恩塚メソッドの肝となる”信号理論”とは?

公開:2025/06/06

恩塚亨氏が恩塚メソッドを実践するなかで繰り返し強調する考え方の一つに、オフェンス時の”信号理論”がある。これは、ボールポゼッションにおいて現在、自分たちがオフェンスのどの段階にいるのかを選手たちがコート上で把握し、各状況で最適なプレー選択をできるようにするための理論だ。恩塚氏のDVD最新作「恩塚メソッド・オフェンス実践編」の中から、この信号理論を解説している部分から抜粋します。

5段階のとこにいるか

信号理論を理解する前提として、恩塚メソッドではオフェンスを5段階で整理している。

ゲーム中めまぐるしく状況が変わるなかで「いま5段階のどこにいて、どのプレーを選択すると合理的で勝つ可能性が高くなるか」を即座に判断できることが理想だ。オフェンスでは「迷う、停滞する」が最大のネック になるため、まず迷わずにプレーできるかが重要になる。

5段階とは、図1に示した①キャスティング(攻撃のはじまり)、②クリエイト(チャンスメイク)、③チャンス(有利なマッチアップ)、④ブレイク(アタック中)、⑤フィニッシュシュート)の各ステージのこと。

図1

ボールマンだけでなく、コート上のプレーヤー全員が「今どの段階で、何をすべきか」を理解できれば、攻撃が停滞したり、不用意に相手にボールを奪われたりする可能性が低くなるし、状況が不利になったら、瞬時に前段階に戻って攻撃を再構築することもできる。

青、黄、赤でそれぞれ攻め方が変わる

信号理論では、刻々と変わるオフェンス上の有利・不利を、信号の青、黄、赤にたとえて説明している。

青は、ディフェンスに対して有利で、ボールマンが積極的にアタックできる状況。この場合、オフボールマンは相手のヘルプを難しくさせる(離れる)、ローテーションを難しくさせる(ダイブする)といったプレー選択をする(図2)。

図2

黄は、オフェンスとディフェンスが対等の状況なので、ボールマンは無理して1対1でアタックせず、他のプレーヤーと協力して攻める。スクリーンプレーなどのアクションを速やかに行う(図3)。

図3

赤は、ディフェンス有利でボールマンが停滞してしまいがちな状況。この場合は、他のプレーヤーが接近して安全にパスをつなぎ、状況を赤から黄色に持ち込む。つまり、攻撃をやり直す(図4)。

図4

これらを各プレーヤーが理解し、ゲームシチュエーションの中で適切に動けるよう、練習を積んでいく必要がある。

DVDでは、段階を踏んだ多様なドリルが、恩塚氏のオンコート解説とともに紹介されていきます。

>>>「恩塚メソッド・オフェンス実践編」詳細ページ

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