公開:2021/05/21
2021年5月15日(土)に、越谷アルファーズ主催の小中学生対象地域還元クリニックが開催された。今回は、そのクリニック当日の様子をレポートする。
良いものはどんどんシェア、還元する
まずはこのクリニック開催に至った経緯を青野和人GMに伺った。
青野GM:トップチームが2Bプレーオフを戦っています(5/16(日)に群馬クレインサンダーズに敗れ惜しくも準決勝敗退となった)。トップチームがアウェイで頑張っているエネルギーは物凄く、そういった情熱をホームタウンで何か活動は出来ないかという事で、「地域に還元するクリニックができないか」というの話をさせていただき、会社にも快諾をいただきましたので実施することとなりました。
募集期間が3日ほどしかなかったにも関わらず、80名の定員がいっぱいになりました。繋がりのある指導者の方々が拡散してくれて、本当にありがたく思います。
クリニックは、小学生の部と中学生の部が同時並行で行われ、1回1時間30分で2回実施された。小学生の部はアルファーズU15チームの田中慶アソシエートコーチ、中学生の部は5月よりチームに加わった岩井貞憲コーチが担当。共に「個人スキルの強化」をテーマに、ドリブルスキルの指導を中心としたクリニックとなった。
クリニックの内容はすべて撮影可能。指導を包み隠さずオープンにシェアすることで、参加した選手がチームでの練習や自主練習で取り組めるようにと、クリニック後のことも配慮されていた。無料で参加できて、しかもその指導の映像も撮影ができる。ここまで指導ノウハウをオープンにしているクリニックは珍しいのではないだろうか。その狙いを青野GMは次のように語ってくれた。
青野GM:自分のポリシーとして、持っている知識やスキル、考え方を、クローズドにしたり、来た人にだけ教えるより、どんどん情報を出してシェアしたいという考えがあります。そうすることで、周りが指導者の方々のレベルも上がると思いますし、そうなると自分がもっと勉強しないとおいていかれるので、自分の成長にも繋がると考えています。
今、アルファーズのユースチームには、2人の素晴らしいコーチがいます。私も含めて3人で指導の話をするときの会話のレベルが相当高く、お互い意見を出し合って、それをもっと深い内容に昇華していくことができています。そうした環境で新しいものが生まれてきているので、そうしたものを自チームだけでなく、埼玉県全体の強化につなげて行ければという思いがあります。自分たちの持っている知識は、近隣の指導者が全員わかっている。そうなると、地域の指導者同士で議論をして更に深い知識にしていけると思いますし、そうなるように持っているものはシェアしていきたいと考えています。
「体の扱い方」と「動き」を身につけることが重要
小学生の部を担当した田中コーチは、山形ワイヴァンズに6年間所属しU15ヘッドコーチ兼アカデミーディレクターそして活躍した経験を持つ。1時間30分という短い時間の中で、どんなことをポイントに今回のクリニックでの指導を行ったのか。田中コーチは次のように語ってくれた。
田中コーチ:小学生は、まずボールの扱い方と、体の扱い方・動かし方を身につけることが重要だと考えています。特に今日は、「姿勢」「体の扱い方」「ボールの扱い方」の3つのポイントを身につけてもらえるようなメニューにしました。この年代は、一つ一つの技を説明するよりも、まずはプレーをして自分自身で学ぶ。どんどん回数をこなす中で、勝手に身についていくこともあるので、その部分を意識した指導を行いました。実際のプレーをコーチがやって見せたり、映像で見せたりしながら、まずは失敗をしても良いので、積極的にプレーをさせることが小学生年代の指導には必要だと考えています。
実際にクリニックでは、田中コーチが見本をみせながら、姿勢、ボールハンドリング、バスケットボールに必要な体の使い方、を身につけるためのメニューが展開された。また、「何が大事かな?」「どこを意識したらいいかな?」と、一つ一つ選手に問いかけながら、選手達に考えさせながら練習に取り組ませる指導がとても印象的であった。