【サポートスタッフで勝つ】<2> 法政二高女子バスケットボール部

公開:2022/05/27

更新:2022/05/20

サポートスタッフの活躍ぶりを取材するシリーズ。今回は、今年度春の神奈川県大会で3位となり、創部以来初めて関東大会に駒を進めた法政大学第二高校女子バスケットボール部。このチームでは、マネージャーがチーム成長のために大きな役割を担っている。岡村幸恵監督と2名のマネージャーにインタビューした。

岡村幸恵監督

マネージャー希望者には1年間プレーヤーを経験してもらう

法政二高女子バスケットボール部では、入部して即マネージャーとしては活動できない。必ず1年間はプレーヤーとしてバスケットボールを経験した後に、2年目からマネージャーになる。だからマネージャーは2~3年生しかいない。岡村監督の考えで、あえてそうしているという。

「プレーヤーとしても十分頑張ってくれていた子たちがマネージャーになります。そこまで1年間の取り組みの中で、チームメイトから十分信頼されている子がマネージャーをやってくれているのが、このチームの特徴だと思います。

1年間敢えてプレーヤー経験をしてもらう理由は、やはりプレーヤーの気持ちがわからないと、マネージャーを務めるのは難しいと思うからです。選手たちが苦しい時、その気持ちがわかるからこそ掛けられる言葉があるし、先回りして練習しやすい環境を作る、困っていそうな人に気づく、といった行動につながると思います。1年間頑張った姿を皆が見ているし、マネージャー自身もそれまでのプレーヤー経験を土台にしてプレーヤーたちとの関係を築くことができます。

初めからマネージャー希望で入部したい子にとって、1年間プレーヤーをしなければいけないのは負担なのかもしれないけれど、今のところ、この形がうまくいっているのではないか、と思っています。マネージャーたちは私が促したわけではなく、自分から進んで審判資格も取り、練習試合では笛を吹いたりもしています。プレーヤーの中にも審判資格やコーチの資格を取得した生徒がいます」

ウォーミングアップはマネージャーが管理

学校の体育館使用のスケジュール管理や遠征時の行動計画管理、あるいは試合スコア記録、スカウティング映像の整理、といった業務のほかに、日々の練習や試合でのウォーミンアップ内容もマネージャーが作る。いくつかの定型パターンは存在するのだが、選手たちとの意見交換を通じて、その時その時で必要と思われる要素を加味してアップ内容をアレンジしている。これも、プレーヤーとしての経験が活かされる部分である。

「アップ内容は、基本的には私は口を出しません。チームの状態をより良くするには今何をすべきか、マネージャー自身に考えさせています。チームテーマの1つとしている”自立と自律”を促す意味でも、自分がチームのために何ができるのか、常に考えてほしいのです」(岡村監督)

外部のトレーナーとも契約して週1回来てもらっているが、トレーナーさんとのコミュニケーションもマネージャーの重要な役割。チームの現状を具体的に伝えるとともにトレーナーからの指導内容をチームにフィードバックし、チーム全体として行うコンディショニングメニューや怪我人のトレーニングメニューがうまく回るよう管理している。

マネージャーになって見えてきたバスケットの面白さ

現役のマネージャーお二人に話を聞いてみた。3年生の小張(こばり)愛さんと、2年生の竹中桃花さん。先ほど岡村監督から話があったアップの内容策定については、

竹中桃花さん(左)、小張 愛さん(右)

「たとえば最近の試合でリバウンドが取れていない場合にはスクリーンアウトの動きを取り入れたり、2線3線が遅い場合には3対3の動きを入れたりとか。そんな工夫をしています。選手たちから、現状のチーム課題や改善ポイントに関する意見が出てきて、それをもとにトレーナーさんと相談してウォーミングアップメニューをアレンジすることもあります」(小張さん)。

チーム状態、選手個々の状態を普段からよく見ているからこそ、そうしたアレンジが可能になるのだろう。

「皆が壁にぶつかりながらも努力をして、少しずつうまくなっていく姿を外から見られるのはすごく面白いし、マネージャーをやっていてすごく楽しいです」(小張さん)

「自分がプレーヤーでいる時は自分のプレーだけでいっぱいいっぱいでした。マネージャーになり一歩引いてプレーを見ることで、ボールを持たないプレーヤーの、この動きがこのシュートに結びついているんだ、といったスコアに表れないバスケットボールの面白さに気づくことができました」(竹中さん)

現在部員数35名と、大所帯である。大人数ならではのコミュニケーションの難しさを感じつつも、チームをより良くするために日々努力する充実感が、お二人の話からは伝わってきた。


<取材後記> 法政二高女子バスケットボール部は、2016年の同校共学化を機に新設された新しいチーム。監督が掲げる自立と自律の精神を体現しつつ、チームと各個人が今まさに成長段階にある、現在進行形のエネルギーを感じるインタビューでした(宮村)。

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