公開:2020/07/24
更新:2021/02/22
末広 朋也(名古屋ダイヤモンドドルフィンズ/U-15ヘッドコーチ)
2020年1月11日にジャパンライム・セミナールームで行われたアナリストセミナー第1回「コーチングとデータの融合」の内容を、ダイジェスト版でお届けします。講師は、B1 名古屋ダイヤモンドドルフィンズのU-15チームでヘッドコーチを務める末広 朋也氏です。今回は後編。 前編を読む
試合を見る上での着眼点は「オープンショットを作れたか、否か」
オープンショットの定義は、ディフェンスが腕1本分離れている状況でシュートを打つことです。ペイントエリア内ではシューターとリングを結ぶ線内にディフェンスが存在しないこと。
「オープンショットを作ること」を重視している理由は、最終的に決まった得点と、オープンショットの数は必ずしも合致しないからです。 オープンショットが少なくてもまぐれで得点が次々と決まってしまうケースもありうるので、チームとしてのオフェンスがしっかり機能してオープンショットの状況を作れたかどうか、を常に見ています。
貢献度の評価方法 フルタイム換算する
出場時間が多い選手も少ない選手もいる中で、個々の貢献度をどう評価するか。
全選手をフルタイム出場(高校生以上:40分間)で換算する。例として、2分間の出場で2得点、1オフェンスリバウンドを獲得した選手の場合。
2得点×40分÷2=40
1リバウンド×40分÷2=20
となる。同じ方法で、ペイントタッチなどのスタッツも評価します。 通常のボックススコアには表れないこうした評価をしてやると、チームのゲームプランの中での貢献度が客観的にわかるし、本人のモチベーションアップにつながります。
アシスト/ターンオーバー
単純なボックススコアの数値でも、2つの数字を掛け合わせると、選手の本質がよく見えてきます。私はアシスト数をターンオーバー数で割った数値を重視しています。ポイントガードには3以上の数字を求めたい。
安定してゲームを作ることができる選手はこの数値が高い傾向があります。リッキー・ルビオ選手、クリス・ポール選手、田臥雄太選手など。
Youtubeでのフィードバック
練習試合後には必ず、個々の選手の気になるプレーをピックアップしてコメントを付けた上で限定公開し、選手と親御さんに見てもらっています。そのプレー時の意図を問う形で、選手自身に思考を促すコメントを付ける。
限定公開のアカウントは継続するので動画は蓄積され、後日、古い動画をもう一度見て、選手は自らの課題を再確認することもできます。