「道しるべ」になるために~選手、指導者の受け皿になるクラブを目指して~

公開:2020/12/18

更新:2020/12/25

2020年6月より京都市を中心に活動をスタートした、バスケットボールU15クラブチームの「CLUB SIGNPOST」。チームの代表を務めるのは、公立高校で教鞭を振るう吉田聡監督です。ここでは、公立高校の教員でありながらクラブチームを立ち上げた吉田先生の思いや、CLUB SIGNPOST (以下CS)での活動について紹介していきます。

前例がなければ自分が前例になれば良い

公立高校の教員でありながら、なぜクラブチームを立ち上げようと思ったのか。まずは、その思いについて伺いました。

吉田監督(以下 吉):働き方改革の一環で部活動ガイドラインが導入されて、練習時間に縛りがかかってきた中で、学校の部活動だけでは満足できない子供たちが増えてきていると聞いて、自分に何かできることはないのか、と考えるようになったのがきっかけです。

自分が痛感しているのは、部活動の時間が年々減ってきている一方で、大学を卒業してバスケを教えたいという人たちがクラブチームで指導するということが増えてきたということです。昔は、教員にならなければバスケを指導できなかったけど、その枠がなくなって、わざわざブラックな環境に行かなくても良い時代になってきた。

その中で、公務員(学校の教員)でも子どもと関わることが好きな人が、昼間は学校で子どもたちと関わって、夜は部活動の代わりにバスケの指導に携われる環境があっても良いのではないかと考えて、このチームを立ち上げました。

↑バスケットボールの指導に情熱を燃やす吉田監督

誰かが動き始めなければだめ

指導現場の変化に対して、熱い思いをもってチームを立ち上げた吉田監督。しかし、クラブ立ち上げから活動をする中で様々な苦労があるようです。

吉:立ち上げるうえで、まずは公務員法から勉強しました。それから学校長や教育委員会と丁寧に何度も話を進めていくというところに一番労力を使いましたね。あと、思ったよりお金がかかりますね。税理士の方に頼むと、定款や登記にかかる費用も結構な金額になります。それを知らなかったので、意外とお金がかかったなと思っています。

活動していて一番言われているのは、高校の教員が中学生指導に携わることでリクルートに関わるのではないかということ。そんな気持ちは全然ないんですが(苦笑)。でも、中学校現場の指導者の方々に、「畑違いの人間が畑を荒らしに来たと」思われてもおかしくないなとも思います。そこは、クラブを立ち上げた時にある程度想定していた部分でもあるので、自分としては、クラブを立ち上げた時の思いを忘れずに、ぶれずにやっていくしかないかなと思っています。

それから、クラブを運営していくのは結構大変で。平日は授業のあと19:00まで部活の指導をして、そのあと19:00~21:00までクラブチームで指導をする。これが週に2回あって、土日も学校とクラブチームを並行して行っているので、時間的な余裕はないですね。でも誰かが動き始めないといけないので、無理して動いているっていう感じです。

指導をしたいという人の受け皿になることを目指す

そんな厳しい状況の中でも、先を見据えて活動している吉田監督。今後のクラブチームの展望についても伺いました。

吉:今は寄付金という形で、月8,000円の月謝をいただいています。トレーナーとコーチ(コーチ1名、トレーナー1名)の手当、それからウェア代や遠征費の補助として還元しています。ある程度軌道に乗ってきたときに、メインに指導してもらえる方と話を進めて、正式な報酬が支払えるようにはしたいですね。今はその土台を作る期間かなと考えています。将来的には、指導をしたいという人の受け皿にもなれたら良いなと考えています。

中学生は新しいことに積極的にチャレンジする

ここからは、指導面のお話を伺っていきます。指導の中でどんなことを大切にされているのでしょうか。

吉:幅広いスキルの習得よりも、「チームを勝利に導くスキルとマインドの習得」をテーマに掲げています。要はがっつりして練習してうまくなるということです。人数が多くなるとなかなか見きれないので、上限を20名にしています。週2~3回、スキル練習よりゲームをしながら能力を高めて行くという方針ですね。中学生年代の選手には、能力は高いけどプレーがルーズという選手も多いので、根底にあるバスケットボールに取り組む姿勢というところも鍛えたいと思っています。

↑練習を見守る吉田監督

中学生を指導するにあたっては、高校生の指導と基本的には変わりはありませんが、高校生は新しいことにチャレンジすること、失敗することを恐れてしまうように思います。中学生は、新しいスキルや練習に出会うとまずやってみようというというところがあって、そこが新鮮ですね。それから、中学生はこちらが想像していなかったプレーを突発的にしてくれるので、それも新たな発見として面白いなと感じています。気を付けていることでいうと、違う学校から通っていて、指導のバックグラウンドやクラブに通う目的もバラバラですので、そこで消化不良を起こさないように、絶対に譲れない大切なところをはっきりと伝えることは意識してます。

>>> 次のページでは練習の様子と選手のインタビューを紹介

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