「考動力」を育てる指導~レバンガ北海道ユースチームの取り組み~

公開:2020/12/11

更新:2021/02/18

考えてプレーできる選手を育てたい

―先ほどご自身の考えをコーチと共有するとおっしゃっていましたが、齋藤HCはどのような指導理念を持たれているのでしょうか。

齋:私の指導のコンセプトとして、「考えるバスケットをする」というものがあって、伝えたものをすぐにイメージできる、すぐ行動に移せるということを大事にしています。私が、「次、このメニューをする」と伝えたときに、細かいことを言わなくても選手達がそれを理解して実行できる。目的を言わなくても、「この練習は前やった練習に結び付くな」というような、発想ができる、考えてプレーができる選手を育てるということを目指して、練習のメニューを組み立てていくようにしています。
あとは、JBAで掲げられているバスケットの基準に合わせていくということも意識していますね。トップ選手を輩出することを目指しているので、JBAの基準に沿った選手育成をしていく必要があるなと感じています。

お互いにプレーの確認をする選手達

選手が「選択できる」環境を作ることが重要

―育成年代では、Bリーグのユースチームをはじめ、クラブチームが増えてきています。学校部活動もある中で、Bユース、レバンガ北海道ユースチームの存在意義についてはどのように考えているのでしょうか。

齋:現在、北海道は、U15年代でも中学校の部活動が主流で、クラブチーム登録はレバンガ北海道のみとなります。そうした環境で「クラブチームとは何であるのか」ということを考えてきました。まず、“クラブの方が絶対いいよね”ということは全くなくて、クラブと部活両方の良さがあって、お互い共存していくべきだという考えでいます。
その中で、Bユースの良さ、使命って何だろうと思った時に、それなりの経験のあるコーチから指導が受けられるとか、JBAに関わったスタッフや、私も含めてトップチームでの指導経験のある指導者がいるとか、すごく広い視野で世界を意識した育成ができるというところが強みになるのかなと思っています。
来年度からU18チームが始動しますが、U18も同じで、高校部活動が良い、ユースが良いということはなくて。「選手がどこを目指したいか」というところに合った受け皿があることがよいと思います。Bユースはトップチームに直結しているという環境がありますし、部活動にはインターハイやウインターカップといった歴史や認知度のつく大会があります。そうした中でうまく共存していくことが重要なのかなと考えています。
今のレバンガ北海道U15からは、中学3年生12名のうちトライアウトを受けて、8名の選手が来年度U18に向けて、トライアウトに合格し、入団予定となります。基本的には、U15チームからU18チームに上がってほしいというのはありますが、それぞれがしっかりと考えを持っていて、「ここで学んだことを高校の部活で活かしたい」という選手もいて、自分自身で考えて決断したのであれば、選手の選んだ道を応援したいですし、しっかりと選手が決めた目標にトライできるような環境をつくっていきたいと思っています。

練習中は常にコミュニケーションを取るための「声」が飛び交っていた

人間性とは・・・選手たちが自分で判断して選択できる力を磨く

―最後に、今後の目標について教えてください。

齋:トップ選手を育成するということはもちろん、人間性を養っていくことも同じく大切だと感じていて。その人間性を養うってどういうことかというと、「考える力」「自分で判断して選択できる力」だと考えていて、そこを定着させたいと思っています。トップチームでの指導を経験したときに、コーチ陣が「こうだからこうしよう」と伝えたことを、すぐにイメージできる選手とできない選手に差がありました。それは、育成年代の指導環境も影響しているんじゃないかと思うんですね。なので、コーチから何か言われたときに、「コーチはこういうことを言いたいんだな」とか「こういうことにチャレンジしよう」と、自分で考えて実行できる選手を育てたいですね。
あと、U15年代は体もまだ全然できていない段階なので、「スキルを身につけたとしても体が成長したときにそのスキルがどうつながるの?」と思う部分もあって。なので、この年代ではスキルよりは「脳みそを柔らかく」した方がいいのではないかなと感じています。まずは、発想して選択して実行できる力を伸ばして、先のカテゴリーでしっかり求められることにコミットできる選手を育成していきたいですね。
上のカテゴリーに上がるときに、「海外でやりたいです」とか「やっぱりやりたいことはバスケじゃないです」となって他の道を選択することも全然良いと思っています。しっかりと考えられる選手を育成して、自分で考えて判断できる力が身についていくことが一番だと考えています。


取材を終えて・・・
取材を通して一番感じたことは「コミュニケーションの量が多い」ということです。選手とコーチ、コーチ同士、選手同士。練習前の自主練習から、あらゆるところでコミュニケーションがとられ、今日の練習内容やチームの課題について、立場関係なく話をし、それぞれが課題に向き合う姿がとても印象的でした。これは、齋藤HCが仰っていた「考える選手を育成する」という理念が浸透し、チーム全体で共有されているからこそではないでしょうか。技術力だけでなく、考えて動く力=「考動力」も身につけたレバンガ北海道ユース出身の選手が、「自ら決めた道」で活躍することを楽しみにしています。

(取材日 2020年11月16日 担当:大野)

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レバンガ北海道ユースチーム

レバンガ北海道ユースチームHP:https://www.levanga.com/team/levangahokkaido-u15/

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