恩塚亨のコーチング哲学 vol.3 バスケットボールはどんな競技か。原点を突き詰めよう  

公開:2020/11/13

更新:2020/11/20

今、最も注目される指導者の一人、恩塚亨氏の”軸”に迫るインタビューを、3回に分けてお届けしています。最終回は、日本のバスケットボールがより進化していくためのお考えをお聞きしました。

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バスケットボール界の未来

──ここからは、日本のバスケットボール界全体のことについて、少しおうかがいします。日本のバスケットボールは、今後どのようになっていくべきだとお考えですか?

指導の成果もあって、最近は個人の能力としてスキル、テクニックに優れた選手が増えてきています。5対5という実際のバスケットボールの中でそれらを十分に発揮できるようになっていくことが、一つの課題ではないかと思っています。

ビラノバ大学ヘッドコーチのジェイ・ライト氏にアドバイスを請うた時に感銘を受けたのは、「私たちはナンバープレーを教えているのではなく、バスケットボールを教えているんだ」という言葉。バスケットボールとはどんな競技か。この原点を突き詰めて向き合っていけば、コーチも選手もレベルアップできるのではないか。私自身がそうでしたが、これまではスキルや戦術にフォーカスしすぎる傾向があったのかな、と。競技そのものに目を向け、改善していくとよいのかなと思います。

もう一つは、先ほども触れたマインドです。バスケットボールを通して自分の人生をどう作っていきたいのか、選手たちがそのイメージを明確に持てて、キラキラした未来に向かってチャレンジしていける、そういうバスケット界になれたらいいと。それが実現すれば、バスケット界が日本社会に対して良い影響を与えることができる、とも思います。

──ご自身が今後やりたいことは?

今の話と重なりますが、バスケット選手としても自分の人生の主役としても、自信を持っていろんなことにトライできる人を増やせるように、自分自身も勉強を続け、活動していきたいと思っています。


■選手が語る恩塚コーチ その3

伊森 可琳 選手】

高校生の時にインカレを見て、東京医療保健大学がコートの5人全員が速いテンポで動き、相手の隙をついてプレーしているのを見て、このチームでプレーしたいと思いました。
恩塚先生によく指摘され、自分自身も課題だと認識しているが、「ネクストプレー」です。私はシュートを外したりパスでミスをしたりすると引きずってしまうことが多いのですが、バスケットの試合の中で1秒でもヘッドダウンする時間があるなら、次のプレーのことを考えなさい、と言われ、これは高校時代までは深く認識していなかったことだし、本当にその通りだと思います。また、自分のできないことばかりを探してしまう癖があったのですが、自分の良いところに自信を持って、それを可能な限り表に出すように言われて、実践するよう努力する中で、少しずつ自分自身に対するイメージが変わってきたように感じています。
このチームでは、常に試合をイメージしてドリルを行う意識が根付いていて、私もそうした環境で練習する中で、進化していくことができたと思います。今は、たとえばボールマンの動きに呼応して相手ディフェンスが動くと、ここに穴ができる、そこに動いてボールをもらえばチャンスになる、というような基本原則、つまりバスケットに対する理解が深まったので、プレーしていて楽しいです。
恩塚先生の人となりについては、軸のある人だな、と思っています。軸はしっかりしているけど周囲に良い情報があれば何でも取り入れて、その軸を太くしていく、そういうイメージで見ています。

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恩塚 亨 Toru Onzuka

1979年、大分県出身。バスケットボール女子日本代表アシスタントコーチ、東京医療保健大学女子バスケットボール部ヘッドコーチ、東京医療保健大学准教授。2006年、東京医療保健大に女子バスケットボール部を創設し、並行してアナリスト、テクニカルスタッフとして日本代表チームに関わる。その高い分析力と指導力を生かし、2017年、創部12年目にしてリーグ戦&インカレともに初優勝。その後、インカレ3連覇を達成した。

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