どうすればクリエイティブな選手を育成できるのか?

公開:2025/08/15

更新:2025/08/14

Basketball Coaching Seminar「全容解明・恩塚メソッド」の第3回が8月6~7日に開催されました(オンライン配信は8月14日よりスタート)。セミナーの冒頭で講師の恩塚亨氏は、コーチングの質を継続的に高めていくための思考法について語っています。日々の迷いに直面するコーチが、拠り所とすべき考え方の原点とは?

クリエイティブは何から生まれるか?

選手にはクリエイティブにプレーしてほしいし、コーチ自身もクリエイティブでありたいと願っている。しかしコーチはよく、「教えすぎ」を懸念する。教えすぎると、選手たちの自由な発想がなくなってしまうのではないか、と思ってしまうのだ。

しかし恩塚氏自身は、「クリエイティブさは記憶の組み換えでしかない」と考えている。これは脳科学的にも言われていることで、簡単に言えば、ゼロからは何も生まれない。多数の情報が蓄積しているから、必要なものを適宜引っ張り出し、最適な組み合わせで使う。

情報が多くなると処理するのが大変になるため、インプットをあえて避けてしまう口実として「情報がありすぎても…」と言われがち。しかし質の良い情報であれば、インプットに制限をかけるべきではない。

“質の良い情報をどれだけ持っているか”。これがクリエイティブの質を決める鍵になる。数学の難問を解くためには基礎的な公式の積み重ねが大切なのと同様に、クリエイティブにプレーしたければ、それぞれの局面で最適なプレーとは何なのか、を徹底的に突き詰め、練習する。選手をそのように導くことが、コーチとして重要な資質であり、スキルである。

言葉の範囲を広げる

言語化能力は、スポーツにおいて選手にとってもコーチにとっても重要とよく言われる。

人は言葉によってイメージを具体化させる。もっと言えば、人は自分の持っている言葉でしか考えることができない。言葉の範囲をどれだけ広げることができているか。これが、その先の考えの広がりにもつながってくる。だから言葉の範囲を広げるための努力、つまり学び続けることがそれだけ重要になる(図1)。

図1

これはメンタルコントロールにもつながる。自分の感情がどのような状態であるのかを言葉で説明できる人は、取り乱すことが少ない。「なんかムカつく」とか「なんかイライラする」と語る人と比べて、ムカつく理由、イライラする理由を自分の言葉で説明できる人は、心を乱しがちな状況でも落ち着いて処理できる可能性が高い。

情報が溢れる時代で勝ち組になる方法

ただし、自分の言葉を持つためには努力が必要だ。言語化能力を磨くには、時間をかけてコツコツと学習・訓練を繰り返す必要がある。SNSを通じて雑多な情報が目まぐるしく飛び込んでくる今の時代は、腰を据えて何かに取り組むこと自体が忌避されがちだ。

そもそも自分のプレーを明確に言語化できる選手は少ないし、そこに取り組んでいるチームも少ない。そこにあえてチャレンジすることが、競争相手の少ない領域で勝負することになり、チームの優位性が増す(図2)。

図2

「全容解明・恩塚メソッド」第3回 オンライン配信の概要

実際のセミナーでは、上記に抜粋した話題の後、オフェンス、ディフェンスの原則について講義が展開されます。今回の主なテーマは、

  1. オフェンスのチームの原則
  2. オフェンスの個とグループの原則
  3. ディフェンスの5段階の原則

8月14日(金)より配信開始、8/24まで申込受付。申込日から3週間視聴できます。

オンライン受講料:22,000円(税込)

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