公開:2022/03/11
更新:2022/04/29
Basketball JUMPでは2022年2月に「新入生を迎える環境づくり」をテーマとしてアンケート調査を行いました。その結果概要をお伝えする記事の後編です。今回は、新入生に対する特別な練習メニューについてご回答いただいた内容を抜粋します。
「新入生に向けた特別な練習メニューはありますか」という問いに「はい」とお答えいただいた方々に、その具体的な内容をご記入いただきました。全体的な傾向としては、1.怪我の予防を含めたフィジカル要素の強化、2.基礎スキルの徹底、この2つの要素にフォーカスしている回答が目立ちました。以下、具体例を紹介します。
怪我予防、フィジカル面の開発
盛り上がるコーディネーショントレーニング等。(ミニバス) ※コーディネーション系は回答多数。
怪我予防のための動きづくり。(中学生クラブチーム)
パワーポジション、骨盤の意識、手首のコック。(中学校部活)
トレーナーが怪我をしないためのトレーニングを指導。(高校部活)
長距離走、筋トレ、体幹、ファンダメンタル等。(高校部活)
自重での筋力トレーニング。(高校部活)
姿勢矯正、パワーポジション。(高校部活)
身体の癖の修正。走り方やパワースタンス等の身体の使い方をまずは教える。(中学校部活、クラブチーム)
正しい身体の使い方を意識して筋力トレーニング。(中学校部活)
跳び箱、平均台、ラダー、ミニハードルを活用した姿勢づくり。(ミニバス、中学生クラブチーム)
強くドリブルをつくための筋トレやストレッチなど。(中学校部活)
チューブを配って、膝が内に入らないようなトレーニングや、パワーポジションやヒンジの動作などをしっかりできるようになる体幹のトレーニングを、練習時間が限られることもあり、自宅トレーニングとして新入生に課しています。(高校部活)
↑この回答をいただいた高校部活チーム指導者の方に、追加取材をしました。 >>>初心者も入部してくる女子の高校チーム。バスケットボールのスキル以前に基本的な身体の使い方ができていない生徒も多く、また膝の怪我も多かったことから、知り合いのトレーナーに相談したりして、新入生への必須メニューとして怪我予防のトレーニングを取り入れた。「ボールを扱う以前に自分の身体をしっかりコントロールできるようになろう」という考え方で。具体例の一つは、パワーポジションの姿勢で膝上にチューブを引っ掛け、股関節外転動作を行うエクササイズ。お尻の筋肉がしっかり使われていることを意識する。100円ショップで簡易ラバーバンドを入手可能なので、それを選手たちに配布して、自宅メニューとしてやらせている。同時にパワーポジションの重要性、正しい姿勢でのドリブル、相手にぶつかる時の姿勢などを女子日本代表チーム等の動画を見せながら理解させる。一流の選手たちが最もできている基本の「き」を学んでからバスケットボールに入っていく。こうした取り組みを始めて3年目、怪我も減ってきたし試合で積極的にボディコンタクトに行く場面も増えてきたのを実感している。自分の身体について理解が深まることで、バスケットボールのスキルも急激に向上する、そういう例も出てきているとのことです。 >>>【参考】ラバーバンドを用いた股関節外転エクササイズの実例(当サイト海外コンテンツより)
基礎スキル系
片手でボールを扱得るようになるためのハンドリングメニュー。ワンハンドシュートの指導。(中学校部活)
バスケットを未経験で入部する生徒が多いので10分間先輩たちによるゴール下のシュートの指導を受けて、実際に1分間でシュートをどれだけ多く決めれるかを競わせるメニュー。(中学校部活)
初心者が多く入部するので、バスケのルールについて勉強したり、テーブルオフィシャルの方法についての講習会もしています。(中学校部活)
ボールのもらい方、ボールポジション、ドリブルをした後の止まり方。(中学校部活)
身体の使い方や、シュートフォームチェック。(中学校部活)
わからなくても、見て、真似て、聞きなさい。TTP=徹底的にパクる。(ミニバス)
とにかくシュート。(中学校部活)
シュートの分解練習を多くしています。(ミニバス)
ミラードリブルで自分の姿を知るようにしている。(ミニバス)
2歩で身体をコントロールできるようにするステップワーク。(ミニバス)
ハンドリングの徹底。(中学校部活)
各種基本動作をスモールステップで行うこと。(ミニバス)
初心者も入ってくるので、必ずレイアップとシュートフォーム(ボールディップ)の具体的な方法。(中学校部活)
バスケットボールの理解が必要なので、定期的に様々な試合のハイライトを作成し、視覚的なトレーニングも欠かせません。(ミニバス~社会人クラブチーム)
新入生vs.上級生
高校レベルになると、新入生のモチベーション換気も狙いとして、下記のように、あえて試合形式で上級生と競わせる機会を設けているチームもあります。
新入生VS2.3年生で試合をさせます。基本コーチは審判。新入生は指導者がいない中どうアプローチをするか。つまり戦う姿勢を出すか、が狙いです。(高校部活) ※同様回答複数。
今回のアンケートでは158名という多数の指導者の方々から回答をいただき、前後編の2回にわたり、詳細な結果報告ができました。ご回答いただいた方々に改めて御礼申し上げます。Basketball JUMPでは、今後もアンケート調査を重ね、皆様にとって役立つ情報提供を目指してまいります。引き続き、ご協力よろしくお願いいたします。
>>>「新入生を迎える環境づくり」アンケート結果概要 前編 を読む。