「良いオフェンス」の考え方とは!?

公開:2020/07/06

更新:2021/02/22

恩塚コーチがチームを分析して、フィードバックコーチング!

2020年5月より、先着5名様限定で、東京医療保健大学女子バスケットボール部HC恩塚亨氏による、試合映像の「分析」とそれに対する1対1のフィードバック企画を実施。ここでは、その第1回目の模様をレポートします。


客観的なデータから「良いオフェンス」かどうかを判断する

今回分析を実施したチームは、部員5名しかおらず、1on1や2on2での練習が中心になっているという県立高校の女子チーム。

フィードバックではまず、「良いオフェンスとは具体的にどういうことか」ということから話がスタート。そこで重要となる考え方が「オフェンスエフィシエンシー」です。100回オフェンスした際に何点取れたかを表すこの数字を基準に、良いオフェンスかどうかを判断することが可能に。指導者や選手の感覚ではなく、データに基づいた客観的な指標によりオフェンスの効果を検証することで、より良いオフェンスを行うための課題も明確になっていきます。

次に話は、シュートセレクトへと展開。今回のチームは、3Pシュートの割合が高いが、「ペイントアタックの回数、ペイントでの得点が少ない」という課題が見えてきました。

得点の「期待値」という考え方

なぜペイントでの攻撃が重要なのか。それは、得点の「期待値」という考え方がもとになっています。得点の期待値とは、そのエリアで1回シュートを放った時に「何点」得点が期待できるかということ。ペイントエリアでのシュートはFG%が高いため、期待値も高くなります。つまり、ペイントショットを増やすことができれば、自ずと得点も伸びるということになります。

↑講義では実際にチームで行われている練習メニューも紹介

ではペイントエリアでのシュートを増やすにはどうすればよいのか。その具体的な練習メニューの提案や練習ポイントの解説、さらに選手への声のかけ方まで、受講者の疑問にも一つ一つ丁寧に答えながら、すぐに練習に落とし込めるよう恩塚氏があらゆる角度からアドバイスを実施。

中でもドライブに対するスペースの取り方、「ダブルギャップ」を意識して周りの選手がスペースをとることの重要性を強く語られました。実際に恩塚氏のチームでも取り入れた動きや、日本代表で取り組まれていた練習、NBAのプレーなど、具体例やモデルとなるプレー映像も示すことで、具体的なイメージがつかみやすい内容となり、受講者の方も大変満足されていました。


今回のフィードバックを終えて、受講者の方から「指導に活かせる内容ばかりでとても勉強になりました」「受講して多くの考え方を学びなおすことができました」とのお声をいただきました。

>>>第2回フィードバックでは、中学校女子チームの分析を実施。「目的意識」をポイントにした講義内容について詳しくお伝えしています。


恩塚 亨 Toru Onzuka

1979年、大分県出身。バスケットボール女子日本代表アシスタントコーチ、東京医療保健大学女子バスケットボール部ヘッドコーチ、東京医療保健大学准教授。2006年、東京医療保健大に女子バスケットボール部を創設し、並行してアナリストやテクニカルスタッフとして女子日本代表チームに関わる。その高い分析力と指導力を生かし、2017年、創部12年目にしてリーグ戦&インカレともに初優勝を果たした。

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