公開:2025/08/28
ゴール下のディフェンスがミスマッチになると、失点の脅威が増してしまう。ヘルプの際は、このミスマッチを防げば失点確率を下げることができる。その考えのもとにヘルプローテーションを練習するドリルが、「稲垣愛 ヘルプローテーションディフェンス」の中で紹介されています。
先日の全中で活躍し、ディフェンス能力を存分に発揮した四日市メリノール学院中学校。本作では同校のディフェンス戦術を余すところなく解説し、練習法を紹介している。その中で、ゴール下でミスマッチが発生しやすい状況でのヘルプローテーションについて取り上げている。
独特のヘルプローテーションドリル
ドリルでは2対2からの展開を設定。オフェンスがボールを45度に展開し、そこからドリブルドライブで突破する場面だ。相手のドライブに対して、通常はインサイドのディフェンスがヘルプするケースが多い。これでローテーションすると、ゴール下は低身長のディフェンスが対応することとなり、ミスマッチが生じる。ボールサイドからのシュートが外れてリバウンドになったら、簡単にボールを取られてしまう(リバウンドは高確率で逆サイドに落ちる)。
インサイドでは、ディフェンス側もビッグマンをつけたままゴール下の攻防を戦いたい。
そのためにやるべきことは、トップからヘルプに入ることだ(図1)。ヘルプする選手にとっては、移動距離が長く少々きついディフェンスとなるが、アウトサイドでの攻撃に対してはアウトサイドで守るという方針を採用することで、インサイドが手薄になるのを防ぐことができる。
ローテーションの動き方にこだわる
ドリルでは、ドライブに対してトップのディフェンスがヘルプし、45度のディフェンスと入れ替わる動きを繰り返す(図1)。
45度のディフェンスがトップへローテーションするときは、直線的に移動するとゴール下へのラインが空いて相手のダイブを許してしまうため、「く」の字に移動する(図2)。
本作では、高さを意識したヘルプローテーションと、そこに伴うきめ細やかな動きのポイントを明確に解説している。
2対2から徐々に状況を複雑化させ、3対3、4対4、5対5それぞれの場合でディフェンス効率を高めるためのコーチングが行われ、多数のドリルが紹介されていきます。ディフェンスをさらに強化したいチームは必見の内容です!