公開:2020/07/24
更新:2021/02/22
2020年6月27日(土)に、元男子日本代表HCの長谷川健志氏による、オンラインセミナーを開催。ここではその模様をレポートします。
今回のセミナーテーマは「コーチング」。青山学院大学で計20回の優勝を果たし、代表チームでもトップレベルの選手をまとめ上げてきた長谷川氏が、自身の経験も踏まえながら、「良いコーチになるために必要な考え方と行動」について講義を実施しました。
コーチに求められる要素とは!?
セミナーの序盤は、「コーチングの定義・目的」について話が展開。コーチングの目的は「進化」であり、自分自身、チーム、選手を進化させるために何が必要なのかを深く掘り下げていきます。
まずは、選手を「観察」することが一番大事であり、コーチに求められることとして5つのポイントがあげられました。
という5つのポイントについて、長谷川氏の経験も踏まえながら、それぞれの要素を高めるためのヒントが語られていきます。単なる理論だけでなく、すぐに実践できることを意識したアドバイスが多く、コーチとして「考えるべき視点」と「明日からどう行動すべきか」が明確になっていきます。
特に、コミュニケーション力の部分では、パッション・ロジック・シンプル という3つの要点を知り、選手に自分を思いを伝え、選手からの声を引き出す重要性とその実践方法を紹介。
「選手一人ひとりを観察し、それぞれの性格や状況のあった声かけをすること」
「選手が納得できるよう理論立てて説明すること」
「できるだけ情報量を少なく、映像などを使ってわかりやすく簡潔に説明すること」
の重要性が語られました。いずれも、普段から意識しておかないとできることではありません。こうした細かい気づきや気遣いが、コミュニケーション力を高め、コーチとしての成長に繋がっていくのです。
選手を認めることが大切
講義の後半では、「選手・チームをどうやって成長させていくか」ということに重点を置いて話が進みます。選手の成長にはサイクルがあり、コーチがそのサイクルを回す手助けをしなければなりません。そのサイクルの始まりは、「楽しむ」とこであり、楽しみながら成功体験を積み重ねていくことで、努力を惜しまず成長を続ける選手へと育っていきます。
そこで重要となるのが、選手とコミュニケーションを図り、選手を「認める」ということです。そのうえで、チームの方向性を示し、選手それぞれに役割を与える。さらに、技術指導の力を身につけるという、講義の最初に話が出たコーチとしての5つのポイントを押さえることが、選手を成長させていくことにも繋がります。