「Go For The Top」栃木発のトッププレーヤー育成を目指す~宇都宮ブレックスユースの取り組み~

公開:2020/12/25

Bユース3チーム目となる今回は、Bユースクラブのなかでもいち早くU18を立ち上げ、U15からの一貫指導を行う宇都宮ブレックスユースの取り組みを紹介。注目度の高いチームで取り組まれている、将来を見据えた育成は必見です。

地域に根差した活動

―まずはチームの理念や指導のコンセプトについて、BREXバスケットボールスクールグループディレクター兼U18ユースチームのヘッドコーチの荒井尚光コーチに伺いました。

荒井コーチ(以下:荒):国体が2022年に栃木で開催され、まずはそこに向けた選手の育成・強化を目的としていて、将来的には宇都宮ブレックスのトップ選手になりうる選手の発掘と、世界で戦える選手を育成することを目指しています。チームとして地域社会に根差した活動をしているので、栃木県内出身の選手から、トップチームの選手を輩出することも目指しています。
チームスローガンとして「Go For The Top」ということを掲げていて、
プレー面でも人間としても一番を目指すということを指導の理念にしています。その理念を具現化するために、中長期的な目標を立てていて、中期的な目標としては特別指定選手を毎年輩出する、長期的な目標としては世界で活躍する選手を輩出するというところを目指しています。 スクールも運営していて、スクールからU15ユースチーム、U15ユースチームからU18ユースチーム、U18ユースチームからトップチームと一貫した指導ができるのもうちのチームの特徴ですね。どの年代も勝つことが最大の目的ではなく、将来トップチームや世界で活躍することを目指しています。U18年代は、現状出場できる大会も限られていますので、そこはBリーグにも働きかけて、環境を整備していく必要もあるかなと感じています。ただ、大会で勝つこと、優勝を目指すことが最大の目的ではないですので、いかにトップ選手の育成に繋がるかということが大切だとは思います。将来的には、海外の育成環境に触れる機会を設けられればとも思っています。

↑選手に練習の指示を出す荒井コーチ

―ユースチームでは毎年トライアウトを実施しているそうですが、選手選考において何を重要視しているのでしょうか。

荒:U15チームとして、「ハードワーク」「コミュニケーション」「リスペクト」の3つをテーマとして掲げていますので、その3つを満たしているかというところを選考基準にしています。この3つを満たしている選手は、スキルの部分でも高い選手が多いのではないかなと感じています。技術的な部分でいうと、最近は「満遍なく上手な選手」が多くなってきている中で、更に何か武器を持っている選手を選ぶようにはしています。背が高いということもそうですし、ドリブル、シュート、パスといったスキルの部分でも、誰にも負けないという武器を持った選手を選んでいますね。

―次に、選手構成と指導者の体制についてお聞かせください。

荒:毎年トライアウトは30名ほど受けてくれるのですが、その中から各学年7名ほどを選抜しています。部活動との掛け持ちをしている選手はいません。大会では3年生と2年生を主体に、1年生のパフォーマンスの良い選手を1名加えて、15名のチームメンバーを選ぶことで、1年生の中で競争も生まれますし、上級生もそれに刺激される相乗効果があると考えていて、大体各学年7名というのを基準にしています。栃木県外から1時間以上かけて通っている選手もいますが、そこはトライアウトの際にしっかりと本人の意思を確認して、本当に宇都宮ブレックスでやりたいという選手だけを選ぶようにしていますね。県外から強い思いを持って参加している選手がいることで、県内の選手にとっても刺激になりますし、そこは県内だけにこだわらずにやっています。
指導体制としては、U15はメインが本谷コーチで私がアシスタント、U18は私がメインで本谷コーチがアシスタントという形です。その他、マネージャーとトレーナーが各1名います。

連動性のある動きができるように

―技術指導の面で重要と考えているポイントはどこでしょうか。

荒:私が考えるバスケットのポイントとして、「ピック&ロール」「ハンドオフ」「ドリブルハンドオフ」「アウェイスクリーン」の4つがあって、この4つのスキルはこの年代でできてほしいと考えています。これらは1人2人でやるものではなくて、3人でやる動きなのですが、その中で「連動性」を意識して指導するようにしています。そこから発展してU18では、4人や5人の動きができるようになることを目指しています。
栃木県だと、正直毎年サイズのある選手が揃うわけではないので、トップレベルを目指すには、身長・身体能力の差を埋めるバスケットボールを展開する必要があると思っています。その差を埋めるために、頭を使いながら平面的に戦えるバスケを展開することが必要な技術だと考えているので、先ほど挙げた4つのポイントを意識して指導するようにしています。

↑ホワイトボードで選手にもポイントを共有する

―トップチームに繋がるということも意識して指導されているのでしょうか。

荒:トップチームのチームカラーとして、「ディフェンスでハードワークする」というのがあるので、ユースでもそれを求めて指導しています。実際に他のユースチームの指導者の方からも、毎年「ブレックスのユースはディフェンスでハードワークするよね」と言ってもらえることも多くありますし、ほんとにディフェンスの部分はフォーカスしていますね。
トップチームの竜三さん(安齋竜三HC)は、選手時代から長く一緒にやってきていて、普段からユースの指導について相談することも多いですね。町田ACともスクールでは以前に一緒に指導をしていたこともあり、今でもコミュニケーションを取っています。あとは、トップチームの公式試合を観に行ってレポートを書かせたり、町田ACが練習に来てくれたり、トップチームやコーチ陣との連携は他のBユースチームに比べてもかなり取れているのではないかと思います。

フィジカルの強化も欠かせない

―U15とU18の指導で意識している点に違いはあるのでしょうか。

荒:U18で一番大切なのは「フィジカル」だと思っているので、まずはしっかりとした体作りができるようにトレーニングをしています。そのあとに技術が伴ってくると考えていて、フィジカルからファンダメンタル、3人の動き、そこから4人5人での連動性という部分を高められるように指導をしています。あとは、ブレックスがこだわるディフェンスの強度をさらに高めていくことも意識しています。高校年代になるとゾーンも活用するので、その落とし込みもやっていきたいと思っています。
U15でも、自重でできるトレーニングをメインに毎回の練習で実施してます。やはり、体格差の大きい相手と戦うことも多いので、当たり負けしないフィジカルは必要だと感じています。あとは、バスケットボールは「よーいスタート」で始まる競技ではないので、特にディフェンスの部分では、先を読むこと、相手の弱点をとらえること、を考えさせるように指導はしています。

―今後、ブレックスユースとして目指すところや、現状の課題についてお聞かせください。

荒:U18はまずは、先ほども言ったように毎年特別指定選手を輩出することですね。将来を考えると、もちろんブレックスのトップチームで活躍してほしいと思っているのですが、B1の他のチームをはじめ、B2のチームでもB3のチームでも、まずは特別指定で加入してプロの世界で経験を積むということもありだと考えています。現に、ユースチームの立ち上げ前に、スクールとして当時トップ選手育成クラスというものがあったのですが、そこに所属していた選手が今仙台89ERSでプレーしています(渡辺翔太選手)。そういう事例をこれからどんどん増やしていきたいですね。
加えて出来る限りU15の選手がそのままU18に進みたいと思ってもらえる環境をハード面でもソフト面でも整えていくことが今後の課題だと感じています。

宇都宮ブレックスユースチームの練習の様子を紹介⇒

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