いかにシュートを速く打てるか。速く打てれば遅くも打てる。自分の間合いがわかってくる

公開:2021/05/14

更新:2021/07/02

飛龍高校男子バスケットボール部 原田裕作ヘッドコーチ 

ジャパンライムのオンデマンドコンテンツ「次世代コーチのドリル」シリーズでご登場いただいている若手指導者の方々に、この映像の中で強調している内容を中心にインタビューする企画です。今回は、静岡県・飛龍高校男子バスケットボール部の原田裕作先生にうかがいました。


──「次世代コーチのドリル」シリーズの中で、原田先生にはシューティングドリルを中心に紹介していただきました。身長の高い相手、特に留学生がいるチームを想定して練習法を工夫していらっしゃる印象があります。改めて、どのような考え方をもとにシューティングドリルを構築しているか、お聞かせいただけますか。

ゴール下で相手の留学生が待ち構えている状況下で、イージーな2点はなかなか取れません。アウトサイドのシュートであったり、動きの中でシュートチャンスを創出していくプレーが必要になります。ゴール下にボールを入れて簡単に得点できるわけではない、という状況は、おそらく私たちのチームだけでなく、多くのチームが同じだと思います。それを踏まえ、合わせだったりスクリーンプレーを用いていかにシュートを決めるか。これを常に考えています。

──ディフェンスをつけない状況でのドリルも多く紹介されていますが、これらを行う時のポイントは?

ノーマークでシュートを打つわけですから、100%を目指す。あとは、キャッチアンドシュートの動作の中で、いかにシュートを速く打てるか。これを意識させています。速く打てるということは、遅くも打てます。自分の間合いがわかってくる。間合いがわかれば、シュートが打てない場合はドライブといった選択肢が出てきます。その間合いを養う意味でも、速さを追求するよう心がけています。

パスの精度も、シューティングドリルの中で意識させています。流れをつくってシュートチャンスまで持っていくプレーでは、ロングパスやフックパスが多くなりますので、そうしたやや難易度の高いパスをどれだけ正確に、かつシューターが打ちやすいパスを出せるか。

バスケットは得点を取り合う競技です。いくらドリブルがうまくても、フットワークが良くてもシュートが入らなければ得点になりません。選手たちもバスケットを始めた頃から、この競技の一番の面白さはシュートを決めることだと思っているはずです。ですから私たちのチームでは、ウォーミングアップでもシュート系の動きを多く取り入れています。

──シュート重視の考え方は、指導者になった当初からですか?

いいえ、以前はディフェンスをがちがちにやって、トランジションで早い展開というバスケットを志向していました。けれどもシュートが入らなくて。シュートが入らないとディフェンスの集中力が落ちてくる。そして、シュートを含めたオフェンスが上手くならないとディフェンスも上手くならない、ということに気がつき始め、高校の指導者になって4年目ぐらいから、少しずつ変えていきました。

──原田先生は高校で指導される前、アメリカの大学や日本のプロチームでのコーチも経験されています。高校生を教えるようになって感じたことは?

やはりファンダメンタルのレベルが全く違いますので、高校生にとって必要なファンダメンタルを見極め、しっかり底上げしてあげることには力を注いできました。それと、今の高校生はいつでもどこでも見たい映像を見ることができ、情報量はたくさん持っているのですが、その知識は深みに欠けることが多いので、どれだけ掘り下げて教えてあげることができるか、これが大事かなと思っています。

最近では全世界で情報の共有が進んでいることもあって、バスケットボール自体の進化スピードが速いです。そうした変化に対しては、練習の細部での味付けを少しずつ変えることで対応しています。

──指導者として、ここだけは譲れないといったこだわりのようなものはありますか?

捨てることでしょうか。こだわりすぎないことにこだわる、というか。試合のディフェンスの局面で言えば、経験を積んで状況判断のためのデータが頭の中に蓄積されると、「ここで自分のマークマンはボールに絡んでこないな」と判断できるようになります。すると思い切って自分のマークマンを捨てることができる。捨てた瞬間に思考が非常にシンプルになるし、そういう時はだいたい間違っていないです。指導者も同じで、捨てる作業はとても勇気がいるのですけれども、自信を持ってやることなので、その判断は重視していて、選手たちにも伝えている部分です。そして、その判断をした根拠をしっかり言語化できること。これも大事だと思っています。

(2021年4月5日、オンラインにて取材)


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次世代コーチのドリル集 飛龍シューティングドリル


原田 裕作  Yusaku Harada

福岡第一高校、東海大学でプレーし、卒業後アメリカにコーチ留学。帰国後、レノヴァ鹿児島(現鹿児島レブナイズ)のアシスタントコーチを経て、飛龍高校の教員となりバスケットボール監督に就任。2017年にはインターハイ、ウィンターカップでチームをベスト8に導くなど、全国大会でも活躍するチームを作り上げ、今注目をされている若手指導者のひとりである。

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