「考動力」を育てる指導~レバンガ北海道ユースチームの取り組み~

公開:2020/12/11

更新:2020/12/25

クラブチーム特集企画。今回は、Bリーグ レバンガ北海道のユースチームを取材しました。来年度からはU18チームも始動するレバンガ北海道ユースチームでは、どのような理念のもと指導が行われているのか。チームを統括する齋藤拓也HCへのインタビューを中心に、チームの魅力に迫ります。

魅せるバスケットを目指して

―最初に、チームのコンセプトについて教えてください。

齋藤HC(以下 齋):まずは、「魅せるバスケットを展開する」ということを理念として掲げています。ただ一人の選手だけがやりたいバスケットではなく、誰が見ても「レバンガ北海道U15のバスケットはすごいよね」と言われるようなチームを目指しています。ただバスケットのスキルやプレーだけではなく、人間性の部分や規律の部分が非常に重要だと考えているので、そういったところを選手に伝えるようにしています。バスケットのプレーについても、1対1だけではなく、5人が常に動いて、ボールと人が連動することを目指しています。その中で、「こういうシュートシチュエーションがあるんだ」とか「こういう守り方があるんだ」という、レバンガ北海道らしさを出したいと思っています。

齋藤 拓也HC

―現在、どのような選手構成で活動されているのでしょうか。

齋:U15チームには、小学校6年生から中学校3年生まで合計29名が所属しています。部活動との掛け持ちはしておらず、全員がこのチームだけでバスケをしています。毎年1月にトライアウトを実施しており、今は活動拠点である札幌市だけではなく全道各地から選手達がトライアウトに参加してくれています。

―トライアウトではどのようなところを重視して選手を選考されているのでしょうか。

齋:選手の選考に関しては、育成年代では技術の部分は正直分からない部分があるので、将来性を重視するようにしており、選手としてどれくらい伸びるかということを見るようにしています。将来性といっても、体の発育もまだ途中の年代でどうやってそれを見抜いていくかですが、大事にしているのはレバンガ北海道U15でプレーしたいという気持ちがどれだけパフォーマンスに出せているか、受け身ではなくどれだけ自分で動けるか、というところですね。
トライアウトが始まる前に、1時間くらい個人ウォーミングアップの時間を設けています。そこで、体育館に入ってきてウォーミングアップからどのように動けるか。自ら行動できるのか、周りにポジティブな影響を与えることができるのか、そういったところが一つの判断基準になります。あとは、トライアウトを受けてもらう際に、小学校1年生からの身長・体重とご両親の身長・体重を記載してもらうようにしていて、それも参考にはしています。
また、将来こういう選手になりたいという目標がしっかり掲げられている選手や、それに向かってスキルやコミュニケーションを成長させようとする姿勢・意志がある選手に関しては、私自身もしっかり育成したいという思いになりますね。

指導者同士のコミュニケーションが大切       

―ここからは指導に関して伺っていきます。まず練習スケジュールとその組み立て方について教えてください。

齋:練習は月・水・木・土・日の週5回。平日が2時間、土日は2時間半実施しています。指導体制は、私のほかにアシスタントコーチが1名、スキルコーチが1名、トレーナーが1名の4名です。練習の内容は、その時の課題に応じて変えながら行っていますが、毎回トレーナーにやってもらうアップには30分ほど時間を使って、ただ体を温めるだけではなく、運動能力を高めることをかなり重視した内容にしてもらっています。あとは、週に2回スキルコーチに来てもらって、ボールコントール、ファンダメンタルの部分を指導してもらっています。
自分が指導する部分に関しては、基本的には同じメニューをやらないようにしていて、同じ練習は多くても2回の練習くらいしかやらないですね。

―スキルコーチが継続して指導に加わっているという環境は、クラブチームの中でも珍しいのではないかと思います。スキルコーチを導入されている意義やHCとスキルコーチの関係性についてはどのように考えているのでしょうか。

齋:スキルコーチは1年目から指導に来てもらっています。自分は言葉では伝えられますが、実際に見本を見せることが難しくて。ボールを扱うとかシュートを決めるというところを、実際に見せることができる、自分にはない武器を持ったコーチが必要だと感じ、指導をお願いしています。
その中で、こちらの考えをスキルコーチにも伝えて、理解してもらうということはかなり重要ですね。スキルコーチも1人のコーチなので、自分の理論や教えたいことがあってそれを選手に伝えたいと思うんです。ただ、レバンガ北海道U15という一つのチームとして指導してもらう以上は、チームの理念やHCの考えに沿って指導してもらう必要があります。試合が近くなれば、対戦相手によって指導内容を変えてもらったり、選手の成熟度や時期によって変えてもらったり、コミュニケーションをとりながらやっていくことが大切だと思います。スキルコーチがやりたい指導も確認して、「それはいいね」「今はこういうスキルを身につけさせたいよね」ということを、常にコミュニケーションをとっています。

練習中もコーチ同士で常にコミュニケーションを取る

―チームやHC自身の考え方を常に共有することが大切ということですね。

齋:そうですね。スキルコーチに限らずチームスタッフ全員が、何をコンセプトにどういったチーム作りを今シーズンやっていくのかということを共通理解として持っていて、そこにコミットすることが重要だと考えています。「選手は話を聞くだけじゃなくて質問してくるよ」とアシスタントコーチにもよく伝えています。選手からの質問に対してコーチによって回答が違えば選手は混乱してしまいます。アシスタントコーチが質問に答えられない時はヘッドコーチに伝えるべきですし、そもそも答えられないこと自体が選手に対しては良くないと思うので、常にコミュニケーションをとってチーム全体で共通理解を持つようにしています。

―その他に、チームとして取り入れていることはありますか。

齋:提携している札幌保健医療大学さんに、栄養サポートをしてもらっています。月に1回の身長測定と4カ月に1回の体組成測定を実施しています。あと、今年は新型コロナウイルス感染拡大の影響で実施できていないのですが、3ヶ月に1回栄養講習として、全員でご飯を食べる機会などを設けています。ご飯を食べながら、必要な栄養素やどの食材にどんな栄養が含まれているかを学んでもらっています。そこで食べる料理は保護者の皆さんに作ってもらっていて、保護者の方も一緒に講習を受けてもらうようにしています。保護者の方へのサポートとしては、他にも1カ月に1回くらいのペースで栄養相談をしてもらっています。栄養サポートとして、普段の生活の課題に対して、その対応策までを提示するようにしています。

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