良い循環を生み出す仕組み作りを目指す~LEOVISTA BASKETBALLCLUBの取り組み~

公開:2021/01/29

更新:2021/02/18

今回は、千葉県内で7年前より活動を続けるLEOVISTA BASKETBALLCLUBを取材。トップリーグや日本代表で活躍した指導者が、小学生から中学生まで約240名の選手の指導にあたっています。今回は、ご自身も新潟アルビレックスBBでプレーされ、現在クラブの代表を務める金子暁海さんにお話を伺いました。

選手のセカンドキャリアを作りたいという思い

―まずは、指導者を目指されたきっかけと、クラブチームを立ち上げた思いについて伺いました。

金子暁海氏(以下:金):自分自身がトップリーグでプレーしていたのですが、プレーヤーの時から、いずれはバスケットボールの指導をしたいと考えていました。トップチームでプレーしていたときに、アメリカ人HCのもとでプレーする機会があったのですが、今まで受けてきた日本の指導との違いに衝撃を受けました。そこで、アメリカで指導者として勉強したいという思いが生まれて、引退を決めた後に、当時チームに所属していた外国人選手のツテでアメリカに渡り、半年ほどプレーをしながら指導者として勉強をしました。
アメリカで一番感じたのは、地域のスポーツクラブやスクールで教えている指導者が、すごく指導の引き出しを持っているということです。育成年代のコーチが非常に優秀で、勉強もしていて、その点には衝撃を受けました。もともとは教員になって、バスケットを指導することも考えていたのですが、アメリカで経験したことや、ヨーロッパの育成システムの話も聞く中で、日本でもクラブチームが必要だと感じるようになりました。帰国して1年は、統括地区協会のスクールの運営をお手伝いさせていただきながら準備をして、今の団体を立ち上げました。

↑クラブの代表を務める金子暁海さん

金:自分自身も経験してきたことなのですが、日本では、トップのレベルまで、バスケットに人生をかけてプレーした後のセカンドキャリアが、十分に整っていないという状況があります。周りの選手を見ていても、トップで活躍した選手が、20代後半・30代になっていったときに、セカンドキャリアの幅が狭くなってしまうという現状があります。それでは、トップを目指したいという選手も増えないと思いますし、体が動く限りプレーをして、次のキャリアでバスケットに関われる環境があることが理想だと思い、その受け皿になることを目指したいと考えて活動を始めました。実際に、高校や大学のトップレベルで活躍していた選手が、セカンドキャリアがないことを理由に、普通に就職してバスケットボールから離れていく例も見てきました。そうした状況は、日本のバスケットボールのレベルを上げると考えたときには、すごくマイナスだなと感じていたので、そうした受け皿が準備できていることで、バスケットに打ち込める選手が多くなればと思って活動をしています。

―ここからは、具体的な取り組みについて伺っていきたいと思います。まずは、一般社団法人 LEOVISTA BASKETBALLCLUBの事業全体のお話を伺いたいと思います。

金:事業としてはU5~U15のチームに加えて、3X3のチームも運営をしています。コーチはもちろんトレーナーも雇いながら、多角的に活動していて、その活動の中でお金をいただきながら、価値の高いものを提供していく。我々が頑張ってこうした環境を作っていくことで、今教えている選手達が、バスケットを一生懸命頑張った後に還元できる、バスケットに関わり続けられる環境になることを目指して、その仕組みを構築していっている段階です。スポーツ事業として、子ども達が「夢」を目指せる環境、循環を作っていきたいと考えています。

トップ選手だからこそ伝えられることがある

―近年、クラブチームも増えてきていますが、その中でLEOVISTA BASKETBALLCLUBの特徴はどういったところでしょうか?

金:このチームの特徴としては、トップレベルを経験したコーチ陣が揃っていることです。トップリーグや日本代表を経験した人は数が限られていて、その経験をした人から聞く言葉というのは非常に貴重だと考えています。なので、Bリーグや日本代表を経験した指導者を集めて、子ども達に、できるだけそうした貴重な経験談を伝えられるようにしたいと考えています。
「名選手名コーチにあらず」や「うまい人はできない人の気持ちがわからないから教えられない」と言われることもあります。もちろんそういう面もあるかと思いますが、うまい人の感覚、天才の感覚は、その人からしか聞けないのではないかと思います。今いるスタッフと話をしていても、「そういう感覚でプレーしていたんだ」、という気づきも沢山あります。トップレベルで活躍していた人の方が、言葉に説得力もありますし、ここでしか伝えられないものもたくさんあると感じています。

―ここからはU15チームでの活動についてさらに詳しく伺っていきたいと思います。指導の中で、どういったことを大切にされているのでしょうか?

金:U15ではAチームとBチームに分けて、それぞれのレベルに応じた練習メニューを組んでいます。どちらのチームも大会にエントリーして、全員がバスケットボールをできる環境を提供しています。AチームとBチームの入れ替えも行っているのですが、実力はもちろんのこと、普段の生活態度や練習中の姿勢も判断材料にしています。普段の生活の部分は、学校さんに任せることになるんですが、各学校の先生方と定期的に連絡を取らせていただいて、学校生活の様子も確認しています。そうしたオフコートの部分の態度や姿勢についても、口うるさく指導しながら、実力と合わせてチーム分けを判断しています。

―保護者の方々との関り方についてはどのようにされているのでしょうか?

金:選手達には、オフコートでの「自律」を求めていて、自分のことは自分でできるようになってほしいと考えています。ですので、保護者の方には、試合の時のドリンクの準備や、遠征の洗濯のお手伝いもお断りしていて、出来る限り選手自身が自分の身の回りのことをするような環境を作っています。それから、活動中に保護者が選手に話しかけるのも禁止にしています。試合中に保護者の方が選手に声を掛けるチームも多くあると思いますが、いろんな大人から指示をされると、選手達が迷ってしまうので、保護者の方には、「我々が伝えていることが100%正解とは言い切れないですが、こちらも精一杯指導しますので、信用して、応援だけしてください」と伝えています。

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