身長が低いチームの5on5セットオフェンスは?

公開:2021/06/25

更新:2021/06/24

質問投稿者:中学女子指導者

回答者:目 由紀宏(ガウチョーズ・バスケットボールアカデミー 監督)


質問内容

5on5のときのセットオフェンスをどうしたらよいのか悩んでます(身長がないとき)。


回答

4アウト1インを原則にする

これまで、多くのコーチが多くのパターンを構築してきて、選択肢はいろいろあります。対象が中学生とのことですので、できるだけシンプルなオフェンスを考えて行きましょう。

身長が低くくても勝てるチームの共通項は、「スペーシングが素晴らしい」ことです。1人の選手が1対1の状況になったとき、残り4人のチームメイトが良いスペースをつくってくれるのです。実例を1つ示しましょう。

図1

図1は4アウト1インの陣形ですが、このように、各プレーヤーの間隔をできるだけ広げることで、ディフェンスの各プレーヤーがカバーしなければならない範囲を広く保ちます。これによって、ボールが動いた時にディフェンダーがヘルプポジションに移動する距離が長くなります。ここからの攻め方はいろいろあります。一例として、インサイドにいるプレーヤーがボールマンにスクリーンをセットし、ピックアンドロールをしかける。ボールマンはポップアウトして別のプレーヤーがインサイドに入る(図2)。

図2

これでまた4アウト1インの形になります。この時、スタート時と同じように互いの間隔を広くとるスペーシングを保持することが重要です。あるいは、ボールマンが1対1を仕掛けてアタックし、アウトサイドにいる3人のうちいずれかにキックアウトして3ポイントシュートを狙う。この場合も、スペースを広くとっていることが、ディフェンスに対してアドバンテージとなります。

子どもたちがこのオフェンスを練習する時には、4アウト1インの形を保持するという原則を伝えた上で、まずは自由にプレーさせると良いと思います。4アウト1インのフロアバランスが崩れたらコーチがプレーを止め、適切な動き方を教えてやる。よくあるパターンとして、先ほど図2で示したピックアンドロールの局面で、残り2人のプレーヤーは元のポジションに立ったままではまずいわけで、ディフェンスを攪乱するためにコーナーにいるプレーヤーがウィングにいるプレーヤーにフレアスクリーンをセットし、この両者がポジションチェンジをする、など。子どもたちは、初めはできなくてもすぐに順応し、さまざまなパターンを試すようになります。

中学生ではあまり見られませんが、先ほどのスタートポジションから、インサイドのプレーヤーがボールマン方向に動いてボールをもらいに行き、ボールを受けたらパッサーのスクリーンを使ってドリブルで1対1を仕掛け、そこからキックアウトして3ポイントシュートを狙う。こういったプレーもあります。

NBAやBリーグを観ていると、4アウト1インのオフェンスは、いろいろなパターンがあることがわかります。それらの中から、自チームに適したものを選んで取り入れてみるとよいのではないでしょうか。最近では5人全員がアウトサイドから始める5アウトも見られるようになりましたが、オフェンスプレーヤー間の距離が短くなるので、より難易度が上がります。スペーシングの大切さを学ばせるためにも、4アウト1インを中心に指導されることをおすすめします。


目 由紀宏 Yukihiro Sakka

1965年生まれ。能代工業高校(現 能代科学技術高校)では在学中に7度の全国制覇に貢献。日本大学からいすゞ自動車に進み、日本代表のシューターとしても活躍した。引退後は、指導者・解説者として活動し、2004年に立ち上げた「ガウチョーズバスケットボールアカデミー」は、男女ともに日本を代表するクラブチームで一つであり、数多くのOB・OGが強豪校やトップチームで活躍している。

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