片峯聡太監督インタビュー「“個の自立”を目指し“日本一カッコよくすてき”なチームを作りたい」

公開:2020/08/14

月刊バスケットボール2019年6月号『指導者Interview チーム作りの達人たち』より

バスケットボールに対して貪欲で、チームに誠実。自分以外の選手に良い働きかけのできる選手が一流の選手

県内の同じ地区に全国上位レベルのライバルが存在する福岡大附大濠高。若干31歳の指導者が、強豪として全国でも有名なチームを率いて感じた難しさ、重圧、苦悩…それでもこれまで継承されてきた“個の自立”を目指して指導する片峯コーチのフィロソフィーとは――。

大濠で継承されてきた“個の自立が指導の根底にある

—故・田中國明氏からチームを引き継いで何年目になりましたか?これまで、苦労した点はどのようなことでしたか??

9年が終わって、10年目に入りました。ありがたいことに、中学時代に県の選抜やアンダーカテゴリーの日本代表に入っている選手たちを預かる機会が多い中で、個の育成とチームの強化が交わるところを見付けることが難しかったです。これは今でも日々感じています。

—片峯コーチ自身もOBである福岡大学附属大濠高等学校(以下、大濠)は、全国大会へ出場することは当たり前で、さらに上位進出も求められているチームです。コーチになることで、その重みやプレッシャーというものはありますか?

必死です(笑)。私は目の前の選手たちをより良くしたい、個を高めたいと思っています。そして、チームに対して求められているものに対して、どれだけの結果を出すことができるか、というものも一つの評価としてあります。
 私のやりたいことと、求められていることのバランスの難しさに悩み、いろいろと田中先生にご相談したことはありました。

大濠で田中氏が指導する時代を含めて、代々受け継がれてきたことがあると思います。その中で、片峯コーチが継承していること、また新しく取り入れたことなどを教えてください。

〝個の自立〟です。一人の選手を、人間として選手として育てて次のステージへと送り出していくことが、私が田中先生から継承している、大切にしていることです。もちろん、私が指導する上で根底にあるものだと思います。

—中学を卒業してきた選手にやらせるのではなく、自らやるように教えるのは難しい部分もあると思いますが。

確かに難しいですね。2年、3年と学年が上がって行くごとにチームの考え方やフィロソフィーをしっかり話し伝えます。そして、1年生が入ってきたとき、上級生の姿をどれだけ作り上げることができているのかがとても大切なことだと考えています。
 新入生に一から十を話しても、なかなか理解することが難しいです。ですから、そこでしっかりとした先輩たちの姿を見せることができるかどうかが伝統の継承にもつながると思います。

–継承とは反対に、片峯コーチが新たに構築している部分はありますか?

田中先生が作られたチームというのは格好良かったです。個が自立していて我もあって、バスケットボールがうまくて、勝ちにこだわる強いチームで。私はそれに加えて、〝日本一カッコよくすてき〟なチームというものを作りたいと思っています。選手たちが一人の人間として、良い表情で周囲にも良い働きができるような個の集団。そんな周りから応援されるようなチームへと、もう一つ成長させたいです。

–現在、片峯コーチは31歳。若手というメリットはどこにあると思いますか?

選手と過ごす時間の長さや距離感のつかみ方というのは、若いからこそ、うまくいっている部分があると考えています。副顧問の先生はいらっしゃいますが、遠征などはアシスタントなしの一人でできているのは若いからだと思っています。強いて言うなら、この辺りが強みではないでしょうか。

–それとは逆に、若いがゆえの経験不足などは感じますか?

本当は失敗しないことが良いのですが、私自身、失敗から学ぶことが非常に多いです。経験値が高い上で、どちらかを選択すれば失敗は少ないはず。熟練されたコーチと比べると、成功にたどり着くまでの時間、失敗の数が多いと思います。
 だからこそ、一流の指導者の方々から話を聞き、自分が悩んだとき、行き詰ったときの参考にしています。

—経験の少なさを最も痛感したのは、どのような場面でしたか?

2年前、2017年のウインターカップ決勝ですね。明成高と対戦させていただいたとき、対峙するベンチの佐藤久夫先生との駆け引きや相手に飲み込まれるような雰囲気もありました。そこで『全然違う…』と感じました。

県内ライバル福岡第一の存在と全国に増える外国人留学生 >【2】

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