脱水症のサインを見逃すな

公開:2026/06/22

更新:2026/06/18

公開中のオンラインセミナー「いのちを守る飲水学」からの抜粋、第2弾です。夏場のスポーツ活動中は、熱中症・脱水症の兆候を素早く察知したいものです。そのための簡便なチェック法と、見逃されがちな食事からの水分補給について触れた部分を抜粋します。

オンラインセミナーの講師は、水分補給や熱中症予防について各種メディアを通じて啓蒙活動している谷口英喜医師(済生会横浜市東部病院 患者支援センター長/栄養部部長)。今回のセミナーは主に養護教諭向けではあるが、スポーツ指導者にとっても必見の内容が満載されている。

水分不足に敏感な3臓器

脳、消化器、筋肉。これらはいずれも水分の含有量が多い。体内の水分量が不足することによって、これらの臓器に不調をきたすことがよくある。

脳は、「めまい、立ちくらみ、集中力低下、頭痛、意識消失、けいれん」といった症状。

消化器は、「食欲低下、悪心、嘔吐、下痢、便秘」といった症状。

筋肉は、「筋肉痛、しびれ、麻痺、こむら返り」といった症状。

これらのサインが出ていたら、熱中症、脱水症を疑うべきだ(図1)。

誰もが日々感じている起床時の体調を想起するとわかりやすい。朝は頭がボーッとしており、食欲はない。そして筋肉にも力が入らない。これらは典型的な脱水症状である。二日酔いや風邪で熱を出したときも同様だ。

脱水を示す兆候を見極め、軽い段階で経口補水液を飲ませれば、早く回復する可能性が高い。

図1

簡便なチェック法

熱中症・脱水症が疑われる場合、その場でできる簡単なチェック法がある。最初は、手の温度をみる。手が冷たいのは熱中症の始まり。熱中症の初期症状は 脱水が起こるので、身体は熱くなるのではなく冷たくなる(図2)。

図2

手がもし冷たければ、次にこのテストをしてみる。手の甲の皮をつまみ上げて、元に戻る様子を見る。元に戻るまでの時間が3秒以上かかる場合は、皮下の水分量が減少していると考えられ、脱水症が疑われる(図3)。

図3

もう一つの簡便なチェック法は、爪毛細血管再充満時間を調べる方法。親指の爪を上から押すと、血流が遮断されて色が白くなるが、押すのをやめるとすぐにピンク色に戻る。もし2秒以内に戻らなければ、脱水症が疑われる(図4)。

図4

食事を軽視しない

脱水症・熱中症対策で忘れられがちなのが、食事による水分摂取だ。運動中に限らず一日単位で考えると、食事を過不足なく摂ることで無理なく水分を補給できる。食事で摂った水分は2~3時間かけてゆっくり吸収されるため、尿になりにくく身体の中に保持されやすい。食事では、水分とともにいろいろな栄養素も摂れる。図5のカレーライスを中心とした食事の場合、これで約510mlの水分が摂ることができる。

図5


谷口氏によるオンラインセミナーは7月1日まで申込受付中。申し込み後、3週間、何度でも視聴可能です。夏本番を前に備えを万全にしておきたい方は、ぜひご覧ください。詳細は下記リンクから。

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