスでも同じようなことが起こるんだな、と率直に思います。

恩塚 亨氏

ゲームプランも子どもたちに考えさせる

中嶋:子どもたちは自分の考えをうまく表現できないので、大人が先回りして方向づけしてしまう傾向はあると思います。うちのチームでは練習メニューを自分たちで考えさせたり、試合に際して相手にどうアジャストするか、つまりゲームプランを子どもたちにつくらせたりもしています。そのゲームプランは成功することもあれば、失敗することもありますが、これらを意識することが、子どもたちの成長につながります。

恩塚:子どもたちの考えを引き出すには、子どもたち自身の引き出しにたくさん物が入っていないといけない。意識的に引き出しを埋める機会を設けているのか、それとも日々質問することで引き出しを充実させているのか?

中嶋:一つ心掛けているのは、褒めるのではなく認めることです。試合で良いプレーがあったら、「今日はすごく良かったけど、もっとできるよね」と声掛けをします。すると、さらに良くなるための意識と行動が促されます。

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