公開:2025/04/08
更新:2025/04/10
4月の新作、『壱岐リトルソニックス「 世界一」を目指すミニバスドリル』から、ディフェンスドリルの一部を抜粋して紹介します。壱岐リトルソニックスの練習は、身体各部の使い方、姿勢、目線など細部を重視し、妥協なく取り組んでいるところが特徴的です。
ここが違う! 壱岐リトルのディフェンスドリル
今年の全ミニでも活躍した壱岐リトルソニックスのプレー精度は、日々のファンダメンタルドリルで培われた成果の表れだ。それらのドリルには、中嶋HCが言う“シンプルなことの徹底”が色濃く反映されている。
本作品ディフェンス編の中で中嶋HCがコーチングしている言葉から、そのこだわりが垣間見える。「バンプの動きづくり」のドリルから、以下にいくつかピックアップしよう。どれも、意識しないとできないし、小学生のうちから意識することで、その後のバスケットボール人生で長く使える強固なファンダメンタルをつくる。
「お腹で当たる」
ドリルはコンタクトの練習からスタート。相手の肩に当たるときはお腹に力を入れて当たる。こうすることで自分の体勢も崩れず、強い当たりができる(図1)。
「当たった後は前を見る」
当たった後、目線が落ちてしまいがちなので、前方のフロアを見て状況判断する。これがチームプレーにつながっていく。
「パワーはいらない。当て感を養う」
当て感とは、正しく当たる感覚のこと。ドリルに繰り返し取り組むことでこの感覚をつかむ。コンタクトが苦手といわれる女子選手でも、習慣化することで苦手意識はなくなる
「股関節を使う」
ジャンプをして着地で股関節と膝を使って衝撃吸収する練習。踵から着地して股関節で止まる意識を持つ。これは女子選手に多い膝の怪我予防のためにも重要(図2)。
「手を高く挙げる」
相手をシールする際はファウルを取られないよう、指先まで意識を通わせて手を高く挙げる。このときも膝・股関節の角度、目線(下を見ない)を意識する(図3)。
バンプだけでもこれだけのことを徹底させている。注目すべきはバンプ自体のプレーはもちろん、そもそもの運動能力の向上にもアプローチしていること。さらに目線にもこだわることでチームプレーにもつなげていることだ。
ルーズボールの動きづくり
もう一つ、中嶋HCの細部へのこだわりが象徴的に表れているドリルがこれだ。ルーズボールに対して少しでも早く到達する動きを身につけるドリル。2人1組になり、一方が馬をつくって、もう一方がそれを縦に跳ぶ。着地の瞬間に素早くターンして、馬の脚の間をくぐる(図4)。これを繰り返す。
このドリルで中嶋氏が強調するのは、無駄な1歩をなくすこと。着地した瞬間に1歩前に出してからターンしがちだが、この1歩が、ルーズボールへの出遅れになる。着地したら1歩出さずに即ターンして姿勢を低くしてパートナーの脚の間をくぐる。
作品詳細
オンデマンド版は2025年4~6月にかけて各チャプターを順次配信、DVDは2枚組のセット販売です。
■バスケットボールの身体づくり
・身体づくり
・リズムジャンプ
■ディフェンスファンダメンタル
・バンプの動きづくり/ルーズボールの動きづくり ←今回紹介した内容はココ!
・クローズアウトの動きづくり
・胸で相手を受ける動きづくり
■オフェンスファンダメンタル
・駆引きを意識した2ボール三角パス
・タイミングを意識した四角パスラン
・パワーと目線を意識した2ボールドリブル
・止まる・投げるを意識したアウトレットパス
■オフェンススキル
・抜き去るまでを意識したリトリート
・ボール移動と身のこなしでズレをつくるラインアタック
・リズムの変化でズレをつくるペイントアタック①
・リズムの変化でズレをつくるペイントアタック②(コフィンコーナーから)
・全力レイアップ
・リトリートの駆け引きからベースラインドライブ
・攻める空間を自らつくるペイントアタック1対2
■チームオフェンス
・目線とオフボールの動きを意識した3対3
■ブレイクドリル
・目線を意識したスリーメン
・攻守の切り替えを意識したオールコート2対2
・4分間シュート
■チューブトレーニング