公開:2025/11/07
更新:2025/11/04
恩塚亨クリニックシリーズ「慶誠」から、前回記事ではピックアンドロールで相手をはがすテクニックを紹介しました。ただし、それを実行したとしてもディフェンスのレベルが高く、簡単にオフェンス有利の状況をつくれない場合があります。作品には、その場合の原則的なプレー指針とドリルも収録されています。
「崩せたか、崩せていないか」を感じ取る
ピックアンドロールを仕掛けてディフェンスをはがそうとしても、相手のディフェンス力が高く、ボールマンに対してスライドでついてこられてプレッシャーを受け続けるケースがある(図1)。

その結果、苦しまぎれにシュートを打ったり、パスミスを誘発したりするケースが、慶誠高校のゲーム分析でいくつか見られた。
相手を崩せていない、勝てていないと感じた場合は、ハンドラーは無理してシュートを打ったり中途半端なパスを出したりせず、逆サイドにパスを送って再度ピックアンドロールをやり直す(図2)。

その場合、ハンドラーは逆サイドへのパスをしたらエンドライン方向に切れていき、ピックに向かったスクリーナーは素早く逆サイドへピックアンドロールに向かう(図3)。

“崩せた”と感じたらアタックしてフィニッシュを狙うが、“崩せていない”なら、もう1回やり直す。重要なのは「崩せたか、崩せていないか」を各プレーヤーが敏感に感じ取り、崩せていない場合は即座にもう一度攻撃を立て直す。
チーム全員がこの意識を持ってプレーし、ゲーム中、瞬時に次の選択肢を選べるよう、日頃から練習を重ねておく。
図1~3は、この一連のプレーを3対3で練習しているところだ。
チーム全体で同じ絵を見る
スクリーンがうまく相手に当たらず、ハンドラーが孤立してしまった場合も、スクリーナーはすぐに次の行動をとるべきだ。同じサイドでリピックに行く、またはハンドラーの逆サイドへのパスに呼応して、スクリーンに向かう。
相手が崩れるまで途切れのない波状攻撃をかけられるかどうかが、ゲーム全体の得点力を大きく左右する。チーム全体で同じ絵を見ることの大切さと、実際の練習法がわかるこの作品、ぜひご覧ください。
