公開:2025/01/17
更新:2025/01/28
昨年末に収録された注目のセミナー「全容解明 恩塚メソッド」の第1回講義が、現在オンライン配信中です。恩塚亨氏が過去3年間にわたって実践してきたチームビルディングの概要を、豊富な実例をもとに余すところなく公開。全指導者必見の内容です。その講義から、一部を文字に起こして紹介します。
自分の「ものさし」を持つために
今回を皮切りに、セミナーは1年間で4回開催される予定。恩塚氏は冒頭で、セミナー全体を通して獲得してほしいこととして、図1を示している。
・勝つべくして勝つ論理を突き詰められるようになる
・自分の「ものさし」で評価や判断ができるようになる
コーチングは「答えのない問い」への挑戦であり、結果で得ていくものもあるが、結果(勝敗)は時の運にも左右される。自分の「ものさし」を持っていれば、試合の勝ち負けにかかわらず、自分が挑戦したことに対する適切な評価ができる。 コーチングに正解はなく、Aの方法もBの方法もある。AあるいはBを選択した際、自分自身でそれを選んだ理由を説明できることが大切で、自分のものさしを持っていれば、その説明が可能になる。結果だけに左右されずに、自分の挑戦に対する納得感を得ることができる。
原理原則の強化
恩塚氏は世界と戦ってきた経験を通じて、年齢カテゴリーにかかわらず、育成年代からバスケットボールの「原理原則」の理解と実践を促進することが、日本の競技レベル向上に不可欠であることを強調している。
原理原則には多種多様な要素があるが、恩塚氏が直近に経験したチームビルディングの中で、どの原理原則にフォーカスして取り組んだのか、を示した。それが図2だ。
1. 勝機を逃す(機会損失)の場面が多かったので、それを極力減らす。そのために「勝機とは何か?」を理解し、そのチャンスを活かすトレーニングを徹底して行う。
2.タフレイアップが頻発していた。これの改善が大きな課題であったので、ボールマンを残りの4人で合理的にサポートし続けることを徹底した。
3.フルコートプレスを徹底。オフェンスリバウンドの初期からこれをしっかり行えば、次に自分たちに有利な展開が必ずやってくる、という考え方と行動を共有した。
これらは、選手たちが新しいスキルを身につけるわけではなく、現有の能力を最大化するアプローチであるところに注目すべき。
バスケ選手にとっての「読み書きそろばん」
1の勝機を活かす実例として、ボールマンが1対1になった局面では、シュートコンテストに来たディフェンスのトップフット側(手を挙げてきた側の足)を抜くのが大原則。しかし映像を細かくチェックしてみると、レベルの高いチームであってもこれが十分にできておらず、ディフェンスに絡めとられてしまうことが非常に多い。
あらゆるカテゴリーでの指導経験を持つ恩塚氏は、この種の原理原則が習慣として身につくように、育成世代から「読み書きそろばん」のごとく徹底して指導する必要性を強く感じている。
実戦で迷わないシステムの構築
原理原則の刷り込みを十分に行っていても、ゲームの強度が高まると、エラーや迷いが生じる。そのケースに備えて恩塚氏が準備したのが、システムの構築だ。ここで言うシステムとは、イメージとして将棋倒しのようなもの。最初の駒が倒れれば、後の駒も自然に倒れていく流れを作っておく。
つまり、「これをやってだめだったら、これをやる」というパターンを作り、試合ではその流れに沿ってチームが動く。あるいは、入口で迷ったときのために、別パターンの入り方もあらかじめ決めておく(図3)。これがあれば、選手がゲーム中に迷うことがなくなる。
ただし、システムの硬直化による弊害も起こりうるので、個々のプレーヤーの自由な発想、アドリブは歓迎する。
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