シームレスな攻撃を可能にする3つのフェーズ

公開:2025/06/20

更新:2025/06/13

恩塚メソッドの続編。先週お届けした「恩塚メソッドの肝となる”信号理論”とは?」の内容を踏まえて、攻撃の重要な局面を3つのフェーズに分けて捉え、各フェーズで何をすべきか、について解説している部分を、新作DVDから抜粋します。

チームとしてどう機能するか

恩塚メソッドでは、オフェンスを5段階に分けて整理している(図1)。プレーヤー全員が、「今どの段階にいるか?」を明確に把握していることが重要である。このことを前回の記事で解説した。

図1 オフェンスの5段階

この5段階の中でも、2番目のクリエイト(チャンスメイク)と、3番目のチャンス(有利マッチアップ)の2段階において、”チームとしてどう機能するか“が、オフェンス全体の成否を分けることになる。一人もボールウォッチャーになることなく、全員が、ボールマンを助けるために有効に動かなければならない。

3つのフェーズで攻める型を持つ

恩塚メソッドでは、この2段階で出現するオフェンス状況を3つのフェーズに分け、プレーヤーが理解しやすいように整理している。トランジションプレーをこれらのフェーズに当てはめてみると、下記のような動きが基本型となる。

フェーズ1は、ボールマンがドリブルドライブでフロントコートに進んでいる局面。このとき、ボールマンの状況がディフェンスに対して圧倒的有利(つまり青信号)であれば、そのままアタックして、ゴール下に詰めているビッグマンやトレイラーはサークルムーブなどでボールマンをサポートする。

フェーズ2は、フェーズ1の途中でディフェンスに止められ、信号が青から黄に変わったとき。この局面では、トレイラーにパスを戻して(図2)、そこからコーナーのプレーヤーに展開し、サイドピックアンドロールを仕掛けてシュートを狙う(図3)。ビッグマンは逆サイドにカットしてゴール下スペースを空ける。

図2 ボールマンがトレイラーにパスを戻す
図3 サイドピックアンドロールを仕掛ける

フェーズ3は、フェーズ2でもうまくいかなかった場合の攻め方。コーナーからボールをいったんトップに戻し、ウィークサイドに移動したビッグマンがそれに呼応してアップスクリーンをセット(図4)。ここで再びピックアンドロールを用いて中央からシュートを狙う。

図4 ビッグマンがアップルスクリーンをセット

このようなフェーズ展開を基本の型として理解していれば、どこかでうまくいかなくて停滞することなく、即座に次の行動に移行して、シームレスな攻撃が可能になる。

ボールマンが攻め切れるか微妙な場合は、無理をせずフェーズ2、フェーズ3への展開に移る。チーム全員がこの共通認識を持っていれば、味方の動きに呼応して各プレーヤーが機能的に動くことができ、ボールウォッチャーとなるプレーヤーはいなくなる。そして、相手にとって守りずらい、途切れのない攻撃となる。

ただし、途中でボールマンが青信号になればアタックして良いし、誰かがフリーになれば、そこにボールを回してシュートでも、もちろんOK。必ずしも型通りにプレーする必要はない。


DVDは、恩塚氏のオンコート解説と東京医療保健大学の選手たちによるデモンストレーションによって、恩塚メソッドが段階的に理解できるよう構成されています。理論を学び、その後、実戦にどう落とし込むか。じっくり観て、チームのレベルアップのためにご活用ください!  

>>>「恩塚メソッド・オフェンス実践編」詳細ページ

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