チームとの関わり方 ── 実際のゲームから解き明かすコーチングとスカウティング【前編】 

公開:2020/08/21

更新:2020/09/07

平良 航大(東海大学/男子バスケットボール部シーガルズ アシスタントコーチ)

2020年2月1日にジャパンライム・セミナールームで行われたアナリストセミナー第2回、東海大学男子バスケットボールシーガルズのアシスタントコーチ・平良航大氏の講演の内容をお届けします。今回は前編 


映像資料の活用法

東海大学卒業後、母校に残り陸川ヘッドの下で、アシスタントコーチとしていかにチームの勝利に貢献できるか、その関わり方を追求しています。

相手チームのスカウティングはもちろん自チームの個々の選手の特性をいかに活かすか…。

そのために映像を最大限利用します。どのような観点から必要な映像をピックアップするかを解説します。

NBA、ユーロリーグ、Bリーグ等のプレーをYouTubeからピックアップして活用しています。選手も、レベルの高いプレーを見たいと思っているので、できるだけその要求に合ったプレーを見せるようにしている。

東海大学の過去のプレーもよく使います。ヘッドコーチの話の中に、過去の東海大学のプレーがよく出てきますし、現在在籍している選手の中には、過去このチームに在籍していた先輩たちに憧れて入ってきている選手も多く、東海大学の歴代のチームがどんなプレーをしていたのかは、非常に興味がある。彼らの心をつかむことができます。

映像資料の活かし方としては、①映像を提供、②ミーティング、③練習、④フィードバックという一連の流れで行っています。ミーティング時は選手自身が主導権を持って進め、課題を整理していきます。フィードバックとして、練習は毎回必ず録画し、YouTubeの限定公開で選手たちがいつでも閲覧できる状態にしておきます。

アシスタントコーチとしての私の仕事は、ヘッドコーチが求める映像をすぐに用意できるよう、準備しておくこと、そして、フィードバック時は選手たちが理解しやすいように映像を編集し、必要な部分にはコメントを入れて参考にしてもらうことです。練習中、ヘッドコーチが喝を入れていたり、こだわってやらせていたプレーはミーティングでも必要になると考え、あらかじめ準備するようにしています。

チーム全体としてのこうした取り組みをしっかりと機能させるためには、①全体像をイメージさせ、共有する、②チームの強みと弱みを把握させる、③弱みを出さないように努力する、という考え方を浸透させることが重要だと考えています。

コーチはファシリテーター(促進者)であるべき、ヘッドコーチに教えられました。選手が自発的に考え、ステップアップできる環境を作ることに専心しています。

チームの考え方を浸透させるには

ヘッドコーチがよく、「ビッグファミリー」「応援されるチームに」「我々はディフェンスチームだ」といった言葉をよく使うのですが、それらの文言でヘッドコーチの意図をすぐに飲み込める選手もいるのですが、そうでない選手も少なからずいます。

ヘッドコーチが語るチームコンセプト(特に「ディフェンスチーム」という考え方)を浸透させるために、私はモチベーションビデオを作成しました。ディフェンスチームであることがわかるような映像です。新入生が入部してきたら必ず見せます。過去のゲーム映像から、泥臭く、果敢にしつこくディフェンスしている映像をピックアップしてつなぎ合わせたものです。VHSで録画された、かなり古いビデオも掘り出しながらこれを作りました。これを見せることで、選手たちのやる気を奮い立たせることができていると思います。

>>>分析ソフトの使い方

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