小学生離れした全員バスケを体現するチームの秘訣

公開:2020/07/06

更新:2020/09/09

バスケ未経験からの挑戦

埼玉県川口市を拠点に活動する「川口じりんMBC」。ここでは、チームの指揮を執る小山高広コーチへのインタビューをもとに、指導者としての原点とコーチとしてのフィロソフィーについて紹介していきます。

バスケ未経験だからこそ伝えられるものがある

小山コーチは学生時代はラグビーに打ち込んでおり、バスケットボール未経験の素人。娘さんがミニバスチームに所属し、当時チームの監督を勤めていた方と指導方法を巡って対立、「じゃあお前が指導をしてみろ」と言われ、売り言葉に買い言葉でそのクラブを引き継ぐことになったそうです。

はじめは平日練習もまともにできない状況、さらにバスケ素人ということもあり、うまく指導ができなったという小山コーチ。それでも、何とかチームを作って挑んだ市大会予選通過をかけた大事な一戦で、指導者としての転機が訪れます。

小山 高広 コーチ

「相手チームがゾーンプレスをかけてきたんです。こちらはそんな戦術まったく知らないから、面白いように選手は引っかかってしまう。
すごくまじめにひたむきにやってくれる選手もいたんだけど、そんな選手に向かってベンチからかける言葉は「なにやってんだ!」だけ。

自分がバスケを知らないせいでこのようにしてしまっている申し訳なさがあって、その日から寝る間を惜しんでバスケを勉強するようになりました。」

この出来事をきっかけに、秋田の能代工業へアポなしで練習見学に訪れるなど、必死に指導の勉強を積んだ小山コーチ。そうした中で、バスケ素人だからこそできることがあると気づいたそうです。

「指導者って「バスケが上手だった」方がなることが多いですよね。だから上手にできない選手の気持ちがわかりにくくて、イライラしたりしてしまうことってあると思います。僕はそもそもやったことがないのでイライラすることは全然ないし、どうアプローチしたらいい動きになるのかってことを0から考えられるから、そこは良かったですね。未経験だからこそわかる教え方ってあるんだなって気づいたんです」

練習は選手との契約

川口じりんMBCの練習では、誰一人として手を抜く選手はいません。どの選手も黙々と、時にはお互いに教えあいながら練習に取り組んでいます。

「うちのミニバスでは、練習は選手との契約だと伝えている。その練習を1本しかやならいなら、「1本しかやらない」と伝えている。その1本の使い方は子供たち次第。「監督は選手が一生懸命やっているかどうかわからない」とも伝えている。そして、全力で練習をやっている選手しかいないことを前提にして練習を行っている。目の前でみて、スピードが遅い子は能力が足りないとみなされる。能力が低いと試合で使うのはちょっと厳しいかなとなる。そう言うことも伝えているので、うちでは選手が練習をサボる意味がないんだよね。」

こうした小山コーチの考え方がしっかりとチーム全体に伝わり、それが伝統となることで、選手が入れ替わっても勝ち続けられるチームが作り上げられているのです。

バスケ未経験から、スタートした指導の道。全国のチームを見て回り、勉強しバスケの知識を身に付けるとともに、未経験ということを活かした、選手に寄り添った指導を実践されてきました。
さらに、選手を子供扱いせずに、一人のバスケットボールプレーヤーとして接することで、選手が自立し主体的に練習に取り組める環境を作ることに繋がっているのです。

チームの目標設定や練習の組み立て方、チーム方針について >【2】

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