ハードワークが体現できる環境をつくる~川崎ブレイブサンダースユースチームの取り組み~

公開:2021/02/05

更新:2021/02/18

今回は、川崎ブレイブサンダースユースチームに取材を実施。トップチームも含めて、トレーニング・コンディショニング関係を統括されている、吉岡淳平フィジカルパフォーマンスマネージャーと、U15の山村亮介HCにお話を伺いました。

チーム全体でハードワークする

 現在川崎ブレイブサンダースU15チームには、28名の選手が所属。今年度より立ち上げたU18チームの選手とともに活動をしています。練習は、高校1年生と中学3年生、中学2年生・1年生の2班に分けて実施。週4回、1回およそ3時間の練習時間の中で、スキルの強化だけでなく、フィジカルパフォーマンスの強化にも注力されているそうです。
 指導の中では、川崎ブレイブサンダースのトップチームが掲げている「BE BRAVE」という合言葉をもとに、トップチーム同様にオフェンス・ディフェンス両面で、「ハードワーク」を求めているとのこと。そのハードワークを実現するために、どのような点を意識されているのでしょうか?まずは、山村HCにお話を伺いました。

山村亮介HC(以下:山):U15は試合時間が32分ですが、1試合の中で一人の選手が常にハードワークを続けるのは、体力的に難しいですし、大きな負担になります。そこで、選手をローテーションして、プレーしている選手が常にハードワークできる環境を作るようにしています。そうして、チームとして32分間ハードワークを続けるために、所属している選手全員がハードワークできるよう、日々指導を行っています。トップチームの試合や練習を見学してプレーを体感してもらったり、練習中にハードワーク出来ていない部分があれば、プレーを止めて注意したり、「ハードワークすることが当たり前だ」という雰囲気を作ることを大切にしています。

トップ選手になってから気付くのでは遅い

ハードワークをするためには、体力的な要素が必要になってきます。川崎ブレイブサンダースユースチームでは、コンディショニングに関しても、力を入れて指導されているそうです。

吉岡フィジカルパフォーマンスマネージャー(以下:吉):このユースチームはもともと、U12からスタートしていて、活動をはじめて5年目になります。私自身、トップチームに長く関わらせていただく中で、感じていることがありました。それは、選手が自分の体調管理やコンディショニングの重要性に気付くのが遅いということです。今のトップチームの選手も、年齢を重ねたり、国際大会などのハードな環境でプレーしたりする中で、コンディショニングの重要性に気付くことが非常に多くて。「もっと早くから知っておけば良かった」と言う選手がたくさんいます。自分の最高のパフォーマンスをするためには、体が万全な状態でないといけません。ユースに関わるとなった時から、この年代でコンディショニングの重要性や考え方は、植え付けていかなければならないなと考えて、力を入れて指導をしています。

座学と実践で理解を深め、意識を高める

具体的にはどのような取り組みをされているのでしょうか?

吉:まずは、自分の身体のことを知って、コントロールすることが重要だと考えています。所属している選手達には、時間を設けて講義形式で、コンディショニングの方法や、ストレングスや栄養、熱中症など時期に応じたトピックスに関する知識などを学べる機会を設けています。今年は新型コロナウイルス感染拡大の影響で、練習場所や練習時間が制限されており、まずはボールを使った練習をすることを優先させたので、なかなか取り組めていない部分もありますが、例年は計画を組んで、座学の時間もしっかり設けるようにしています。あとは、簡単なセルフケアの方法も指導していて、いつでも自分でケアができるように指導をしています。

↑座学を行う吉岡フィジカルパフォーマンスマネージャー
©KBT(2019-20シーズン撮影)

それから、日々の体調や身長・体重・体脂肪率といったデータは記録するようにしています。誰かと比較するのではなく、一人ひとりの変化を見せるようにしています。それを数値化して偏差値で示してあげたりして、モチベーションを上げる工夫もしています。ONE TAP SPORTSを使って食事の管理やその日の調子の確認も行っています。データを取ったり、アプリを活用したりすることで、指導者側は「選手の主観」をできるだけ理解できるように心がけています。例えば、「この選手の体調が悪いというのはどのレベルなのか」「痛みと言っているがどの程度の痛みなのか」といった、選手の感覚的な部分を、すべてを理解することはできなくても、出来るだけ理解して、ケアできるようにしたいと思っています。また、フィジカル測定などデータ(記録)をスタッフが管理して選手へフィードバックしたものを「客観的な指標」として、自分の身体を知るために活用してもらいたいと考えています。何となくの感覚ではなく、数値として、自分の体格や疲労度、栄養バランスや体調管理を、選手自身ができるようになる環境を、座学やデータを取るといった仕組みを使って整えるように意識しています。

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