良い循環を生み出す仕組み作りを目指す~LEOVISTA BASKETBALLCLUBの取り組み~

公開:2021/01/29

更新:2021/03/25

原理原則を理解していれば「天才」的なプレーができる

―スキル指導の部分で重視されている部分はどこでしょうか?

金:U15で一番ポイントにしていることは、本当に基本的なことですが、「左右を均等に使える」ということです。中学校、高校年代の全国レベルを見ていても、利き手だけしか使えない選手がまだまだ多いと感じています。レベルが上がれば上がるほど、スカウティングされて、片手しか使えない選手は不利になります。左右両方使えて、360度どこでもプレーできる選手を育成するということをまずは重視しています。
それから、状況判断がしっかりとできるということも重視しています。具体的には、出来るだけ1対1の場面でも、ディフェンスをもう一人置くようにしています。実戦に近い場面を設定して、ヘルプのポジションや視線を常に見る習慣をつけるようにしています。状況を見ていても答えがわからない選手も沢山いるので、その状況での対応方法は、事細かく事前に指導をしたうえで、そうした状況で判断する練習をさせるようにしています。

↑ディフェンスの間合いやスペースを判断する練習が多く組まれていた

金:昔、「あいつうまいな」「あいつは天才だ」と言われた選手のプレーは、スポーツ科学が発達してきた現代では、プレーの一つ一つを理解していれば、誰でもできると思っています。理解していなくてもできるから、天才と言われるのかなと。超一流になろうとすると、もう一つ上のレベルで突き抜けたものが必要になるとは思いますが、しっかりとバスケットを理解して理論的にプレー出来れば、どんな選手でも天才と言われるプレーは可能だと思っています。 クラブ文化が根付き始めて、しっかり理論的な指導をされる指導者の方々が増えてきているので、今はだれでも天才と言われるプレーヤーになれるのではないかなと思います。

―男女ともにチームを持たれていますが、男女で指導を変える部分はありますか?

金:男女であまり大きく指導を変えることはしていません。まずは、基礎基本が重要だと思っていますので、その部分をできるだけ指導したいですし、そこは男女で大きく変わることはないかなと考えています。その次のステップに関しては、男女で変えていく必要はあると思っているのですが、まずは同じメニューで基礎・基本を身につけられるような指導をしています。

―最後に、今後の目標を聞かせてください

金:このチームというよりは、バスケットに街クラブという文化を全国に広げたいという思いがあります。知り合いではない人でも、セカンドキャリアで苦しみを感じていながら、ビジネスとして回していけないから諦めている方も沢山いるのではないかなと感じています。いろんな都道府県で、セカンドキャリアでも活躍できるチャンスを広げる活動ができればいいな、というビジョンがあります。バスケットに関する事業として、もっと拡大していきたいとも考えていて、専用の体育館を建てる計画もあります。すごくお金を稼ぎたいわけではないですが、セカンドキャリアの受け皿として、しっかりと事業を回していくために、お金を払う価値がある、と思ってもらえるものを提供し続けて行きたいと考えています。


– 取材を終えて
「選手のセカンドキャリアをつくること」が「バスケットの魅力を高めてよい選手の育成にもつながる」という考えの元、クラブチームの運営をされている金子さん。ご自身はもちろん、日本代表レベルも経験したコーチ陣をそろえ、トップ選手だからこそ伝えられることを日々の練習で選手に還元されています。練習の内容自体はシンプルなものがほとんどですが、一つひとつに丁寧に細かい指導がなされていて、まずは基本を大切にするという思いが随所に現れていました。活動を継続される中で、1人でも多くの選手がトップレベルで活躍し、また指導者としてクラブに戻ってくるという、良い循環が生まれる。日本のクラブチームのモデルケースとなることを目指す、LEOVISTA BASKETBALLCLUBの活動に今後も注目していきたいと思います。

(取材日:2020/12/21 大野)


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