初歩から始めるゲーム分析 【後編】ミスが起こるパターンを見出せるか、がコーチの力  

公開:2020/09/18

更新:2020/10/27

恩塚 亨(東京医療保健大学女子バスケットボール部ヘッドコーチ)

東京医療保健大学女子バスケットボール部を短期間で日本一に導いた恩塚亨ヘッドコーチは、かつて日本女子代表チームのアナリストも務め、ゲーム分析について多くの知見を持つ、この分野のトップランナーの一人です。恩塚氏に、「初歩から始めるゲーム分析」というテーマでインタビューしました。

今回は後編。前編では、ゲーム分析の基本となる「5つのキーファクター」について解説していただきました。 

>>>前編「5つのキーファクターに注目しよう」

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映像の見方、活かし方

──映像の活用方法を教えてください。

コーチが見ている絵と、プレーヤーのイメージにはギャップが生まれます。このギャップを埋めるために、映像を使って共通イメージを持てるようにする。これがベースになります。私が採用している方法は、自分たちがどのようなバスケットボールを目指しているか(ゲームモデル、スキル)を言葉で伝えた上で、プロのトップレレベルのプレーヤーが行っているプレーを見ながら、これが成功パターンだというイメージを共有します。

そのイメージを持って練習したビデオを再度見て、プレーがうまくいった場合はその理由をプレーヤーにも考えてもらいながら解説します。うまくいかなかった場合は、技術・戦術上の課題を明確にします。そして、どういったアプローチでその課題を克服するかを考えて練習に落とし込んでいきます。 日々の練習、ゲームはすべて録画をして、良かったところ、悪かったところをピックアップして編集します。そのピックアップの基準になるのが数字(スタッツ)と私自身の主観、この2つです。

練習試合をしたとします。その試合でOff Effが低かった。なぜ低かったのか? をスタッツから分析していくと、ターンオーバーが多かったことがわかる。シュートまでもっていくことができずにオフェンスの効率が悪かった。では、そのターンオーバーはオフェンスの、どの局面で起こっているのか。リバウンドを取ってアウトレットパスをする時なのか、ボールをフロントコートに運ぶ途中なのか、あるいはオフェンスをエントリーする時なのか。

ビデオを見ていくと、そのパターンが浮かび上がってきます。例えばオフェンスエントリーの時にディフェンスからプレッシャーをかけられてミスをしてしまうことが多い、ということがビデオを見るとわかります。

その原因は? 一因として考えられるのは明確なプランを持たずにドリブルをしながらハーフコートを越え、「ここから何をしようか?」と考えている隙を突かれてターンオーバーが起こる。これを防ぐためには、走りながらディシジョンメイクをして、5人全員が一体となってオフェンスに入っていなかければなりません。改善の方法としては、オフェンスの流れを作る練習をする、または、流れがうまく作れなかったとしても相手のプレッシャーに対してボールをしっかり守るためにボールマン以外のプレーヤーがどのように動くか、サポートの考え方やタイミングの取り方といった部分を練習しよう、という方針が出てきます。

>>> ミスが起こるパターンを見出す

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